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マスコミ 識者は「狼が来たぞ」といって 記事を売って利益を売るのが商売です。 ●コロナショックの先に待つ4つの最悪シナリオ

 ニューヨークダウ平均が2日連続で1000ドル前後の下げを記録するなど、新型コロナウイルス感染拡大の影響が経済にも波及してきた。
一方で、日本の危機管理はその甘さが際立っている。
日本への渡航自粛を求める国も現れ、東京五輪の代替地としてロンドンが名乗りを上げるなど、今や日本の経済を根底から覆しかねないリスクも顕在化してきている。
 そんな中でささやかれ始めてきたのが、新型コロナウイルスによる経済への影響の深刻さだ。リーマンショック級とも、東日本大震災級とも言われる景気後退リスクに対して、日本政府は対応できるのか。そしてまた、われわれ国民もどんな準備をしていけばいいのか。現実には起こってほしくないが、新型コロナウイルス禍によって起こりうる最悪シナリオは4つある。
(注 この後は 本当に超抜粋させて頂きます。念のために最後に適度な抜粋文を付記させて頂きます。)
【シナリオ①】 東京五輪中止で“五輪バブル”の崩壊
■1990年代のバブル期を上回る「五輪バブル」
実際に、帝国データバンクが昨年の11月に行った調査によると、東京五輪開催が日本の持続的な経済成長のために「有効だと思う」と回答した企業は半数に満たない46.8%にとどまっている。国内企業の半数しか東京五輪の需要を当てにしていないということだ。
壊滅的な経済危機に陥る、といった見方をする人もいるが、思ったほど大きくないかもしれない。
ただ問題なのは、東京五輪開催というアナウンス効果によって、過剰な投資を生み、「五輪バブル」に陥っていることだ。
【シナリオ②】 消費は半減?  
東日本大震災級の景気落ち込み! 
能天気な「緩やかな景気回復」の化けの皮が剥がれる? 
 東京商工リサーチがこの2月20日に発表した『新型コロナウイルスに関するアンケート調査』によると、
「現時点で影響が出ている」企業が2806社(22.72%)、
「現時点で影響は出ていないが、今後影響が出る可能性がある」は5401社(43.74%)、
「影響はない」は、4141社(33.54%)となっている。
 65%超の企業が「影響が出てくる」とみているわけだ。
 もともと日本経済は2018年末辺りから、景気が落ち込んでいると言われており、日本経済が弱含みのときに、この新型コロナウイルスショックに襲われたわけだ。
■最低でも3~4カ月間、激しい落ち込みを覚悟すべき
 東日本大震災では1カ月後には、全体的にみて通常の消費支出に戻っている。しかし、新型コロナウイルスではそうもいかないだろう。最低でも3~4カ月の期間、激しい落ち込みを覚悟する局面もありえる。
世界の動きはどうなるかわからないが、日本の景気後退はかなり大きくなりかねない。
【シナリオ③】1ドル=125円超 悪性インフレの入り口か? 
 2月25日の東京市場では、日経平均株価が一時1000円超下落した。
日本は、消費税率アップや大型台風などの影響で2019年10~12月期は、実質GDPが年率換算でマイナス6.3%となった。
 そして、次の2020年1~3月期もマイナス成長になるはずだ。2期連続でGDPがマイナスになると、いわゆる「リセッション(景気後退)」となり、海外投資家を中心に、日本の株式は大きく売られることになりかねない。
①厚生労働省が、新型コロナウイルスのPCR検査の保険適応をいまだに認めていない現状を考えると、医療システムの崩壊を招くような感染爆発が起こる可能性もある。
 そうなると、日本への飛行機の渡航が世界中から止められ、世界からの物資なども供給されなくなる。株価は大きく下落し、円が売られ、金利が上昇(債券価格の下落)することになる可能性が高い。
■円安の影響で金融緩和すべき日銀にその余力はもうない
心配なのが、新型コロナウイルス感染の世界的な拡大で、安全資産の「円」が買われて円高になるはずが、2月に入って以降、逆の円売り=円安に進んでいることだ。
感染爆発が起これば1ドル=120円台まではあっという間に行くことになるかもしれない。その場合、円安の「分岐点」になるのは「1ドル=125円」だろう。かつて、日本銀行の黒田総裁が「1ドル125円以上の円安は望まない」という趣旨のコメントを出したことがある。「黒田ブロック」とも呼ばれているが、日本経済が許容できる円安の目安とも言われている。
②打つ手を持たない日銀のために必要なのは、政府はイタリアや韓国がやったような積極的な感染症対策だろう。厚生労働省が、新型コロナウイルスのPCR検査の保険適応をいまだに認めていない現状は、感染者を野放しにしておくのと一緒だ。
【シナリオ④】 日本の「武漢化」で全土が封鎖! 
健康保険、年金資金が枯渇する? 
このシナリオが最悪のケースと言える。安倍政権の対応が遅れて、日本に感染爆発が起こり、医療システムが崩壊。日本のあちこちが中国・武漢と同じような状況になってしまうというシナリオだ。
サプライチェーンの停滞で海外からの物流は途絶え、食糧不足などの物資不足に陥ることになる。
 海外からのヒト、モノ、マネーも遮断され、日本の輸出入もストップしてしまう。日本経済にとっては、まさに正念場となり、株価は底なしで下落する可能性がある。
 日本で限定的な感染爆発が起きた場合、経済的な損失は計り知れない。ただ、東日本大震災があった2011年のGDPは、震災被害の規模を16兆~25兆円、GDPを最大0.5%押し下げると、当時の内閣府が震災直後に発表した。
実際には、2011年度のGDPはプラス0.4%となり、かろうじてプラスを保っている。
リーマンショックは、2008~2009年にかけて最大マイナス3%程度まで下落しており、③金融危機のほうが実体経済に与える影響は大きいことを物語っている。
 一方、新型コロナウイルスの感染爆発は別の不安を生み出す。医療システムの崩壊など国民の生活が壊滅的なダメージを受ける可能性があるのだ。
④日本で感染爆発が起これば株価が大暴落し、その株式市場に莫大な資金を投資していた年金資金など公的資金が致命的な打撃を受ける。
高齢者の生活を支えている年金制度が資金不足となり、年金制度の崩壊=国民の生活が破綻するということだ。
【超抜粋 引用 終わり】→抜粋引用を最後に付記します。

まさしく「狼が来たぞ」です。
例えば「①厚生労働省が、新型コロナウイルスのPCR検査の保険適応をいまだに認めていない現状を考えると、医療システムの崩壊を招くような感染爆発が起こる可能性もある」
です。
確かに、「医療システムの崩壊を招く、感染爆発が起こるかもしれない」可能性は0ではありません。
(つまり、武漢のように患者が病院に押し掛けて、まともな診療ができなくなる)
しかし その理由は「厚生労働省が PCR検査の保険適応をいまだに認めていない」からではないと思います。
感染爆発は 沢山の人達が感染するから発生します。
そして なぜ感染するかと言えば 無症状の人から感染する人がいるからです。ですから 国民全員が 毎日PCR検査を受けられて 陽性だったら家に籠る事が出来れば、感染はかなり抑えられます。
しかし PCR検査の容量が足りないので これは不可能なのです。
ですから なぜ感染爆発が起こりうるかと言えば、
「厚生労働省が PCR検査の保険適応を認めていない」からではなくて、「日本が (感染爆発を抑止する為に 現在必要な)PCR検査の容量をもっていない」からです。
「来週には PCR検査の保険適応を認めるようです」ですから この記事の筆者のおっしゃる通りだとすると これで感染は収束していくはずですが、私は「保険適用をうまくさばかないと 現状よりもさらに混乱する」事になると思います。
即ち 一般の家庭医が保険を使って検査機関に「念のための検査」まで、持ち込んでくると一日1万とか10万の検査依頼が殺到するかもしれません。
(インフルエンザの患者数は年間では2千万だそうなので 普通の風邪や気管支炎の患者さんも相当数いるはずです。)
ですから、保険解禁の最初の頃には1日10万の依頼もありえます。すると1日千件ずつ検査して100日分になります。宝くじよりははるかに高率で当たる感じですね。
こうなった時 検査するべき人を誰が選ぶのでしょうか? 一般の商業検査機関だとやはり 先着順ですかね。
ですから 国立感染症センターなどは 今まで通りに市区町村や保健所の依頼分だけを検査する事にしておかないと、大混乱になります。
いずれにせよ「検査しないから 感染するわけではありません」が、検査が完全にできないので いつどこで感染するか解らない状態は続きます。
ですから 日本として何ができるかと言えば「日本国民の一人一人が、感染から身を守る行動を、自分で出来るだけやっている」しかないわけです。
と このように 実際に経済活動をしている私は、現実として「自分にできることはする」 「出来ない事はしない=できない」という行動をとります。
 ですから 政府にも色々と要望はあります(時に失望することも有ります)が「日本政府ができない事をしないから、 日本政府は無能だ」とは考えません。
 と同時に 「あり得ないことが起こるはずだから、大変だ」とも考えません
例えば 下線部④に以下の記述があります。
日本で感染爆発が起これば株価が大暴落し、その株式市場に莫大な資金を投資していた年金資金など公的資金が致命的な打撃を受ける。
高齢者の生活を支えている年金制度が資金不足となり、年金制度の崩壊=国民の生活が破綻するということだ。
しかし 民主党政権時 株価が7千円台に下落して、日本経済が不況の底に沈んでいた時にも、年金制度は崩壊しませんでした。
また 125円の円安も来るかもしれないと仰せですが、いったん下がった円は すでに109円の円高に振れています。
これは 結局のところは 日本が25年連続して 世界一の純債権国だからです。世界一の金持ち国家の日本で国民生活が破綻したら、世界で破綻していない国は数えるほどになります。
実際 日本などより、はるかに脆弱な経済の国の方が多いので、世界的に見れば、円・ドル・ユーロはそろって新興国通貨に対して強くなるはずです。ですから円ドル相場は 極端に振れることはありません。(今は 円ドルで戦うだけの余裕が 皮肉なことに、コロナ騒ぎでアメリカから失われたからですが…)
つまり 今心配すべきは 新興国の通貨危機・金融破綻なのです。中国と東南アジアで(即ち ドルで返済を続けなければならない債務国で)自国通貨がドルに対して大幅下落すれば ドルでの債務返済が重荷となって 金融破綻をする可能性は いつでもあります。
引用文でも「金融危機のほうが実体経済に与える影響は大きいことを物語っている」とおっしゃるように、金融破綻は実体経済を廻らなくするので 人々の生活に影響します。
特に 近頃の中国は ロンドンのシティや香港で外貨資金を集めて債務を返済していました。つまり 中国は 金融的には自転車操業だった訳です。その中国が コロナショックで外貨返済不能になったら、それだけでリーマン級の金融危機が訪れるかもしれません。
というか これから日米がそろって、世界銀行・IMFを動かさないと、中国の《元》が大暴落して 中国発コロナショックが勃発する可能性は極めて高いと思います。

 ですから 実際に世界同時不況=コロナショックはそこまで来ています。ですから 現在目の前にある経済危機は「オリンピックや東日本大震災の時は…」といった 日本だけの問題ではないのです。

 中国は世界の工業生産の 4分の一以上を生産しています。この生産がすでに1月半止まっています。

→中国の生産が止まれば、世界の人の4分の一は 欲しいモノを手に入れられない。(自社工場に必要な部品を含む)
→そして 中国も利益は出ない。
→中国に 利益が出なければ 借金も返せない。
→借金を返してもらえなければ 先進国の銀行は 資金不足になる。
→先進国の銀行が資金不足になれば 先進国の企業は 銀行から資金が借りられなくなる。
→先進国で 金融不況が発生する。
米国は このコロナショックを止めたい もしくは、コロナショックによる自国の傷を深くしたくないので、すでに中国に対して、医療支援にかこつけて、手を差し伸べるかのように動いています。

一般には 金を貸した方が強いと思われていますが、その貸金があまりに巨額で 返してもらわないと自分がつぶれるときは、五分五分、もしくは「返せないんです」と開き直られると、借り手の方が強くなってしまいます。

「俺を助けなければ お前も死ぬんだ」と脅されることになるからです。

ですから 現在の経済危機を語るならば、(中国が 好きとか嫌いではなく)「どうすれば、中国の生産再開を問題なくスムーズにできるか」又は「中国の生産再開は、いつなのか」を抜きにしては 日本と世界の経済の先行きは見通せないと、(実際に経済活動をしている)私は思います。

「感染爆発が起こったら 日本経済は大打撃を受ける」という一面だけで経済を語れるのは やはり「『狼が来たぞ』と恐怖をあおった方が 記事が売れて利益になる」という、マスコミ識者の方だからこその視点であると 思います。

「感染爆発が起こったら 日本経済は大打撃を受ける」そんなのは 当たり前のことです。

でも 実際の経済活動をしているモノが本当に知りたいのは、その中で「どうしたら 生き残れるか」なのです。

ですから 現場の私たちが 考えるのは
①感染を恐れて 自分のビニネス=経済活動を休止するのか。
②その際 自社は どれだけの休止に耐えられるのか
③感染の危険を冒しつつ 経済活動を続けるのか。
④その際 自社は どこまでの感染に耐えられるのか。

以上の①~④に正解はありません。だから 何をどう考えて行動しても 現在と未来に 良い影響も悪い影響も残してゆく事になります。

悩み苦しみ、どれを選んでも 自分を傷つける。
本音を言えば 何も選びたくない。
けれど それでも選ばなくてはならない。
それが 現実の中で 生き残りをかけている私たちです。

ですから 今この時の現場では (WHOに煽られてはいけないように)マスコミ識者の皆さんの「狼が来たぞ」にも煽られてはいけないのだと思います。

事実は何か?

現実は何か?

例え 気に入らない現実であっても、現実は変わりません。
だから その中で 悶え苦しみながら 
そして(社員・部下・取引先・周囲の人達)の批判にさらされながら、自分で決定して 自分で行動してゆかなければならないのだと思います。

このブログは 全くまとまっていません。

でも それでも書きたかったのは 今 「安倍さんが悪い」「加藤厚生大臣が悪い」と お2人に感染の責任を押し付けて、「政府が無能だからこうなってしまって だから働けないのだ」「休業補償をだせ」と、国民みんなで家に籠ってしまったら 日本経済は本当に大打撃を受けてしまうと思うからであります。

電通は5千人が 自宅で仕事をすると決定しました。
それでも 電通は会社が持つのでありましょう。
しかし 1人感染したら全員自宅で仕事。仕事を再開して、また一人感染したら また全員自宅で仕事ですか?3人目が感染したら 三度全員自宅で仕事ですか?
それは いつまで でしょうか?
感染が終結するまで…?
完全終結ができなかったら ワクチンができるまで?
すると 電通は 2~3年 一人感染するたびに5千人が自宅で仕事をするのでしょうか?
この先 どうなるのでしょうか?

私は いささか不安でございます。

けれど だからこそ、「『狼が来たぞ』に惑わされることなく、現実をみすえていかなければ」と思うのであります。

『狼が来たぞ』に恐怖して みんなで逃げて隠れる。

しかし 物語では 狼はこなかった。だから オオカミ少年は段々に世間の信用を失ってゆきます。

これに対して 私は マスコミ識者が 今『狼が来たぞ』言うのは事実だと思います。しかし その狼は 子供の狼かもしれない。大人でも 人食い狼ではなくて 簡単に追い払えるのかもしれない。

だから どんな狼が来たのか自分で判断して 逃げて隠れるのか 追い払うのか 無視するのかを自分で判断すべきであると、私は考えます

なぜならば 『狼が来たぞ』の声につられて 逃げて隠れて会社がつぶれても、オオカミ少年は一切責任を取ってくれないからであります。

(付記 抜粋引用)

■失敗した安倍政権の危機管理! 日本が第2の“武漢”に!? 
【シナリオ①】 首都圏マンションはバブル超え? 東京五輪中止で“五輪バブル”の崩壊
2020年は、日本経済にとっては重要な1年である。そのハイライトは 東京オリンピックだ。その東京五輪の開催が、今回の新型コロナウイルス感染拡大によって中止に追い込まれる可能性が出てきている。
問題は、日本国内に感染爆発が起こるかどうかだが、日本が数千人単位の感染者を出した場合には、世界各国が日本への渡航を控えるようになり、最悪 東京オリンピックの開催に間に合う期限・5月までに、現在の感染拡大が収まるかどうかが問われることになる。
仮に東京五輪が中止となれば、どの程度の経済的損失が発生するか。
 施設整備費や大会運営費、放映料と言った「直接的効果」は約5兆2000億円で、レガシー効果はその5倍の約27兆1000億円。とりあえず、直接的効果だけを考えれば、約5兆円の損失。日本のGDPが約500兆円とすれば、その100分の1を失うことになるわけだ。
■1990年代のバブル期を上回る「五輪バブル」
実際に、帝国データバンクが昨年の11月に行った調査によると、東京五輪開催が日本の持続的な経済成長のために「有効だと思う」と回答した企業は半数に満たない46.8%にとどまっている。国内企業の半数しか東京五輪の需要を当てにしていないということだ。
壊滅的な経済危機に陥る、といった見方をする人もいるが、思ったほど大きくないかもしれない。
ただ問題なのは、東京五輪開催というアナウンス効果によって、過剰な投資を生み、「五輪バブル」に陥っていることだ。2019年の首都圏マンションの平均販売価格は5980万円となり、過去7年、平均で1500万円の上昇となっている。まさに東京五輪を起爆剤とした「不動産バブル」が再燃しようとしていると言っていい。
放映権などの影響で東京五輪を10月とか11月に延期するとか、あるいは1年遅らせるといった延期の可能性は低い。そう考えると、やはり4月までには現在の感染拡大が収まることを祈るしかないだろう。
【シナリオ②】
消費は半減?  東日本大震災級の景気落ち込み! 
能天気な「緩やかな景気回復」の化けの皮が剥がれる? 
 東京商工リサーチがこの2月20日に発表した『新型コロナウイルスに関するアンケート調査』によると、
「現時点で影響が出ている」企業が2806社(22.72%)、
「現時点で影響は出ていないが、今後影響が出る可能性がある」は5401社(43.74%)、
「影響はない」は、4141社(33.54%)となっている。
 65%超の企業が「影響が出てくる」とみているわけだ。
 もともと日本経済は2018年末辺りから、景気が落ち込んでいると言われており、日本経済が弱含みのときに、この新型コロナウイルスショックに襲われたわけだ。
■最低でも3~4カ月間、激しい落ち込みを覚悟すべき
 このままの状況で行けば、経済的なダメージはSARSなどの例を参考にするのではなく、東日本大震災のケースを参考にしたほうがいいのかもしれない。
例えば、2011年3月11日に発生した東日本大震災直後の総務省統計局の「消費動向」を見ると、全体では約2割の減少となり、東京電力による関東地方を中心とした計画停電時には、教養娯楽費などが瞬間的に6割台にまで減少している。乗用車新規登録・届け出台数なども最大4割近い水準まで落ち込んだ。
 つまり、日本で感染爆発が起きた場合には最大で5割前後、消費が落ち込むことを想定しなければならない。ちなみに、東日本大震災では1カ月後には、全体的にみて通常の消費支出に戻っている。しかし、新型コロナウイルスではそうもいかないだろう。最低でも3~4カ月の期間、激しい落ち込みを覚悟する局面もありえる。
世界の動きはどうなるかわからないが、日本の景気後退はかなり大きくなりかねない。
【シナリオ③】
1ドル=125円超は悪性インフレへの入り口か? 
 ニューヨーク市場では、2月24日からの2日間で2000ドル近い下落となり、アメリカ市場の流れを受けた2月25日の東京市場では、日経平均株価が一時1000円超下落した。
今後もしばらくは、株価が大きく下げることになりそうだが、日本の場合、こうした株価の下落は瞬間的なものでは終わりそうもない。日本は、消費税率アップや大型台風などの影響で2019年10~12月期は、実質GDPが年率換算でマイナス6.3%となった。
 そして、次の2020年1~3月期もマイナス成長になるはずだ。2期連続でGDPがマイナスになると、いわゆる「リセッション(景気後退)」となり、海外投資家を中心に、日本の株式は大きく売られることになりかねない。
 厚生労働省が、新型コロナウイルスのPCR検査の保険適応をいまだに認めていない現状を考えると、医療システムの崩壊を招くような感染爆発が起こる可能性もある。
 そうなると、日本への飛行機の渡航が世界中から止められ、世界からの物資なども供給されなくなる。株価は大きく下落し、円が売られ、金利が上昇(債券価格の下落)することになる可能性が高い。
■円安の影響で金融緩和すべき日銀にその余力はもうない
とりわけ心配なのが、新型コロナウイルス感染の世界的な拡大で、安全資産の「円」が買われて円高になるはずが、2月に入って以降、逆の円売り=円安に進んでいることだ。
 安全資産であるはずの円だが、感染爆発が起これば1ドル=120円台まではあっという間に行くことになるかもしれない。その場合、円安の「分岐点」になるのは「1ドル=125円」だろう。かつて、日本銀行の黒田総裁が「1ドル125円以上の円安は望まない」という趣旨のコメントを出したことがある。
「黒田ブロック」とも呼ばれているが、日本経済が許容できる円安の目安とも言われている。これを超えてくるようであれば、アベノミクスにとっては、未知の領域に入っていく。
 プラス要因としては、日本の製造業、とりわけ輸出産業は潤うことになるが、問題はそのときに世界が旺盛な需要を保っているかどうかだ。とりわけ日本が得意としている電子部品など工業製品の需要がどうなっているのか不安だ。
マイナス要因としては、輸入物価の急激な上昇だ。日本は世界から莫大な量の食料品や石油などのエネルギーを輸入しているが、これらが円安の影響で急騰することになる。本来であれば、こういうときこそ日銀が金融緩和をすべきなのだが、現在の日銀にはその余力がない。マイナス金利拡大は、かえって社会を混乱させる可能性が高い。SARSのときは、日銀は2回金融緩和を実施できたものの、いまその余地は少ない。
 打つ手を持たない日銀のために必要なのは、政府はイタリアや韓国がやったような積極的な感染症対策だろう。厚生労働省が、新型コロナウイルスのPCR検査の保険適応をいまだに認めていない現状は、感染者を野放しにしておくのと一緒だ。
【シナリオ④】
日本の「武漢化」で全土が封鎖! 健康保険、年金資金が枯渇する? 
このシナリオが最悪のケースと言える。安倍政権の対応が遅れて、日本に感染爆発が起こり、医療システムが崩壊。日本のあちこちが中国・武漢と同じような状況になってしまうというシナリオだ。サプライチェーンの停滞で海外からの物流は途絶え、食糧不足などの物資不足に陥ることになる。
 それどころか、日本中で企業活動が滞り、観光や娯楽といったサービス業も壊滅的なダメージを受けることになりかねない。海外からのヒト、モノ、マネーも遮断され、日本の輸出入もストップしてしまう。日本経済にとっては、まさに正念場となり、株価は底なしで下落する可能性がある。
ちなみに、医療システムの崩壊が指摘されている武漢市の致死率は4.9%、中国全体の平均致死率2.1%を大きく超えている。国土が狭く、人口密度の高い日本で感染爆発が起これば、まさに大惨事になるわけだ。
 日本で限定的な感染爆発が起きた場合、経済的な損失は計り知れない。
ただ、東日本大震災があった2011年のGDPは、震災被害の規模を16兆~25兆円、GDPを最大0.5%押し下げると、当時の内閣府が震災直後に発表した。
実際には、2011年度のGDPはプラス0.4%となり、かろうじてプラスを保っている。
リーマンショックは、2008~2009年にかけて最大マイナス3%程度まで下落しており、金融危機のほうが実体経済に与える影響は大きいことを物語っている。
 一方、新型コロナウイルスの感染爆発は別の不安を生み出す。医療システムの崩壊など国民の生活が壊滅的なダメージを受ける可能性があるのだ。
日本で感染爆発が起これば株価が大暴落し、その株式市場に莫大な資金を投資していた年金資金など公的資金が致命的な打撃を受ける。
高齢者の生活を支えている年金制度が資金不足となり、年金制度の崩壊=国民の生活が破綻するということだ。
■「自民党」が戦後初めて迎えた試練
本来であれば、もう少し具体的な数字やシミュレーションを通して、最悪のシナリオを示したいのだが、現在の状況ではあまりにも不透明な部分が多く、将来の見通しが立たない。ひょっとしたら来月の今頃は、感染者数が激減して通常どおりの状況に戻っていくというシナリオも考えられる。
ただ感染症の専門家が指摘するように、現在の状況ではここ2週間程度が感染者数増加の山場になるわけだから、その間の国内外の金融市場では何が起こるかわからない。想定外の事態をある程度考える必要はあるだろう。
 最大の問題は、安倍政権というよりも自民党政権が、こうした危機管理にあまりにも弱い体質が浮かび上がったことだ。振り返れば東日本大震災のときは、自民党ではなく旧民主党政権だった。
クルーズ船で4000人の対応に苦慮していた自民党政権に比べて、数十万人単位の被災者が出た東日本大震災では、市町村、都道府県にある程度の権限を委譲して、対応できたことを考えると、現在の自民党の姿は国民不在の姿勢が目立つ。自民党政権が目指すような中央集権型の危機管理には限界があると言っていいだろう。
 そういう意味でも 今後の日本の行方は極めて不透明と言っていい。PCR検査も、安倍政権を擁護する評論家などが「パニックになるからダメだ」という表現をしていたが、東日本大震災時と同様の危機感をいかに持てるか。まさに危機管理の問題だ。ここでの対応を誤れば、もっとすさまじいパニックになることも想像したほうがいい。
岩崎 博充 :経済ジャーナリスト
【引用 終わり】

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