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タリバンもタリバンなりに「ソフトタリバンになったよ (^O^)/」と宣伝していますが、崩壊国家と普通の軍事独裁国家の違いは「軍律背いた軍人を処罰できるかどうかだ」という事が、タリバン首脳部にわかっているのだろうか?【引用開始】●タリバン戦闘員、動物園に行く アフガニスタン

「タリバン」の戦闘員が、家族連れに交じってカブール動物園を楽しんだ。地方出身の若い戦闘員にとって、動物園は初めての体験となった。
 来園者が日陰でくつろぎ、アイスクリームや塩漬けザクロを楽しむ傍らで、自動小銃AK47やM16アサルトライフルで武装したタリバン戦闘員が、ライオンやヒョウ、ラクダ、オオカミ、ダチョウ、マカックを熱心に見ていた。
 地方で何年も戦いに明け暮れた戦闘員の大半は動物園はもちろんのこと、首都に足を踏み入れたのも今回が初めてで、自撮りをしたり、集合写真を撮ったりしていた。戦闘員の一人が鹿の枝角をつかむと仲間が笑い出し、静かな雰囲気は破られた。…
 タリバンのメンバーで、現在は内務省に勤務するアブドル・カーディルさんは、…他国では見られない武器を携帯しての入園について問われると、タリバンは子どもや女性を怖がらせないため武器持ち込み禁止を支持していると話した。
 女性が自由に利用できる公共施設がほぼないカブールにおいて、動物園は女性や子ども、若い恋人たちの憩いの場となっていた。
 戦闘員6人は、弾薬や手錠を身に着け、ひさしつきの帽子と膝当てをしていた。ターバンを巻いたムッラー(イスラム教に精通した男性に対する尊称)を囲み集合写真を撮っていた。
 別のグループは、自撮り用に8歳の少年にライフルを持たせていた。
 カブール川のほとりにある動物園の入園料は、アフガニスタン人は40セント(約44円)だが、払わないタリバン戦闘員もいた。
「園内への銃持ち込み禁止」の立て看板も堂々と無視していた。
【引用終わり】
タリバンは2001年までの前回の統治の時には、タリバン的イスラム原理主義に基づき、娯楽を禁止して遊園地・動物園などをすべて閉鎖させました。しかし、今回は国民の側か、はたまた、(援助を貰い続ける為に) 国際社会の側か、どちらに訴えたいのかは謎ですが、「ソフトタリバンになったよ (^O^)/」という宣伝をしている模様です。
だからまず、8月15日にカブールを占拠して2日後の17日未明、タリバン自らツイッターに「カブールの大統領宮殿で筋トレをするタリバン」と「タリバン遊園地に行く」という動画を投稿しました。
 とすると、タリバンは16日に、「筋トレ動画」と遊園地に出かけて行って「みんなで遊んでいる振り動画」を撮影していた訳です。この時、同じ首都のカブール空港には国を脱出したい人達が詰めかけてとんでもない騒ぎになっていました。

画像説明, 2021年8月16日、離陸する便によじ登って脱出しようとする人たち(16日、カブール国際空港)BBC
こんな時普通だったら、カブール空港周辺で暴動が怒るかもしれないとか、政府軍が反撃してくるかもしれないと考えて、防御態勢を確立するのに全力をつくします。
なのに、タリバンは遊園地に行って動画を取っていた訳です。「タリバン遊園地に行く」と言う動画は、私もテレビで視ましたが、真っ黒の服の武装したタリバン戦闘員がカブールの遊園地で明らかに子供用サイズのバンパー・カーを乗り回しているという、異様な動画でした。
また筋トレ動画は【明らかにマシンを使い慣れていないその様子に、「代わりに統治力を鍛えたらどうだ」とか「使い方が間違っている」と、からかうコメントが多く寄せられた。(ニューズウィーク)】そうです。
首都制圧の翌日に、「一目散に、遊園地に行って動画をとる」なんて、常識では考えられません。
しかし、タリバン首脳部は、冗談ではなく、真剣に、動画をとったのでありましょう。とすると、「前回の統治の時は遊園地を閉鎖させた、しかし、今回は閉鎖しない」と、訴えたのだと思います。だからこそ、「一目散に、遊園地に行って動画をとった」のです。
即ち、タリバンは首都を制圧して、まず第一に「(前回の統治とは違い) ソフトタリバンになったよ (^O^)/‼だからみんな安心して、抵抗しないでね」と訴えたかったのだと思います。
この為に、1ケ月たってまた動物園に行ったのでありましょう。そして今回はAFPの取材を引き付けて行って、世界に配信して貰おうとしたのだと思います。
だから、学校を再開してみたり、タリバンを支持するという女性のやらせデモを演出してみたりするのでと思います。
【写真】アフガニスタンで中学・高校が再開、女子は呼ばれず
9/19(日) 11:12配信【BBC】

アフガニスタンで中学・高校が再開、女子は呼ばれず
【写真】アフガン女性ら300人、タリバン支持のデモ開催 戦闘員が護衛 9/11 AFP

アフガニスタンの首都カブールの大学で、タリバンを支持する集会に参加する女子学生ら(2021年9月11日撮影)。(c)Aamir QURESHI / AFP
しかし、タリバンと普通の国際社会のセンスが合わな過ぎて、女子学生がいない学校も、ニカブ姿の女性のやらせデモも、余りにも異様で、逆にタリバンが強権支配を強めているような印象が広がると思います。
だから、タリバンは2つの事をした方がよいと思います。
1 アメリカの広告会社と契約する。
第二次安倍政権は、慰安婦問題での国際的に不利な立場を挽回する為に、アメリカの広告会社と契約して、戦後日本が韓国に膨大な額の援助金を渡しているというCMをつくって、CNNで流しました。
すると、日本にも韓国にも興味のない (だから中立の)普通の人は「えー。韓国ってそんなに金貰っても、一つも感謝せずに、まだゴネているんだ」と感じるようになりました。こうして、声は大きくても数の上では圧倒的に少ない韓国応援団が、以前同じに叫んでも、圧倒的多数の普通の人の同情をえられなくなって、韓国有利な国際世論はどこかに飛んで行ってしまったのでした。
このように、国際世論を変えるには、金に糸目をつけずにアメリカの広告会社と契約してCNNにバンバン広告を出さないとだめなのです。
アメリカ人はお金には忠実ですので、それなりに働いてくれるのであります。
私は「ソフトタリバンになったよ (^O^)/‼」と宣伝したいのなら、アメリカの暴利を貪る広告会社と契約するべきだと思います。尚、広告会社とCNNへの支払いの方は、前アフガン政府高官がアメリカに隠した資産を、アメリカ政府に凍結して貰って、その中からアメリカ政府に手数料を払った残りで、すればよいと考えます。
アメリカ政府は、アメリカに金が入るのならば、ちゃんと仲介してくれますよ。
2 タリバンの戦闘員が、法律・軍律を破った時には、法に基づいて処罰する。
国家としての体を為さない「万人の万人の為の闘争の社会」と普通の軍事独裁国家の違いは「法律・軍律・独裁者の命令に背いた軍人を処罰できるかどうか」という事です。
つまり、決まりを破った軍人が処罰されるということは、「その軍人個人が好き勝手に一般庶民の財産を奪ったり・殺したりすることはできない」ということになります。ですから一般庶民は、その法律が自分にとって酷い法律であっても、法律を守っていれば、財産を奪われることなく生きられるという事になります。だから、庶民の支持を受けていない政権であっても、軍人さえ政権に忠実であるのならば軍事独裁国家が成立します。
しかし、軍人・戦闘員が「法律・軍律・独裁者の命令を無視して、自分の持つ銃(武力)で、自分の欲望の赴くままに財産を奪い・女性を奪い・人を殺すとするのならば、一般庶民は、その目の前の銃に撃たれないように行動します。つまり、そこにいる軍人・戦闘員から身を守るために、国家の法律・独裁者の命令を無視するのです。
すると国会でどんな法律がつくられても、どんな政権が何を言っても、それはすべて空中に踊る言葉でしかなくて、その時その場で人々が感情のままに争い合う「万人の万人の為の闘争の社会」が続いてゆくことになります。
 
と、この基準で観ると、タリバンがアフガニスタンを平穏に統治する事は難しいと思います。
それは【タリバンは子どもや女性を怖がらせないため(動物園への)武器持ち込み禁止を支持している】にもかかわらず、今回動物園へ行ったタリバンの戦闘員は【「園内への銃持ち込み禁止」の立て看板も堂々と無視して】【動物園の入園料は、アフガニスタン人は40セント(約44円)だが、払わないタリバン戦闘員もいた】からです。
このようなタリバン戦闘員のやりたい放題は、「タリバン首脳部の身内は罰しない」という態度によって増長します。
8月23日のAFP【タリバン戦闘員「食事がまずい」、女性に火をつけて殺害…女学校の閉鎖相次ぐ】から一部引用します。
【英メディアによると、北部の町ではタリバン戦闘員が「食事がまずい」と調理人の女性に火をつけて殺した。南部ラシュカルガでは、米軍と無関係の男性(35)の自宅に戦闘員が小銃を手に踏み込み、「お前も米国のスパイだ」などと吐き捨てた。イスラム教の宗派が異なる少数民族が拷問されたとの情報もある。
 …タリバン報道官は一部の戦闘員による蛮行を認めたが、「我々も人間だ。過ちは仕方がない」と開き直った。構成員らの処罰には言及しなかった。
 タリバン指導部は新政権樹立に向け、「イスラム法の範囲内」としながらも女性の権利保護などを尊重する姿勢を示してきた(が)、末端の戦闘員に統制が及んでいない可能性もある。…
 国営放送の女性キャスター、シャブナム・ダウランさん(24)は…タリバン報道官が記者会見で「女性も働ける」と表明したことを根拠に、18日に出社した。だが、15人の武装した男に囲まれ、「帰れ」とすごまれた。反論しても聞き入れられなかった】
 とこのように、タリバン首脳部は蛮行を働いた部下を処罰する気がなく、タリバン首脳の発表と違う行動をする部下をも制止する気がないようです。
即ち、タリバン首脳部は「平穏に国家を統治するためには、自分も自分も部下も法律に従わなければならない」という事が解っていないようです。
又は、「自分の好きなように出来ないのならば、統治が平穏でなくても良い。戦えばよい」と思っているのかもしれません。
いずれにしても、いくらタリバンの報道官がテレビで「ソフトタリバンになったよ (^O^)/」と言っていても、街に出れば、銃と手錠とムチをもったタリバン戦闘員がいて、それぞれが好き勝手に人を殺したり・逮捕したり・ムチをふるったりしていては、タリバンの報道官の言葉を信じる人がいない事だけは、確かなので、タリバンの統治は不穏なモノになるだろうと思います。
追伸
尚、この「タリバン動物園へ行く」は、タリバンの「ソフトタリバンになったよ (^O^)/」という宣伝は、明らかに誇大広告なのですが、中国の「騙してやろう」という明確な意図をもったプロパガンダとは違って、無意識に「出来ない事をやる」といっているだけなので、悲劇なのか喜劇なのかわからないと感じました。即ち、「奇怪なまでに可笑しい、けれど悲しい」という不思議な感覚に襲われました。だからブログにしました。

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