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コロナ危機を乗り切る為に最も重要な事は まずは国民一人一人の自助努力、その後に共助と公助です。つまり、自立した人間の人に対する思いやりの心だと思う。 ●コロナで世界は戦後最悪のマイナス成長へ、日本に残された「対応余地」とは 

世界経済は戦後最大の試練に直面している。日本に残された対策とは Photo:Anadolu Agency/gettyimages
●中国は初のマイナス成長へ 米国では失業率30%の声も
新型肺炎は世界中で感染拡大に歯止めがかからない。各国で感染の抑え込みと引き換えに経済活動を停止させている。
 セントルイス連銀のブラード総裁は、米国で失業率が大恐慌時を上回る30%まで上昇し、4-6月期の実質GDP成長率が前期比-50%となる可能性を指摘している。
今年前半の世界経済は、戦後最悪のマイナス成長に陥るだろう。
●金融市場は流動性が枯渇 米FRBは異次元QEで対抗
金融市場では2月下旬から、リスク資産が大きく売られた。  
主要中央銀行は資産買入れを拡大しているほか、豪、ニュージーランド、カナダ中銀は金融危機時にも見られなかった資産買入れを実施している。米連邦準備制度理事会(FRB)は、異次元の資産買入れを行っている。リーマンショック時を彷彿させる危機対応を行っている。
●各国政府は大規模な景気対策 新型肺炎の悪影響を押し戻せるか
各国政府は、景気対策を相次いで発表している。
財政政策の巨大化に伴い、今後は国債の増発が不可避となる。各国の中央銀行は今後、国債を買い入れることで政府の金利負担を抑制することになるだろう。
政策効果によって新型肺炎による経済活動停止の悪影響をどこまで押し戻せるかが勝負となる。
● 金融、財政ともに 対応余地が残る日本
日本は相対的に影響が抑えられると考えられる。
外出自粛要請によって非常に大きな影響が出ている業種もあるが、経済活動の大部分は停止にまでは至っていない。
景気の落ち込みは欧米よりも緩やかになる可能性が高い。リーマンショック時に、日本は前期比年率-17.8%のマイナス成長となったが、今回はそこまで大きな落ち込みは免れるかもしれない。
金融政策も大幅に強化された。中央銀行の緩和競争の舞台が金利から資産買入れに移りつつある中で、日銀には危機対応の余地がまだ残っている。
財政政策にも期待がかかる。総額30兆円、真水15兆円程度の景気対策が検討されているようだ。
今後、財政政策の拡大によって国債が増発されても、日銀が国債買入れの目途を80兆円としている中では、増発分を消化する余地は十分にある。
※内容は筆者個人の見解で所属組織の見解ではありません。
(三井住友DSアセットマネジメント ファンドマネージャー 山崎 慧)
【引用 終わり】
昨日のブログに「去年までは SFの世界だったニュースが毎日流れます。今この時は 歴史に残る苦難の時なのでしょうか?」に記しましたが、本当にそんな気がしてきました。
私自身は「世間の人々がコロナを恐れるあまりに、適切な対応をせずに過剰反応して、皆で墓穴を掘っている」のを眺めているような奇妙な感覚に襲われているので、今一歩現実感を持てずにいます。
私も最初は「とにかく検査してよ」とヒステリックになりましたが、検査といっても完全ではなく偽陽性・偽陰性も多発すると知るにつけ、検査に頼っても仕方がないと思うようになりました。
そしてこの頃から、なぜ政府は「できる事とできない事を分離して、できる事を皆でして(=国民に協力を求めて)、勇気をもってコロナ危機に立ち向かおう」と呼びかけないのかが、不思議でした。
今、ここに至って出来ることは何かといえば、「その一 感染の抑止でロックダウンを避ける。その二 経済的困難にある人を救済する」であると思いますが、それは政府がする事ではなくて、国民が自ら実行しなくてはなしえない事です。
その一 感染の抑止でロックダウンを避ける。
政府ができる感染を止める方法は ロックダウンだけです。けれど ロックダウンはすでに弱っている経済を破綻させますので、政府も国民もロックダウンは望んでいません。
では どうすればロックダウンを避けられるかと言えば、国民一人一人が感染しないように努力する事でしか 感染の拡大は止められません。つまり、国民の無数の努力の積み重ねによってのみ、コロナ感染は抑止できるのです。
最も簡単に言えば、安倍首相がウィルスに向かって「日本人にとりつくな」と命令した所で、ウィルスがきくわけありません。Aさんが「ウィルス吸い込んじゃったから、取ってくれ」とお医者さんに頼んでも無理です。けれどAさん自身が喉に住み着く前にうがいして追い出せば、それは可能です。
ここで 国民にしかできない感染抑止策を列挙します。
第一に 飛沫感染を避ける為に・万が一感染していた時に人に飛沫で感染させない為に、マスクをする。購入できなければ代用マスクを自分で作る。
第二に ウィルスに接触したか 吸い込んだかは その時はわからないので、常にウィルスに接触した・吸い込んだと仮定して、外出した後では手洗いとうがいを徹底する。即ち、ウィルスと接触したら 体内に住み込む前に追い出す。
第三に ウィルスの弱点は湿度50%と適温22.22℃以上なので 仕事場所と自宅をその状態に保つ。
第四に 薬はないので、基本的に感染したら自分で治す事になります。ですから、躰に悪寒が走ったりだるさを感じたら、すぐ仕事を休んで療養生活に入る。発熱したり咳が出るまで待たない事を周知して徹底すべきであります。
発熱するまで出勤しているとその間に同僚に感染させる危険があるので、社員が直ちに休養する方が会社にとっても被害が少なくて済みます。ですから ワクチン接種がなされるまでは、悪寒だるさで学校・会社を休むということを社会全体で推進すべきである。
第5に、人が密集する大規模イベントは避ける。
これらの感染抑止策を実行できるのは、政府ではなくて国民です。ですから 自分の命を守るか守らないか、自分の収入を守るか守らないかも、国民がやるかやらないかで決まってくるのです。
その二 経済的困難にある人を救済する
これも基本は、納税者である国民です。
今の世論の傾向は、「政府が天から金を降らせろ」ですが、無駄にお金を降らせても、最終的にその負担をするのは、自分たちなのです。
 ですから、一気にお客が来なくなって壊滅的な営業被害を受けた企業を抽出して企業の倒産を防ぎ、失業の蔓延で生活破綻する人が出ないようにすることが、基本的な経済対策になります。
つまり 企業内失業に対して失業手当を支払うなどの方法と 生活破綻する人達が出ないようにする為にフリーの人達が短期的に生活保護を受けられるようにすることなどです。
全国民に一律10万円などという説も出ていますが、今まで通りの収入が得られている人達にまで、お金を降らせると次の弊害が出ます。その一、真に救済すべき人の取り分が減る。その二、後に返す借金が増える。
実際 とりえず今まで通りの生活が営めている人達の中にも、「全国民一律で10万円だ」という意見の人もいます。しかし、その10万円の原資は借金です。ですから、実は政府から10万円を貰える訳ではありません。実態は、カードローンを組んで10万円を借りた事と同じなのです。
コロナという得体のしれない感染症に対する恐怖感で、どうも近頃 世論がヒステリー状態になりかかっていると思います。
東日本大震災の時を思い返して頂きたいのですが、あの時は実際に津波の被害を受けて壊滅した地域だけでなく、多かれ少なかれ日本全国に経済的被害が波及してゆきました。東京でも電車が止まって、歩いて帰宅した人が沢山いました。自粛ムードで観光・サービス業の経営は苦しくなりました。
東日本大震災では、このような間接的被害を受けた人々には何の保証も出ませんでしたが、誰も不満は言いませんでした。あの時には、自分達が津波に襲われていない。多少の経済的被害を受けても、今までと同じ生活が営めることに感謝して、津波に襲われた人達を助けようとしました。
私は、津波とコロナ感染という災害・災難の原因は違っても、壊滅的被害を受けている人達と、さほどの被害を受けていない人達が混在しているという状態は、同じであると考えます。
ですから 「東日本大震災と同じ精神で、救済策を講じる」べきであります。
東日本大震災の時は、被災者は絶対に助けてもらえると信じて救助を待ち、避難所に入って、不便をかこちながらも仮設住宅が建つまで忍耐心を発揮しました。
そして、多少の被害はあっても 自助で切り抜けられる人は、自助努力しました。
被害の無い人達は 増税を受け入れました。
つまり、まず第一に自助努力をして、無理な所は援助を受けて、人を助ける余裕のある人たちが援助に周る。という形をとったのです。
これを精神の面から見て見ると
1自助の精神。自分は何とか助けられなくても大丈夫だ。
2共助の精神。自分は被害が少なくて済んだという感謝の気持ちで 自分より困っている人を助ける。
3公助の精神。国家全体で助ける。
私は、何のかんのと言っても「日本という国をかたちづくっているのは、この自助と共助と公助の精神のバランスだ」と思います。
けれど今、「コロナウィルスによって自分の命が失われるかもしれない」という恐怖感によって、3助の精神のバランスが崩れているような気がします。
「国民の命を守るのは 政府の責任だ」と皆で大合唱しているような気がするのです。
けれど、現実は違います。政府には国民経済を破綻させなければ、私たちの命を救う手立てはないけれど、国民には自分の命を救う手立てがあるのです。
うがいをして手洗いをしてマスクをして 高温達志に努めて、行動を自制する。そのことで気づかぬうちに、自分の命を救うことができます。何もせずにいれば、気づかぬうちに命を危険にさらすことになります。自分で命を危険にさらして「国家に、自分を助けろ」と要求しても、それは無理だと思います。何しろ 薬が無いのですから…。
今は亡きケネディ米国元大統領は、「国家が何をしてくれるのかではなく、自分が国家に対して何ができるかを考えて欲しい」と呼びかけました。
私は、このコロナ危機を最小の被害で切り抜けるには、1に自助努力、2に共助、3に公助であると思います。
「第一は公助だ。国民の命を守るのは 政府の責任だ」と皆で大合唱していると、経済を破綻させるしかなくなります。政府ができることは、ロックダウンだけなのですから…
追伸として 【引用記事の抜粋版】を転記します。
●中国は初のマイナス成長へ 米国では失業率30%の声も
新型肺炎は世界中で感染拡大に歯止めがかからない。各国で感染の抑え込みと引き換えに経済活動を停止させている。
 1月から2月にかけて都市封鎖を行った中国では、2月の国家統計局サービス業PMIが54.1から29.6へと大きく落ち込んだ。その後に発表された1-2月の小売売上高は、前年同期比-20.5%、固定資産投資は同-24.5%と、ともに過去最大の落ち込みとなった。
中国はリーマンショックの起こった2008年から2009年にかけての金融危機の際もプラス成長を維持したが、今年1-3月期は1992年の統計開始以来初の前年比マイナス成長となるのがほぼ確実だ。
欧米各国も中国の後を追っている。新型肺炎の感染者数、死者数ともに中国を上回ったイタリア、スペインでは、徹底した外出禁止令が敷かれており、英国でも経済活動の停滞が顕著になっている。米国でも、ほとんどの州で外出禁止令や自粛要請が出されている。
3月のユーロ圏サービス業PMIは、前月の52.6から28.4へと大きく落ち込んだ。内訳では、ドイツが34.5、フランスが29.0となっており、速報の出ないイタリア、スペインなどではより急激に落ち込んでいると推測される。
ユーロ圏も今後、リーマンショックの起こった2009年1-3月期(前期比-3.2%)を超える、統合以来史上最悪のマイナス成長に陥ると見られる。
米国でも3月3週目の新規失業保険申請件数が、328万件と歴史的な急増となった。4-6月期の実質GDP成長率は、リーマンショック時の2008年10-12月期(前期比年率-8.4%)を超える落ち込みとなるだろう。
セントルイス連銀のブラード総裁は、米国で失業率が大恐慌時を上回る30%まで上昇し、4-6月期の実質GDP成長率が前期比-50%となる可能性を指摘している。今年前半の世界経済は、戦後最悪のマイナス成長に陥るだろう。
●金融市場は流動性が枯渇 米FRBは異次元QEで対抗
金融市場では2月下旬から、新型肺炎の感染拡大による経済活動の混乱を織り込み始め、リスク資産が大きく売られた。  
イタリア国債や一部の新興国国債では一時は売買が困難になった。最も流動性が高い米国債ですら、既発債では売買のビッドアスクスプレッドが大きく開く局面があった。
短期市場でも流動性は低下し、リスク回避の動きに加え、慣れない在宅勤務やリモートオフィス対応も市場の混乱に拍車をかけた。
これに対して各国の中央銀行は、金融政策を相次いで強化している。主要中央銀行は無制限の資金供給を実施するとともに、政策金利をほぼゼロかマイナスに引き下げ、短期市場への介入も強めている。
主要中央銀行は資産買入れを拡大しているほか、豪、ニュージーランド、カナダ中銀は金融危機時にも見られなかった資産買入れを実施している。
米連邦準備制度理事会(FRB)は、異次元の資産買入れを行っている。リーマンショック時を彷彿させる危機対応を行っている。
●各国政府は大規模な景気対策 新型肺炎の悪影響を押し戻せるか
各国政府は、景気対策を相次いで発表している。
ニュージーランドは、対GDP比4%、カナダは対GDP比3%の大きな規模での財政刺激策を発表した。米国は国民への小切手支給を含む2兆ドルの巨額の財政政策を打ち出した。
欧州ではスペインが総額2000億ユーロの景気対策を打ち出したほか、ドイツが、総額7500億ユーロの景気刺激策を発表した。
欧州委員会も370億ユーロの財政政策を発表し、財政赤字の対GDP比を3%以内、債務上限を60%以内に抑えるルールの停止を宣言。債務問題を抱えるイタリアの景気対策をサポートする姿勢を見せている。
財政政策の巨大化に伴い、今後は国債の増発が不可避となる。各国の中央銀行は今後、国債を買い入れることで政府の金利負担を抑制することになるだろう。政策効果によって新型肺炎による経済活動停止の悪影響をどこまで押し戻せるかが勝負となる。
● 金融、財政ともに 対応余地が残る日本
日本は相対的に影響が抑えられると考えられる。新型肺炎の感染拡大ペースは他国に比べ抑制されており、世界保健機関(WHO)によると、人口1000人当たりの病床数は13.4の世界1位となるなど、医療のキャパシティも大きい。
景気ウォッチャー調査の飲食業DIは、大人数のイベントや外出自粛要請によってリーマンショック時や東日本大震災時を下回る水準まで低下するなど、非常に大きな影響が出ている業種もあるが、経済活動の大部分は停止にまでは至っていない。
消費増税によって新型肺炎の感染拡大前から消費が落ち込んでいたこともあり、日本経済は4-6月期にかけて3期連続のマイナス成長となる公算が大きいが、景気の落ち込みは欧米よりも緩やかになる可能性が高い。
リーマンショック時の2009年1-3月期に、日本は前期比年率-17.8%のマイナス成長となったが、今回はそこまで大きな落ち込みは免れるかもしれない。
金融政策も大幅に強化された。日銀は日本株ETFを1日当たり2000億円程度の買い入れを実施している。金利の引き下げ余地こそ乏しいものの、中央銀行の緩和競争の舞台が金利から資産買入れに移りつつある中で、日銀には危機対応の余地がまだ残っている。
財政政策にも期待がかかる。各種報道によると、期限付き商品券の給付、旅行や飲食の助成などを含む総額30兆円、真水15兆円程度の景気対策が検討されているようだ。
今後、財政政策の拡大によって国債が増発されても、日銀が国債買入れの目途を80兆円としている中では、増発分を消化する余地は十分にある。2009年に麻生政権が策定した、事業規模56.8兆円を上回る規模まで景気対策を増額することも可能だろう。
※内容は筆者個人の見解で所属組織の見解ではありません。
(三井住友DSアセットマネジメント ファンドマネージャー 山崎 慧)
【引用 終わり】

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