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WHOの「恣意的な怠慢」で新型コロナが「制御不能に」なったのは事実だと思う。しかし「なぜ、欧米であれほどにまで被害が広がったのか?」それもまた不思議だと思う。 ●WHOの「失敗」で新型コロナは「制御不能に」=米厚生長官

WHOの「失敗」で新型コロナは「制御不能に」=米厚生長官
- アザー米厚生長官は18日、世界保健機関(WHO)の「失敗」を主因に、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)は「制御不能に陥った」と述べた。
オンライン上で開催されているWHOの年次総会で「世界に必要な情報を入手する上で、WHOは失敗し、多くの命を犠牲にした」と指摘。中国を名指ししなかったものの、「少なくとも加盟国の1つが新型コロナ発生の隠蔽を試みたことは明らかで、透明性という義務をあざ笑い、世界全体はとてつもなく大きな犠牲を払った」と述べた。
また「加盟国が誠意に欠く行動をした際に、WHOは情報共有と透明性という中核的な使命を果たせなかった。このようなことは二度と起きてはならない」と語った。
●藻谷浩介氏「人口当たり死者数」で見る新型コロナ
5/18(月) 9:30配信【毎日新聞経済プレミア 抜粋】

新型コロナウイルスの感染拡大が世界に与えた影響は甚大だ。この問題を正確にとらえるにはどうしたらいいのか。地域エコノミストの藻谷浩介さんによる「人口当たり死者数」の分析です。
 グラフの終点である20年5月4日現在の数字を示すと、日本は前述のように4.2人。これに対し諸々の対応を称賛されるドイツは85人と、日本の20倍の水準だ。米国は208人、英国427人、イタリア492人と、ケタが二つ上がる。ベルギーにいたっては682人。サンマリノを除いて世界最悪だ。  
これが本当に、同じ地球上で同じ時間に起きていることなのか。この違いの背景にある理由は何か。そして死者数の少ない日本で、なぜイタリア同様の医療崩壊が懸念されているのか。  
コロナ感染は、実はこの世界を三つに分けている。(1)非常に深刻な欧米、(2)秀逸な対応を見せた東アジア・東南アジアの先進・中進国、(3)これからが懸念される中東、南アジア、アフリカ、中南米、ロシア--である。
【引用終わり】
中国で原因不明の肺炎が流行っているというニュースが世界に配信されたのは、今年に入ってすぐでした。日本政府は呑気に正月休みを取っていていいのかと抗議した記憶があります。
ただこの後に国際的な関心はゴーン氏逃亡事件にさらわれて、「ヒトヒト感染は起こらない」というフェイクが発信されたりもしていました。WHOも呑気な日本政府同様に、中国政府の発表を鵜呑みにして、何もしませんでした。
確かに1月初め初めの警告がなされた時に、WHOが中国に対して調査団の受け入れを要請して現地調査をして、すぐさま非常事態宣言をして中国への渡航が制限されていたら、その後の世界は全く違ったものになっていたと思います。
勿論中国は調査団の受け入れを拒否したでしょう。そうなれば、その時直ちに「調査が出来ないとなれば安全を保障できないから、世界各国は中国へ渡航すべきでない」と宣言する事もできました。
いずれにせよ、まず第一に、WHOと中国の「恣意的な怠慢」によって、感染を中国国内に封じ込められなかった事は事実です。
しかし日本政府もまた危機管理に完全に失敗して、1月31日にWHOが非常事態宣言を出しても、中国との渡航を完全には止める事もなく、日本国内に中国初のウィルスが広がる事を止めませんでした。ダイヤモンド・プリンセス号の対応もまた、褒められたものではありませんでした。
2月半ばの段階では、WHOと世界のマスコミは「日本の事を心配している」と発言していたぐらいです。
しかし3月になると、日本より先に中国との渡航を止めて感染を広げていなかったはずのヨーロッパでいきなり感染が広がり感染の中心地になりました。4月には最大の感染被害は北米ニューヨークだという事になりました。
そして日本はと言えば、中国初の感染第一波を3月になってナントカ収束させる事が出来そうだった所で、ヨーロッパとアメリカに旅行をした人達が感染者して帰国して、一気に全国に感染が広がったのでした。
「なんかこれ、おかしい」ような気がします。
日本では1月末から、感染者が出たと騒いでました。武漢に里帰りした在日中国人が感染していた。屋形船でクラスターが発生した。ライブハウスで、スポーツジムで、どこで感染したが解らない和歌山の医師など、2月の日本のテレビはクルーズ船と、クルーズ船以外の感染者発見のニュース一色でした。
ジワジワジワジワと感染が広がる恐怖に日本中がパニック状態で、中国との渡航をそれで止めない政府に批判が集まりました。「欧米諸国は中国との渡航を止めているから、感染が広がっていないじゃないか」という雰囲気でした。そんな中で、電通の社員が感染すると、電通が2週間全社員を自宅でテレワークにしたり、企業にテレワークや時差出勤が求められて、数万人が集まるようなイベントに中止要請が出で、3月初旬にとうとう学校を休校にすることになったのでした。そして3月の2週間の自粛で中国初の感染が収まりそうだと、22日からの3連休で皆の気が緩んで花見に出かけて遊園地に行ったところ、ヨーロッパ発の第二派を一気に広めてしまったのでした。
この日本型の感染のジワジワ広がりに対して、ヨーロッパも北米も一気に感染が爆発しました。
ニューヨーク市(人口860万人)では一人目の感染確認は3月1日、3月8日は12人、3月11日52人・12日95人。3月22日9045人の感染者数で、ニューヨーク州が感染を収束させるためにロックダウン(外出禁止措置)。しかし1月後の4月24には26万人をこえていました。
厳しい外出制限をしても、新規感染者が減少するには1月では足らずに2ケ月かかるようです。さらに、新規感染者数の推移のグラフ(各国比較)をみると、ヨーロッパ諸国とニューヨークは確かに減少しているモノの、アメリカ全体・カリフォルニア・イギリス・カナダ・インドでは新規感染者はさほど減少していません。外出制限しているはずなのに…。

 しかし、欧米で一気に感染が爆発したように見えても、日本と違って一人の感染者が100人にも感染させたという訳ではなくて、本当は1月にも2月にも感染がジワジワ広がっていたのに気が付かずに、気づいた時にはすでに感染爆発していたからのようです。【ニューヨーク=共同】の記事を引用します。
【(引用始め)米ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)は(4月)23日、全米で新型コロナウイルスの最大感染地となっているニューヨーク市で、感染者が初確認された3月1日には既に1万人が感染していたとみられると伝えた。米ノースイースタン大(マサチューセッツ州)の推測モデルで判明したとしている。
大都市では衛生当局が感染対策を本格化させる数週間前に既に感染が急拡大していたという。ニューヨークやボストンなど主要5都市では、3月1日時点で計23人の感染確認があったが、実際には2万8千人にのぼっていたと推測している。

推測モデルは学校や交通機関での人の流れを解析するなどした。研究者らは各都市に早い段階で警告したが「モデルをもとに封鎖はできない」と対応を拒否されたという。

多くの研究者は確認された感染者は「氷山の一角」と警告していた。西部シアトル市などは対策をとり感染拡大を抑制したが、ニューヨーク市などは対応が遅れた。
全米初の死者は当初2月29日の西部ワシントン州の男性とされていたが、検査の結果、カリフォルニア州の女性が2月6日に感染で亡くなっていたことがわかっている。
(引用終わり)】

このように各国の感染状況を振り返ってみると、確かに中国は昨年の11月や12月に感染が広がりだした事を無視して・もしくは気づかずに1月には感染の広がりを隠蔽して、1月23日に武漢市が都市封鎖された時にはすでに感染爆発していました。

しかし、欧米各国もまた、1月2月に感染が広がっていることに気が付かずに3月になって感染爆発したのです。欧米各国が日本と同じように1月から騒いで自国の中の中国由来の感染者をクラスター検査で探してくれていたら、ヨーロッパの中で変異したウィルスが世界に蔓延する事を少しは抑止できたのではないでしょうか?

欧米諸国は自国内で感染爆発が起こったのは、自国の責任ではないとしています。それなのに、中国で感染爆発が起こったのは中国の責任であり、世界に蔓延させたのは中国とWHOだけの責任だとしています。

私は、これもまた「おかしな論理だ」と思います。

即ち、新型コロナの世界的パンデミックについての第二としては、欧米各国が「自国では気づかぬうちにウィルスが蔓延した」と主張するならば、中国が「自国では気づかぬうちにウィルスが蔓延していた」と主張する事を認めるべきだと私は考えます。

最も私は、日本政府が暢気すぎて1月初めの段階で全力で感染対策に当たらなかった為に、今日本経済は崖っぷちに追い詰められているのだと思います。だから、安倍政権の支持率が落ちるのは、残念ですが当然だと思います。

注)この「残念です」というのは、それでも次の総理候補と言われる人が新政権をつくれば、今よりもっとひどくなる予感がするからです。だからなんとしても、安倍政権には踏みとどまっていて欲しいと願っています。

ただ、そんな安倍政権にかじ取りをしていた日本でさえ、1万数千人の感染者に留まっているのに、欧米で数十万人の感染者が出た事が不思議でなりません。

そして、どっちもどっちなのに、米国と中国は互いを批判し合っています。(それでも、7対3で米国の方がマシだとは思いますが…)

一体この世界はどうなっているのか?
私にはさっぱりわかりません。
そして、皆で外出しなければ感染は終結するはずなのに、なぜロックダウンをしているのに、感染が高止まりして0に向かわない国があるのか?
本当に、私にはさっぱりわかりません。
このような不思議な国の指導者が論戦をしていて、これから先の世界がどうなるのかとても心配です。せめて、熱戦にならずに冷戦に向かってくれればよいのですが…。

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