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なぜ、欧米G7各国がそろって中国批判を始めたのか、ちゃんと日本の政治家が理解してくれてるといいのですが…。 ●中国のコロナ対応「ばか正直に信じてはいけない」、マクロン氏

フランスのエマニュエル・マクロン大統領(2020年4月7日撮影)。
【AFP=時事】欧米の主要国は16日、米国が世界の感染者が210万人を超えた新型コロナウイルスの発生源が中国・武漢の研究所かどうかについて調査を進めていると発表するなど、新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)をめぐり、中国への圧力を強めた。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、中国が新型ウイルスの流行にうまく対処していると「ばか正直」に信じてはいけないと警告した。
 新型ウイルスの流行により、世界で14万人超が死亡、210万人超が感染、失業者数は歴史的な高水準に上っている。英国と日本、米ニューヨークは、外出制限を延長・拡大した。
ドナルド・トランプ大統領はこの数週間、中国を攻撃してきたが、先進7か国(G7)テレビ首脳会議(サミット)で各国の支持を得たようだ。
新型ウイルスに感染し療養中のボリス・ジョンソン英首相の職務を代行しているドミニク・ラーブ英外相は記者団に対し、中国とはこれまでの関係を維持できないかもしれないと話した。
ラーブ氏は、「(新型ウイルスが)どのようにして発生し、なぜ早期に阻止できなかったのかという、厳しい質問をせざるを得ない」と述べた。
マクロン氏は、中国が新型ウイルスの流行にうまく対処していると「ばか正直」に信じてはいけないと警告。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)のインタビューで、「われわれが知らないことが起きているのは明らかだ」と述べた。
中国の習近平国家主席とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は電話会談し、中国を非難するのは非生産的だと訴えた。
中国国営新華社通信によると、習氏はパンデミックの政治問題化について、「国際協力に有害」だと主張し、プーチン氏は「一部の人々による中国をおとしめようとする試み」だと非難した。
【引用 終わり】
欧米のG7各国首脳が中国批判を強めているのは、中国武漢発のコロナウィルスによって世界が崩壊しそうになっている事に対する、単純な怒りだけではないような気がします。
もっと切実な政治的思惑があると、私は推測します。
と申しますのは、「これからどうなるのか」という未来予測を正確にできる人はいないと思いますが、「人々の怒りが静まらない」ということだけは確かです。
新型コロナで命を失う恐怖を味わう。家族・友人を失う悲しみを味わう。仕事を失う絶望を味わう。自由に外出できない不愉快を味わう。
この恐怖・悲嘆・絶望・不愉快が、感染情勢が落ち着き次第爆発して、怒涛の怒りの洪水となって各国政府を直撃します。具体的には「仕事を寄こせ」「金寄こせ」の群衆が道路を埋め尽くす巨大デモになる事が予想されます。
歴史を振り返れば、ヨーロッパでペストや天然痘・麻疹等々のパンデミックで数限りの無い人の命が失われた後には、大抵ユダヤ人の虐殺が発生しました。
生き残った人々が、「この悪い病気は異端者ユダヤ人に対する神の怒りで、自分達はその巻き添えになった」という理由でユダヤ人に怒りをぶつけて虐殺行動を起こしたのです。
このように欧米では、自分達が味わった苦しみの感情から他者への怒りを燃え立たせて破壊行動に出るということが、繰り返して行われてきました。けれど対二次大戦のホロスコート以来、ユダヤ人に怒りの矛先を向けることは厳に慎むべきこととされるようになりました。
この為に、この度は中国に国民の怒りが向くように誘導し始めたのではないかと思います。
具体的に言えばマクロン大統領は、外出制限を説いた後で去年以上の黄色ベスト運動で「マクロン無能」とデモをされるのはまっぴらだと思っている。彼は、フランス国民には「中国を許すな」「WHOから、国連から中国を追い出せ」とデモをしてもらいたいのだと思います。
このようなわけで、トランプ大統領は、中国を罵りつつ、WHOへの分担金の支払いを拒否しました。
最も、実際に新型コロナ感染症が世界的パンデミックになったのは、中国が11月から1月末まで知らんぷりを決め込み、WHOも中国を擁護して世界から中国を隔離しなかったからですので、トランプ大統領もマクロン大統領も事実無根の難癖をつけている訳ではないのです。ですから、米仏国民を誘導して「《悪いのは中国だ。自国の大統領ではない》という世論を作る事ができる」と両大統領は判断しているのではないかと思います。
こういう情勢なので、日本か「和をもって尊しとなす」の精神を発揮して、「そうはいっても中国人も新型コロナウィルスの被害者です」などといったら、「日本も中国と同じ加害者だ」ということにされてしまいます。
こうした欧米人の反中国感情を感じ取っている中国人は、「我々はアジア人だ」という振りを始めていますから、なまじ中国を庇ったら、日本は自分から「中国人と同じように日本に対しても怒りを向けて攻撃してください」と頼んでいるも同じ事をしてしまいます。
ですから、今回は本音を言った方がよいです。「中国のせいで、このざまだ。頭にくる」その感情を正直に吐露する事で、欧米人からも日本人も同じ人間だと認めてもらえます。
私は本当にそう思います。
これから2~3年ワクチンができるまで各国が渡航制限を続ける事態になれば、コロナ鎖国をしなくても良くなっても渡航を再開しないという選択肢を選ぶことができるようになります。即ち、去年までは不可能に近かった対中冷戦を始めることが、新型コロナのパンデミックによって可能になったのです。
つまり、本当にとんでもない世界の大変動が、今起ころうとしているのです。
ですから、日本人の政治家の皆さんには世界の大局を今度は見間違えないでもらいたいと思います。本当に心の底から思います。でも、二階幹事長を始めとして日本の政治家の大多数の皆さんは、自分の足元しか見ていない様でとても不安です。

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