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《七重の空想》「総裁選はこうだっただろう」●【自民党総裁選】1回目で河野氏がまさかの2位、岸田氏が1票差でトップ

総裁選の投票結果。岸田氏と河野氏の決選投票へ
自民党総裁選は29日、都内のホテルで投開票され、午後1時から所属国会議員による投票が行われた。 国会議員票と、28日に締め切られた党員・党友票の合計で争われるが、第1回投票で、岸田文雄前政調会長(64)がトップに立った。 事前の予想では河野氏がトップになるとみられたが、河野氏は岸田氏より1票少なく、まさかの2位だった。 
議員票で、河野氏は高市早苗前総務相にも敗れ、3位だった。 各候補の得票は、
◆岸田文雄前政調会長(64)が議員票146票、党員票110票の計256票
◆河野太郎行革担当相(58)が議員票86票、党員票169票の計255票
◆高市早苗前総務相(60)が議員票114票、党員票74票の計188票
◆野田聖子幹事長代行(61)が議員票34票、党員票29票の計63票という結果になった。
過半数となった候補がおらず、上位の岸田、河野両氏による決選投票となった。 なおこの日の有効投票数は議員票380票、党員票382票の計762票で、過半数は382票。
【引用終わり】
岸田総裁が誕生しました。
今日のブログでは、「私の総裁選はこうだだろう」という《空想》を書かせて頂きます。
まず今回の総裁選の流れは、以下の通りです。
8月26日 岸田氏が立候補しました。
この時の総裁選の対戦予想は、菅総理×岸田氏です。
「菅総理に岸田氏が挑戦する」形で有って、挑戦者の岸田氏は「自民党の国会議員には二階幹事長に不満を持つ者が少なくない」と読み取って、二階氏排除につながる党則の改正をあげました。去年の総裁選で菅総理に投票した議員達で二階氏に不満を持つ人たちを取り込もうとしたのです。
 これによって、菅・二階の間に亀裂が入りました。
 そして、菅総理が二階氏を切ろうとした所、恐らく二階氏が掌を返したのだと推測します。
 結果、9月3日 菅総理が「総裁選に立候補しない」と表明しました。
それで、河野氏が「自分には国民的人気がある。だから、総選挙が心配な国会議員は、人気のある自分に総理総裁になった欲しいと思うに違いない。だから、岸田氏にだったら、勝てる」と判断して、総裁選に立候補を決意しました。
ただ、河野氏は直ちに立候補を正式に表明するのではなくて、菅総理に「応援してくれ」と頼み、派閥の会長の麻生氏に「派閥をあげて応援してくれ」と頼みと、1週間ウロウロしていました。
その間に、高市氏が立候補に意欲をみせて、しかも安倍前総理が応援するという事態になりました。
そして、9月8日に高市氏が、正式に立候補を表明しました。当初リベラルマスコミは、高市氏を応援するという安倍氏の動きをあざ笑う風がありました。七重には、リベラル系のマスコミ論種は《安倍氏が応援したって、当選するはずはないじゃないか。安倍氏の党内での影響力をさらすだけの結果になるだろう》という、希望的観測を述べているように思いました。
ただ、さすがに安倍氏の応援があれば、一匹オオカミ的な女性の国会議員で会った高市氏にたちどころに20人の推薦人が集まって、8日に正式に立候補できたのでした。
ここで、総裁選の構図は 岸田氏×高市氏になりました。
この為でしょうか、河野氏もいつまでもグズぐスしていられないと9月10日に (所属派閥の推薦がないままに) 出馬表明しました。
総裁選の構図は 岸田氏×高市氏×河野氏になりました。
この段階では、河野氏が一回目の投票で過半数が取れるかどうかが勝負の分かれ目でした。河野氏が一回目で過半数が取れれば、河野総裁。取れなければ、2位3位連合で、岸田氏×高市氏のうちで一回目で2位になった方が総裁になることが予想されました。
私は、この3すくみの段階では、国会議員票は割れていたと思います。
でも、9月15日決定的な事が起こりました。
石破氏が、河野氏支持を表明して、河野氏もこれを歓迎したのです。そして、リベラルマスコミは「河野氏・石破氏」という改革派が、古い=悪い自民党を改革するという絵ずらを描きました。
そして、9月16日には、公示日の前日に野田氏が立候補を正式に表明して、総裁選は、岸田×高市×河野×野田の4候補で争う事になりました。
同じ日に、河野陣営は、(リベラルマスコミに煽られたか)、必勝会で、石破氏・小泉氏が主導して「古い自民党と国民との戦いだ。派閥が横行する党を変えよう」と気勢を上げました。リベラルマスコミは大喜びで、「小石河連合」などともてはやしました。時事通信の説明では【「小石河連合」は、長期政権を築き、退任後も隠然たる影響力を振るう安倍晋三前首相を「古い自民党」の象徴と見立て、安倍氏との対立軸を前面に「改革派」を印象付ける狙いだ】そうです。
最も、この必勝会には、なぜか河野氏ご本人は出席されなかったようです。
 私は、この日が天王山だったと思います。
 野田氏の立候補で、河野氏が第一回目で過半数をとる目はほぼなくなった。だから、ここで次期総裁は岸田(9割)になったと思います。
石破氏と小泉氏は何を勘違いしたのか知りませんが「古い自民党と国民との戦いだ」というキャッチフレーズで、古くからいる(実力者の)自民党議員の支持が集まるはずはありません。だから、野田氏が立候補して河野氏の党員票がかなり削り取られると解った時点で、多くの日和見の国会議員は河野陣営から逃げ出したと思います。
勝ち目は薄くなったし、自民党の実力者のご機嫌を損ねたくないので…。
さて、今朝のテレビ朝日羽鳥モーニングショーでは、「安倍氏・麻生氏・甘利氏の3A」が、この総裁選を操ったと断定していました。
私も多分その通りだと思います。
まず、安倍氏です。
安倍氏が総理総裁であったころに「甘利氏がスキャンダルで政権を去った後では、岸田氏に禅譲するつもりのようだ」と言う観測が流れていた時もありました。つまり、安倍・岸田は仲が良かったわけです。(当選同期でもありますし…)
だから、岸田氏×河野氏だったら、安倍氏は岸田氏を推したでしょう。しかし、どうも分が悪い。
それで、高市氏を推したのだろうと思います。
勿論、安倍氏は政治信条・政策が最も近いから高市氏を推したのだろうと思います。高市氏が総理総裁になれば、憲政史上初の女性の総理大臣にもなれます。ただ、純粋に「高市氏を総理総裁になって欲しい」というよりは、安倍氏にとっての最悪の「河野総理総裁を、実現させない」為の一手だったと思います。つまり「最悪を避ける」というリアリストの手法です。
これは「なぜ盟友クラスの甘利氏ではなく、高市氏だったのか?」を考えればわかります。もし甘利氏が出馬すれば、古傷を攻撃されて、却って河野氏に票を献上する事になります。一方で高市氏ならば、河野氏に投票しそうな女性票が取れるかもしれないわけです。
ですから、安倍氏は「高市氏が当選する事を望んでいるけれど、岸田氏でもいいや。でも河野氏はダメだ」という、主旨で高市氏を応援するという行動をしたのだと思います。
次に麻生氏です。
麻生氏も、河野総裁の誕生を望んでいませんでした。だから派閥としては「河野氏を応援しない」という決断をした訳です。そして甘利氏も同様で、岸田氏の応援をすると公表していた訳です。
この、「河野総裁を阻む」という意思は、安倍・麻生・甘利に共同行動とまではいかなくても、連絡をとりあって「あうん」の空気をつくりあげていたような気がします。
そして、彼らが使った最後の手は、野田聖子氏を総裁選に出馬させるです。野田氏は常識では絶対に20人の推薦人を集められないはずです。しかし、なぜか20人の推薦人を集めてぎりぎりで総裁選に躍り出てきました。
これは、高市氏では女性であっても保守過ぎて、自民党党員の女性票を集めきれない。その点で野田氏ならば、自民党党員のリベラル系と・女性票を集められるからです。
つまり、野田氏が立候補しなければ、リベラル系と・女性票は河野氏に向かいますので、野田氏に「河野氏票を横取りしてもらう」為に、誰かが自分の意向で動く人に野田聖子氏の推薦人に名前を連ねるように、指示した訳です。
この「河野氏落選運動」を出来るのは誰か?
と考えれば、安倍氏・麻生氏しかいないので、多分羽鳥モーニングショーの言うとおりに「安倍氏・麻生氏・甘利氏 (実行役)の3A」が、今回の総裁選の帰趨を決定したのだと思います。
しかし、私は「よくやってくれた」と有難く思っています。
なぜならば、「小石河連合」が日本の政治を左右するようになったら、大変だったからです。
時事通信をもう一度引用します。【「小石河連合」は、長期政権を築き、退任後も隠然たる影響力を振るう安倍晋三前首相を「古い自民党」の象徴と見立て、安倍氏との対立軸を前面に「改革派」を印象付ける狙いだ】
なんというか、小石河連合は、どちらかと言えばリベラル系の時事通信さんにも、正体を見破られている訳です。
この一文を解りやすく変えれば、小石河連合は、国民が支持したから長期政権を維持していた安倍氏を「古い自民党=悪者」に見立てて、「改革派=悪者を倒す正義の味方だ」と印象付けようとしている。
早い話が、「自分達で架空の悪者を仕立てて、その蜃気楼を倒す正義の味方だ」という芝居をしている。実際の政治ではなく、国民に好印象を持ってもらえるような芝居をする連合だと言っている訳です。
私は、時事通信の記者さんが「象徴と見立て」「印象付ける狙いだ」といった言葉を使ったのは、小石河連合の正体を知らせてくれるためだと感じます。
いずれにしても、安倍政権が長期政権になったのは国民が支持したからです。だから少数の国民とリベラルマスコミが忌み嫌って総攻撃しても、政権が持ったのです。そしてなぜ今も安倍氏が影響力を持てるのかと言えば、安倍氏を今なお支持している国民がいるからです。
だから「安倍氏に架空の悪者になってもらわないと、自分を善人だと印象付けられない」人達が、今回も政権中枢から除外される事になって、とりあえず良かったです。
ただ、いつも本当に不思議に思うのは、国民の為のなる法律を作るとかの実績ではなくて、「架空の悪者をやっつけます」という人の方が、人気が出る事です。
最も「架空の悪者をやっつけます」で、総理になっても、架空の悪者は現実世界にいないので、架空の悪者を現実にやっつける事は出来ません。だから、国民は政権を取らせたのに「やっつけないじゃないか」と怒らねばならなくなります。結果、「架空の悪者をやっつけます」という政権は、すぐ支持率が下がって短期政権になります。
小泉純一郎氏は郵政を悪者に見たてましたが、郵政は実在しましたし、実際に親方日の丸で非効率の所もありましたので、「郵政をやっつけます」で政権が持ったのであります。
お父さんの純一郎氏は、実在の郵政を悪者に指定して戦った。けれど息子の進次郎氏は、自分を引き上げてくれた恩人安倍氏を架空の悪者に仕立てて、自分を善なる政治家に見せようとしています。
しかし「架空の悪者をやっつけます」では、詐欺・誇大広告のようなモノですので、すぐばれて政権は持ちません。
それなのに何で今もって、「架空の悪者をやっつけます」という政治家である、石破氏・小泉進次郎がもてはやされるのか?
日本国民の中には、テレビの刑事ものの見過ぎで、芝居と現実の区別がつかない人が増えてきてしまっているのでありましょうか? 心配です。
ちなみに今回の総裁選では、私は、岸田氏うんぬんよりも、河野氏が選ばれなくてよかったと、ほっとしています。
その理由は簡単で、河野氏は、実際の河野氏を知らない国民の支持は高いものの、実際の河野氏を知る派閥の仲間が「河野氏に総理総裁になって貰いたい」と望まなかったからです。ですから私は、「河野氏はTV映りは良いかもしれないけれど、口だけ人間なのだろう」と、推測します。
国は一人では動かせません。だから志を同じくして、自分を支えてくれる政治家集団を作れる程度の人格者でないと、国は動かせません。つまり、せめて派閥の仲間が全力で応援してくれる人でないと、総理総裁は勤まりません。
しかしどうも、今回の河野氏の周りに集まった人達は、以前から河野氏と志を同じくしていた人達ではなくて、勝馬に乗ろうと集まった人のように見受けられます。
勘違い人間の小泉氏と、冷や飯はもう嫌だという石破氏、そして河野氏の国民的人気で自分が総選挙に当選しようという国会議員のような人達です。だから何かあれば、パッと逃げてしまいます。ここの基本の所が解っていないようなので、河野氏には今後も総理総裁にはならないでもらいたいと思います。
(追伸)9月17日の時事通信記事を添付します。
●小石河連合、「反安倍」前面 「古い自民と決別」訴え―自民総裁選

2021年09月17日07時04分

自民党の石破茂元幹事長(手前左)と小泉進次郎環境相(同右)=16日、東京都港区
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自民党総裁選で、河野太郎規制改革担当相(58)の陣営が「反安倍」色を強めている。主導しているのは、小泉進次郎環境相と石破茂元幹事長。3氏による「小石河連合」は、長期政権を築き、退任後も隠然たる影響力を振るう安倍晋三前首相を「古い自民党」の象徴と見立て、安倍氏との対立軸を前面に「改革派」を印象付ける狙いだ。
 「古い自民党と国民との戦いだ。派閥が横行する党を変えよう」。石破氏は16日、河野氏を支援する派閥横断の「必勝会」でこう強調。小泉氏も「派閥の力学ではなく、説明を尽くし、国民の理解と共感を得て共に歩む政権をつくらなければならない」と足並みをそろえた。
 「古い自民党」が安倍氏を指すのは明白だ。石破氏はこの後、自身が要職を務めた安倍政権の前半と、役職を退いた後半以降では「(党が)変わってきた」と記者団に指摘。森友学園問題などのスキャンダルが相次いだことを念頭に、「国民の納得と共感は得られていない」と断じた。安倍氏が誇る歴代1位の長期政権の価値も「野党が駄目だから自民が選ばれた」と否定した。
 小泉氏は、安倍氏が実質的なオーナーと目される最大派閥の細田派に矛先を向けた。14日の記者会見で、同派が岸田文雄前政調会長(64)と安倍氏が推す高市早苗前総務相(60)の支持を打ち出したことに触れ、「最大派閥は『河野太郎は絶対に駄目』ということ。党風一新の点からも全力で応援したい」と語った。
 小泉氏らの脳裏には、同氏の父、純一郎元首相が選挙戦を「改革勢力」と「抵抗勢力」の対立構図に持ち込み、党員の圧倒的な支持を背に大勝した2001年総裁選の再現もあるようだ。
 総裁選の裏の構図も見えてきた。二階俊博幹事長と気脈を通じる森山裕国対委員長は16日、河野氏支持を表明。菅義偉首相も河野氏を支える意向だ。安倍氏とその盟友、麻生太郎副総理兼財務相は、二階氏の幹事長交代を探っていたとされる。二階氏らは、総裁選を機に安倍氏の力をそぐ思惑のようだ。冷遇されてきた石破派議員は「安倍氏の影響力を断ち切る」とリベンジを誓った。
 ただ、河野氏自身は16日のフジテレビ番組で、安倍氏らと「決別する必要はない」と述べた。国会議員の支持が物を言う決選投票にもつれ込んだ場合に備えて自身は旗色を鮮明にせず、小泉氏らと役割分担をしている可能性がある。所属する麻生派会長の麻生氏への配慮もあるとみられ、河野氏は必勝会には出席せず、ビデオメッセージを寄せるにとどめた。
 安倍氏側は小泉氏に強い不快感を示している。周辺は「党内を分断している。純一郎氏が首相になれたのは森派(現細田派)が結束して支えたからだ」と派閥の力を指摘。竹下派若手も「政策論争を期待したのに権力闘争になった。小泉氏にはがっかりだ」と漏らした。
 ◇野田氏出馬で目算狂う
 ただ、野田聖子幹事長代行(61)が土壇場になって出馬表明し、河野氏らの目算は狂いが生じた。候補者が4人となり、いずれも過半数を得られず決選投票となる可能性が高まったためだ。党員の支持が厚い3人が組んだ小石河連合で、1回目の投票で勝ち切る戦略は修正を迫られそうだ

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