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沖縄の一般の皆さんへのお願い。「自衛隊でも米軍でも基地が嫌だ」というお気持ちは充分理解できます。ただ、「日米と中国を秤にかけて、選択して頂きたい」とお願いします。【引用開始】(写真 名護市役所 名護市ホームページより ※人口6万人の名護市にしては、立派でおしゃれな市役所ですね)●与党安堵、参院選へ弾み 沖縄「選挙イヤー」初戦飾る 名護市長選


沖縄県名護市長選で岸田政権が推した現職が再選を果たし、政府・与党内に安堵が広がった。 
今年の沖縄は秋の知事選など首長選が続く「選挙イヤー」。その初戦を制し、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設や、夏の参院選にも弾みがつくとみている…。    
市長選を重視した岸田政権は、…知名度が高い河野太郎党広報本部長らを投入し、総力戦を展開するはずだった。  
だが、…「オミクロン株」の感染が急拡大。本土からの応援は見送らざるを得ず、電話での支援呼び掛けなどにとどめた。感染は「米軍由来」と批判され、与党内から「厳しいかもしれない」と弱気の声が漏れたが、岸田文雄首相の政権運営にも影響する注目選挙を辛くも乗り切った。  
自民党は近年、基地問題に対する…不満もあり沖縄の各種選挙で苦戦してきた。だが、衆院選では名護市を含む沖縄3区で、2012年以来久々に議席を奪還。今年は参院選や知事選にも注力し、勢力図の塗り替えをもくろむ。政府関係者は「沖縄経済が沈んでおり、与党と官邸へのパイプに期待したのではないか」と分析する。  
一方、…立憲民主党と共産党は支援候補が敗北し、態勢立て直しのきっかけにはできなかった。立民の大西健介選対委員長は「結果は残念だが、参院選や知事選へ一丸となって戦う準備を進める」との談話を発表した。…立民幹部は「市長選の勝敗とは関係なく、在日米軍の在り方を追及していく」と語り、共産党の小池晃書記局長は23日、記者団に「今回の結果で新基地が容認されたとして建設を強行することは許されない」と訴えた。
【引用終わり】 
自衛隊と米軍が撤退すれば、中国はすぐさま「江戸時代まであった琉球王国は中国の清帝国の朝貢国家だった」と思い出して、沖縄=琉球の領有権を主張し始めるだろう。
外洋を航海できる船が無かった2千年前から、南シナ海は中国の海だったと臆面もなく主張しているのだから、かつての属国を中国領だと主張するのは、朝飯前である。
つまり、自衛隊と米軍が撤退すれば、沖縄全体が現在の尖閣諸島のように、中国船が沖縄海上にあふれて漁業もできなくなり、中国軍機が連日領空侵犯するだろうから、そんな危ない所には観光客も行かなくなり、観光業も壊滅的被害をうけるようになる。
現在、沖縄の石垣市が一部市民に根強い反対があっても、自衛隊の駐屯地を受け入れたのは、尖閣諸島に中国船があふれて、威嚇され、時には体当たりもされて危なくなって自分達の漁場で漁が出来なくなるなどの実害がでたからだと、私は推測しています。
私が、疑問なのは、同じ県の石垣市で実際に被害が出て、石垣市民が中国に脅威を感じているのに、沖縄本島などの沖縄県人にはその脅威が共有されない事です。
私はこの為に、多くの沖縄市民が、20世紀から続く「自分は被害者だ。自分達は被害者の子孫だ」→「自衛隊・米軍が嫌いだ」という感情だけで、基地反対運動に突っ走る人達に投票するのではないかと思います。
最も、理性で「日米と中国」を秤にかけて、「日米の方がましなので、米軍基地を受け入れている現状を甘受しよう」という人もすくなくないので、今回も名護市長選で与党候補が勝利したのでありましょう。
誰だって、中国の支配下に入れられて、香港になり、数十年後にはウイグルになるのは、まっぴらだと思います。
しかし、沖縄の基地反対政党に票を投じる人達は、「沖縄は被害者だ。自衛隊・米軍が嫌いだ」という感情だけで、現実がみえていないのです。
それはなぜなのか?
沖縄で主流な「沖縄二紙の偏向報道」によって、沖縄の多くの県民が現実世界 (例えば、渦中の辺野古に住む人達の意見) が見えない様にさせられているような気がします。
少し古いですが、(月刊「WiLL」9月号掲載)の記事の前半を抜粋で引用します。

【引用⓶開始】
●沖縄二紙の偏向報道と世論操作を憂う
2015/8/3 06:15

僅か4年間だが、沖縄に住んだ一人の新聞記者として、見聞きした沖縄での世論形成の実情を報告し、その背景を探れればと思う。(産経新聞編集委員 宮本雅史)

 丸4年間の沖縄生活で常に驚かされたのは、地元メディアの時には目を覆いたくなるばかりの報道ぶりだった。地元紙二紙「琉球新報」「沖縄タイムス」の紙面には、1年を通して米軍基地反対を訴える記事が載らない日はない。ほかにもニュースはあるだろうに……と注文をつけたくなるほどだった。しかも、イデオロギーに支配されているのではないかと疑いたくなる記事がいかに多いことか。東京時代、一部新聞の偏向報道に辟易したこともあったが、それ以上だった。偏向報道というより恣意的な世論操作ではないか--という印象すら持った。

 私が沖縄に赴任したのは、民主党政権が発足した直後の平成21年10月。当時、沖縄が抱えていた最大の課題は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題だった。

…全てのメディアは、この(移設)反対論調を支持、県外移設こそが沖縄県民130万人(当時)の総意だと伝えていた。私自身、最初はその報道を信じて疑わなかった。

赴任して一週間後、移設予定先の名護市辺野古を訪ねた。米軍基地のキャンプシュワブと接する海岸にはテントが張られ、普天間飛行場の移設に反対している人たちが屯していた。話を聞くと、全員が「移設反対」だという。報道は間違っていなかった--と納得し、辺野古の集落に向かった。普天間飛行場が移設されると、騒音問題などさまざまな問題と対峙することになる住民の声を直接聞こうと思ったからだ。

報じられない地元民の声

 ある民家に飛び込んだ。家主の男性に名刺を差し出しながら「普天間飛行場の移設のことでお話を聞かせていただきたいのですが……」と切り出すと、怪訝な顔をするのだ。

理由を尋ねると、「新聞記者が話を聞きに来たのはあなたが初めてだ」。一瞬、耳を疑った。同席したタクシー運転手も「エーッ」と声を上げた。

「ほとんどの名護市民は普天間飛行場の辺野古移設に反対だと伝えられているが、メディアは取材に来ないのか」再度尋ねると、「いろいろな新聞社やテレビ局は来るが、みんな反対派が集まっているテント村にだけ行って、我々の声なんか聞こうともしない。最初から反対ありきなのです」

 真偽を確かめようと、20人ぐらいの住民と話をしたが、予想に反して9割近くが条件付きながらも移設容認だった。

ある住民はこう嘆いていた。「普天間が移設されると、海兵隊と実際に付き合うことになるのは我々、辺野古の住民だ。その住民が受け入れると言っているのだから問題はないはず。それに普天間の危険性が除去されるじゃないか。ところが、そうした我々の声は一切、報じられない」米軍基地を抱えて生活する住民の思いは、他の地域に住む者には予想できない。基地は嫌だが、地域の経済活性化のためには基地経済に頼らざるを得ない。20人は複雑な思いをぶちまけた。

 「一番心配なのは、ある日突然、キャンプシュワブがなくなったらどうしようかということだ。アメリカのことだから突然、撤退を決めかねない。キャンプシュワブがなくなったら我々はどうすればいいんだ。ホームレスになってしまう」

 「アメリカがかつて、フィリピンから撤退したらすぐに、南沙諸島に中国が出張ってきた。日本と沖縄は尖閣諸島を抱えているが、日本に軍隊がない以上、もし沖縄から米軍がいなくなったらどういうことになるか。火を見るよりはっきりしている」

 いずれも、50歳代から60歳代の男性の声だが、こうした意見が沖縄のメディアに報じられたことはなかった。

辺野古地区はこれといった産業がなく、過疎化が進む一方だという。普天間飛行場の危険性除去という大義名分のもと、振興策を目当てに経済活性化への望みを繋いだのが、移設受け入れ容認の理由だった。過去には移設を受け入れる条件で、北部振興策として名護市など北部の市町村に1千億円に上る補助金が投下された。その一部で公民館の改築や国立高専の建設、IT産業の誘致などを展開、地域は普天間飛行場を受け入れることで経済活性化を模索する途中にあった。

ところが鳩山発言で、地元メディアを含む基地反対勢力は勢いづき、条件付きとはいえ移設受け入れの意思を明確にしていた住民の思いは一蹴され、反米軍基地を訴えるイデオロギー闘争が展開されたのだ。

 私は、紙面で辺野古住民の思いをまとめたところ、「よく書いてくれた」という声の反面、非通知の無言電話が数日間かかってきた。一人の男性と話をしたが、彼は関西弁だった。電話の主は最初、静かに話していたが、突然、「ゴキブリ野郎」と声を荒らげると、そのまま電話を切った。私はいまでもその声を忘れない。

県民大会の異常な“盛況”

 今年の7月はじめに、約2年ぶりに辺野古を訪ねた。一人の主婦が、「いまでも辺野古の住民が移設反対と報道されるので困っている。我々の気持ちは変わっていない」と語気を荒らげた。名護市辺野古の住民の多くは、いまも条件付きながらも受け入れ容認の姿勢を崩していないのである。

こうした容認派の声を無視できなくなったのか、最近になって申し訳程度に取り上げられるようになった。だが、なぜこうも住民の本音を無視してまで、沖縄県民全員が反対であるような世論が独り歩きし続けるのか?そこには、沖縄二紙を中心にしたメディアの作為を否定できない。

 沖縄では県民大会なるものがしばしば開かれる。沖縄の民意を全国に発信するのが狙いだそうだ。平成22年4月25日に沖縄県・読谷村で、普天間飛行場の県内移設に反対する県民大会が開かれた。沖縄二紙や全国紙は、この県民大会に9万人以上(主催者発表)が参加したとして、「県内移設反対」は県民の総意だと発信し続けた。だが、本当にこれが県民の総意なのだろうか。私自身、この県民大会を取材して強い違和感を覚えた。…

【引用⓶終わり】

これを読むと、辺野古住民の少なくない人達が、辺野古移設を条件付きで受け入れています。だから今回、受け入れ派の市長が選挙で勝利しても、不思議はありません。

それなのに、沖縄の(関係の薄い)その他の一般の人達が、沖縄二紙の偏向報道によって、「辺野古の地元の人達が基地移転反対。絶対来て欲しくないに違いない」と勘違いして、基地反対派に投票しているのかもしれないと想像すると、沖縄二紙の偏向報道は本当に罪深いと思います。

そして、これほど何年も騒ぎになっているのに、NHKが辺野古の地元民の声を聞いてドキュメンタリーを作ろうとしない事にも、憤りを感じます。

私は、沖縄の一般の人達には、「自衛隊と米軍が引き揚げたら、現在の尖閣諸島のように、中国船が海にあふれて、中国軍機が空を飛びまわるだろう」という現実的予測にもとずいて、「感情ではなく理性で、日米と中国を秤にかける」ということをして頂きたいと願います。

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