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綺麗ごとを言っていたバイデン政権も、現実に直面すると「自分達の国ハイチから逃げ出してアメリカに潜り込もうとするハイチ人を強制送還するという、それしかできない行動をする」ようです。【引用開始】●米ハイチ特使が辞任 政府の移民送還に抗議

米・メキシコ国境を流れるリオグランデ川を渡るハイチ移民(2021年9月20日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News
米国務省のダニエル・フットハイチ担当特使が、米・メキシコ国境からハイチ移民を強制送還しているジョー・バイデン政権の政策に抗議して辞任したことが23日、明らかになった。フット氏は2か月前に就任したばかりだった。  
フット氏はアントニー・ブリンケン国務長官に宛てた辞表で、政府を痛烈に批判。「日常生活を支配している武装集団がもたらす危険のため、米職員が安全な敷地内に閉じ込められているような国であるハイチに、何千人ものハイチ難民と不法移民を強制送還するという、非人道的かつ逆効果を生む米国の決定に、私は関わらない」と表明した。  
ハイチの人々は貧困や治安悪化に見舞われており、「さらなる回避可能な人的悲劇を起こすことなく、食料や住居、資金のない何千人もの帰還移民の強制的流入を支えることなどできない」とし、「難民の増加は、絶望と犯罪をさらに助長する」とも指摘した。  
バイデン政権は先週末、メキシコから米国入りしたハイチ移民を航空機で強制送還する措置を開始した。移民の多くは数年前、ハイチの深刻な貧困と治安悪化から逃れ、南米に渡っていた人々だ。  
ハイチ移民の問題は、米政府が国境地帯で直面する課題を浮き彫りにした。メキシコから不法入国を試みた人の数は8月、前年同月の4倍以上となる約20万9000人に達した。【引用終わり】
私も「『日常生活を支配している武装集団がもたらす危険のため、米職員が安全な敷地内に閉じ込められているような国』にいたくない。逃げてアメリカに潜り込みたい」と切実に思うハイチ人の気持ちは理解できます。
ただ、私は、ハイチの詳しい状況は知りません。
武装集団が人々の日常を支配しているとは、具体的にはどういうことなのか解りませんので、ちょっと想像してみます。
想像その一
最悪なのは、ギャング団のごとき小さな武装集団が、一つの地域に沢山あって、それらのグループが人々の家に自由に入ってきて「食糧寄こせ」「金をだせ」と、銃で脅して持って行ってしまう状態です。これだと、昨日はA団に食料盗られた。今日はB団に金を盗られた。明日はC団に何を盗られるのだうう? という事になりますので、そこに住む人々は毎日恐怖の中で生きているはずです。なぜならば、〇団がやってきた、その時に渡すモノが無ければ、殺されなくても殴られる、そしてあるモノを勝手に持って行ってしまわれるからです。
こういう地域では、昨日は盗られる側だった人が、何もなくなると、今日は他人の家に押し込んで奪う側に周ったりします。つまりは、生き残る為に「万人の万人による闘争」が繰り広げられ、人からモノを奪えなければ生き残れない事になります。そして、常に小さな武装集団同士で戦い合うので、武装集団グループが生まれては頃れ、壊れた武装集団グループの気残りがまた別のグループを作りと、地域にはいかなる秩序も生まれません。
想像その二
次に大変なのは、その地域を縄張りとするギャング団のごとき武装集団に支配される事です。地域を支配するギャング的武装集団は、基本は「生かさず殺さず」で、命を綱く最低限だけ残す事を許して「後は全部、俺たちに差し出せ」と強要します。そして拒否すれば、殺されます。拒否した人物を見せしめに殺さないと、その他の人達が命を綱く最低限以外のすべてを差し出すのを止めてしまうので、殺すのです。
ギャング的武装集団が支配する地域は、武装集団だけが贅沢をして、武装集団のお気に入れがまずまずの生活をして、後のその他大勢は食うや食わずの生活をすることになります。ただ、地域のギャング的武装集団の気分のままに、その地域には一定の秩序が生まれます。
想像一も想像二も、私が勝手に想像してモノですが、ハイチの状態が一・二のどちらにしても、こういった社会ならば「アメリカの政府職員が、危なくて敷地内から出られない」という異常事態にもなりうると思いますので、どっちかだと思います。
こういう社会ならば「ハイチ人が逃げてアメリカに潜り込みたい」と切実に思うのは当然です。
ただ、アメリカの方としてはどうでしょうか?
武装集団が思いのままに振舞うハイチの無政府招待は、ハイチ人全員でつくり出しています。ですから、ハイチを嫌ってアメリカに逃げ込んだハイチ人が住まいする所は、ハイチになります。
ハイチでは、人の家に押し込んで強盗するのは正しい生き残り策でした。地域の振増集団が、人々を武器で脅して金を出させるのが、正しい統治方法でした。
そのハイチでの生き残り策を習得しているハイチの人達は、(普通は)アメリカに来てもハイチにいた時と同じ思考方法をします。
とすれば、ハイチでは正しい生き残り策だった、強盗をします。またハイチでは、武装集団に銃で脅されたからお金を差し出していました。だから、法律で決まっていても、命の危険が無ければ税金なんか払う気にはなれないでしょう。
勿論、「アメリカに来たのだからアメリカのやり方に従おう」という人もいます。しかし、それでもハイチでの生き残り策を忘れることはないはずです。そして、チラチラ・チラチラとハイチ式が顔をだすのです。
故に、ハイチを嫌ってアメリカに逃げ込んだハイチ人は、自分達が嫌ったハイチをアメリカの中に作り出します。
ですから私は、アメリカが逃げ込んできたハイチ人を強制送還するのは、正当防衛だと考えます。
ハイチ人がアメリカに潜り込むのも、その人個人の正当防衛で、国家としてのアメリカがハイチ人を強制送還するのもアメリカの正当防衛です。
ハイチ人は、自分の命を長らえたい。
国家アメリカは、ハイチとしてではなく、アメリカとして生き残りたい。
だから、これは言葉の上の正邪善悪ではなくて、自己保存=正当防衛です。今の世界を見渡せば、トルコがイランが、その他アフガニスタンの多くの周辺国がアフガニスタン人の受け入れを拒んでいるのも、アメリカと同じ理由で、「自国内にアフガニスタンが出来るのを阻止したい」と考えているからだと思います。
私かこのような意見をいうと、正邪善悪で判断する事は「悪人だ」と感じるようですが、それでも私は申し上げます。
もしハイチに生きる人・アフガニスタンで生きる多数派の人達が、「殺さず・盗まず・男女関係を乱さず・嘘を言わず」という世界三大宗教に共通する4戒律を順守する人達ならば、そもそもハイチもアフガニスタンも破綻国家にはなっていないからです。
勿論そこが「殺さなくては生きられない・盗まなくては生きられない・嘘を言わねば生きられない」という土地柄だから、人々が順応しているという事もあるでしょう。しかし、私は「破綻国家での生き残り術」を、ハイチやアフガニスタンの人達を日本に招いて、日本に伝授してもらいたいとは思いません。
その逆に、「人々が 《殺さず・盗まず・男女関係を乱さず・嘘を言わず》 の4戒律を守れば、その地は平穏になり、段々に豊かになります」ということを、先進国は破綻国家に伝えるべきだと思います。
この意味で、アフガニスタンでタリバンが《勧善懲悪庁》を機能させようとしている事は、理解できます。ただ、「支配される人たちだけが守らなければならないけれど、支配する人達は破り放題でもよい」という《勧善懲悪》だと、却って社会に憎悪が醸成されて社会は混乱し、破綻国家からの脱却は出来ないだろうと思います。
最も、古代バビロニアでハンムラビ王が「強者が弱者を虐げないように、正義が孤児と寡婦とに授けられるように」という思いを込めて、「倍返しのような過剰な報復を禁じ、同等の懲罰にとどめて報復合戦の拡大を防ぐ」為に、「目には目を。歯には歯を」のハンムラビ法典を世に示してから、すでに3300年がたちます。
それでも古代バビロニアからさほど遠くないアフガニスタンで「強者が弱者を虐げる」状態が続いているのですから、人々の心が変わって社会が変わるというのは、とても難しい事なのかもしけません。
私は、今《殺さず・盗まず・男女関係を乱さず・嘘を言わず》の4戒律が染み込んでいる日本に生きていられて、幸せだと感謝しています。

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