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9月半ばに、日本はワクチン接種率でアメリカを抜いた。あんなにバイデン政権がワクチン接種に頑張っているのに、なぜアメリカは50%を超えた時点で接種率が停滞したのか?●NYの病院、ワクチン義務化で人不足も 緊急でない手術など休止に


米ニューヨーク州で27日、医療従事者らに対する新型コロナウイルスワクチン接種義務が適用され、同義務を順守しない約数千人が解雇される見通しとなった。一部病院では人手不足に備え、緊急でない手術や医療措置の休止や延期、別病院から転院される重症患者の受け入れなどを停止する動きが出ている。  
同州の医療従事者は27日までに少なくとも1回目接種を済ませることが義務付けられていた。現時点で同州で働く約45万人の病院職員の16%がワクチンを完全に接種していない。 同州のホークル州知事は週末、人員不足を補うために、州兵や州外の医療従事者の投入を検討していると発表した。
ニューヨーク市のデブラシオ市長は、市内の病院でワクチン接種義務に伴う大きな問題は見られないものの、州内のワクチン接種率が低い地域の状況を懸念していると述べた。
【引用終わり】
この記事の内容から推測すると、米ニューヨーク州の医療従事者45万人の内で、ワクチン接種を希望せずに接種していなかった人は16%で72000人。その内71000人が接種が義務化されたので接種して、残り1000人はそれでも接種しなかったらしいです。
この推測は、「16%がワクチンを完全に接種していない」から、完全には接種していないとは、1回接種したか1回も接種していないかです。優先接種の対象で希望すればいつでも接種できたはずの医療従事者で、いまだ1回か0回しか接種していないとすれば、それは自分が接種を拒否したからだと考えるのが順当です。
そしてその16%72000人のうちで、義務化(=接種しなければ解雇される)状態になった時に、「仕事を続けたい」と「接種したくない」という2つの両立しえない自分の希望を秤にかけて、仕事を選択した人が71000人で、接種拒否を選択した人が1000人だったわけです。
別の言い方をすれば、「解雇するぞ」と脅した結果、未接種の16%の人の内15.8%が接種して、それでも0.02%の人は接種を拒否したになります。そして、16%の人に医療現場から去られたら医療が大混乱になりますが、0.02%ぐらいならば、一部で人手不足になる程度ですので、解雇を実行したのだと思います。
即ち、9月初旬まで一回接種が6割程度、2回の接種完了者が51%から増えなかったアメリカかが、昨日現在で1回接種が63.47%・2回接種が54.61%まで増えたのは、接種の義務化か始まった為であると推測されます。
つまり、接種の義務化で仕事を失う事を恐れた人達が接種に向かったのです。
しかし、1回で接種を止めていた1割程度の人達が2回目を接種していれば、2回接種完了者は54.61%ではなくて6割を超えていたはずなので、医療従事者では義務化によって98.8%まで接種率をあげられても、その他の業界では義務化しても効果が限られるのだろうと思います。
さて、ここまで、埒もない事をずらずらと書いてきましたが、これは「なぜ欧米の先進国で、ワクチン接種率が停滞する数値に違いが出ているのだろう?」と、私はずっと疑問に思ってきていたからです。
現在の(中国抜きの)NHK国別接種完了者の上位国です。
スペイン77.73%・カナダ70.33%.イタリア67.15%、イギリス65.59%、フランス64.96%、ドイツ63.46%、日本57.51%、アメリカ54.61%です。
この内・スペイン、カナダ、日本はここ1~2ケ月にトップグループに躍り出た国で、それまでは伊・英・仏・独・米の順位は不動でした。というか、その数値で接種が止まっているように、変わらなかったので不動だったのです。そして接種を義務化した米・仏と事実上の義務化した独がこのところ少し数値をあげていますが、ぼちぼちという感じです。
なんでなんだろう?
なんで、米国は5割強・ドイツは6割強で接種率が頭打ちになるのだろう?
実は、私は、7月ぐらい(日本が3割程度の時)から国別接種率の表を視る度に、この疑問を持っていました。
これが、個人主義が売りのフランスなら解ります。また、頑固者が多いイギリスも、こんなもんだろうなと感じます。
しかし、新し物好きで、あんなにワクチン接種に邁進している風に宣伝されていた・アメリカで半分強で止まる。ルールならば厳格に守るのが売りの・ドイツで6割強でとまるという事に、違和感を感じたのです。
細かい事を言えば、今のワクチン接種は18歳・又は12歳以上が対象ですから、日本やドイツのような接種対象外の子供が少なく、接種対象者の大人が多い、中でも未接種で感染すると命が危ない高齢者比率が多ければ多いほど、全人口に占める最終接種率は高くなるはずです。
ですから、ヨーロッパでも出生率の低いスペイン(1.260)・イタリア(1.290)が、接種率上位に来るのは順当です。ただ、そうするとドイツ(1.570)は、フランス(1.888)イギリス(1.680)よりも接種率で上位にくるはずなのですが逆です。
という事は、米国とドイツは、お国が「あなたの命を守る為に、接種して下さい」と要請しても拒否する人が多いという事になるのです。
確かに現在のアメリカは、トランプ派とリベラル派が国を二分して争い合っています。しかし、「あなたの命を守る為に、接種して下さい」というお願いを断るのは、尋常ではありません。
なぜ断るのか?
それは、政府は嘘をついていると信用していないから、「騙されるのは嫌だと思って、拒否する」という決断をするとしか考えられません。
だから、私は優等生のはずのドイツの、ワクチン接種率での他のEU諸国との比較での意外な低さでの停滞と、アメリカの接種率の5割強での停滞からは、「米独両国民が、案外、本音の所では自国の政府を信頼していない」ことが読み取れるような気がします。
さて、日本どうでしょうか?
一回目接種種が現在67.14%なので、接種ワクチンがファイザーだとして3週間後には接種完了者は66.%になると予想されます(高齢者で1回だけ接種して、副反応が強くて2回目を止めたのか 1回だけ接種している人が1%強いる模様なので) 。すると11月初旬には70%を超えてくるはずです。ですから日本政府の予定では日本は、11月半ばにはスペインまではいかなくてもカナダと並ぶ位にワクチン接種上位国になるはずです。
私は、(何の根拠もないのですが) ワクチン接種を希望するかしないかは、その人が「国は自分を守ろうとしている」と感じるか「国は自分を騙そうとしている」と感じるかにかかってくるような気がします。
ですから、希望による接種だけでの頭打ちになった国別接種率に、注目しています。
尚、アメリカでの接種率の低さについては、トランプ支持者が接種しないからだという印象操作がなされていますが、実際には黒人層・ヒスパニック層の接種率が低いからであります。つまり、民主党に投票する黒人層が、民主党が「接種して下さい」と無料でワクチンを提供しても接種しないわけです。とすると、アメリカの黒人層は、民主党に投票しても、民主党政権を信頼しないのでしょうか?
つまり、「トランプは絶対嫌だから、信頼はしないけれどバイデンに投票した」と言うのが実態なのでしょうか?
私には解りません。しかし、アメリカのワクチン接種率の停滞は、現実のアメリカ内部の不信感をあらわしたものだとと思いますので、日本の接種率がどこで停滞するのか? 70%で止まるのか? 75から77まで行くのか? とても興味があります。
最後に、ずっと疑問に思っていた事に自分なりの結論をだしてみました。勿論、これはただの思考の遊びです。しかし、アメリカのワクチン接種が50%余りで止まった理由=連邦政府と医療への不信感は、相当に根深そうです。
今回ネットを漁った中から、追伸2でごく一部を異様します。
私は、日本に生まれて良かったとと本当に思いました。
(追伸1)
●世界のワクチン接種状況 - NHK.JP
ワクチン 少なくとも1回接種した人(割合)

ワクチン 接種が完了した人(割合)

●ワクチン接種ためらう一部の黒人や中南米系、不信感の要因とは 米 2020.12.12 (CNN 極一部だけ抜粋引用)

地域での新型コロナ検査を実施するホラス・シェフィールド牧師とボランティア/Courtesy Rev. Horace Sheffield
米国の医学研究における人種差別の歴史に加え、連邦政府に対する信頼感の欠如もあり、一部の黒人や中南米系国民はワクチン接種をためらっている状況だ。…
医療提供者の間に人種的なバイアスがあるため、一部の黒人はいまだ (医療事態に) 信頼感を抱きにくい状況が続く。
オハイオ州クリーブランドに住むカーメン・ベイリーさん(52)は4月に新型コロナ感染症と診断されたものの、過去に医師からぞんざいな対応を受けた経験から、医療の助けを求めるのは避けてきた。
ベイリーさんは今も心臓や肺、肝臓に新型コロナの後遺症を抱えているが、ワクチンを接種するつもりはない。
「どんな副作用があるか分からない」「現時点では接種する気になれない。ワクチン接種を受ける人は『モルモット』にされる」…
1932年から72年にかけて行われたタスキギー実験では、梅毒患者399人と非患者201人の計600人の黒人男性を対象に、死亡したり重い健康問題に苦しむ男性を治療しないまま、病気の進行を追跡調査した。
また歴史的に、黒人奴隷は医師によって薬や手術方法の実験材料に使われ、合併症や死を経験してきたという経緯もある。…
一方、中南米系のコミュニティーでは、連邦政府への不信感からワクチンを接種しないという人が多い。
中南米系の支援に当たる超党派団体「ユニドスUS」の副会長によると、トランプ政権の反移民政策や、公的扶助を受ける移民の市民権取得を制限する方針、医療費負担適正化法(通称オバマケア)撤廃の動きなどが原因となり、一部の家庭は医療を受けることに消極的になっているという。

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