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中国共産党の上部には、まだ鄧小平の改革開放路線を支持している人が少なくないのだろうと思う。とすると、習近平時代の次には、また中国は変わる可能性がある。【引用開始】●トウ氏の名は9度登場、一度も出ない習氏の名…「静かな抵抗」暗に体制批判の文章


中国の言論界を中心に、改革開放政策を進めたトウ小平を改めて評価する文章が出回っている。習近平国家主席への権力集中が進む中、個人崇拝からの脱却や思想の解放を目指した3代前の最高指導者に光を当てることで現体制を逆説的に批判するという、「静かな抵抗」が広がっているようだ。
■改革開放 評価…統治「下を信頼」
■習氏の名なし
 注目を集めたのは、9日付の党機関紙・人民日報に掲載された論文だった。改革開放について、党是である「実事求是(事実に基づいて真実を求める)の思想路線を回復した」と高く評価した。建国の父の毛沢東時代、長期にわたって教条主義的に束縛されていた人々の思想が「解放された」との表現で意義を称賛した。
 論文ではトウの名が9度にわたって登場した。その後2代の国家主席である江沢民、胡錦濤両氏にも言及したのに、習氏の名は一度も出てこないという、最近の同紙上では異例の内容となった。筆者が、党中央委員(閣僚級)に名を連ねる高官である中央党史・文献研究院の曲青山院長であることも臆測を呼んでいる。
 中国の知識人の間でも11月以降、トウや改革開放を評価する記事が多数、ネットで転載されている。各記事も習氏には言及せず、「トウは下を信頼した。自分に何も考えがないことを率直に認め、下の人の思想を解放した」「威信が頂点に達した時でも個人崇拝はさせなかった」とトウ時代を回顧する。習政権による強力なトップダウンなどの手法と対比させているとみられる。
■直接書けない
 11月の党の重要会議では、党史上3度目となる「歴史決議」が採択された。党史を「毛時代」「トウ・江・胡時代」「習時代」に区分し、習氏を毛と同格に扱う一方、トウは江氏、胡氏とひとくくりにされ、歴史的業績は相対化された。習氏が自らを毛と比肩させるため、トウの功績を薄めるという権威化の手法とみられている。
 習政権は体制批判を厳しく統制している。だが、中国に米国を猛追するほどの高速成長をもたらした改革開放を完全否定することはできない。文章を転載した知識人は「現体制に対する批判は直接は書かない。書けない。だが、文章を読めば、そこに込められたものがわかる」と説明し、政権の立場を逆手に取った「いまの時代の(反抗の)やり方の一つだ」と明かした。
■根強い支持
 トウは、民主化運動を武力弾圧した1989年の天安門事件への批判を引きずる一方、改革開放を主導した功績から国内での支持は根強い。官製メディアなどでは、格差拡大や汚職蔓延など、改革開放の負の側面を強調する論調も多い。習政権は新たな業績として、成長の「速度」から「質」に重点を切り替え、貧富の格差を縮小する「共同富裕」に動き出している。トウに対する評価を巡る党内の攻防は、今後も続きそうだ。
トウ小平を称賛する文章のポイント
▽「トウがいなければ改革開放はなかった」と歴史的意義を強調
▽「トウは下を信頼した」などと統治スタイルを評価
▽格差拡大や腐敗などの問題を「(トウら)歴史上の人物に帰するのは無責任」と主張
▽習近平氏に言及せず
【引用中断】
今の中国は、毛沢東時代に引き戻されています。毛沢東氏の文化大革命のさなかに育った習近平氏世代の中には、「トップの意向に全員が従うことで、中国をまとめる事が正しい」と洗脳されている人が少なくないだろうからです。
その一人が、習近平主席だろうと思います。
だから、習近平主席は「トップである自分の意向に中国人全員が従う事が正しい中国の在り方なので、自分を個人崇拝させようと努力している」のであります。
そして、軍や警察の中にも、「トップに、本能的に従う人がすくなくない」ので、習主席が「アイツを逮捕しろ」と命令すれば、指名された人が逮捕されるという現実が出現して、習近平主席の専制政治が成立しているのであります。
この為に、相当な地位にいる知識人でも「現体制に対する批判は直接は書かない。書けない」状態になっています。なぜならば、習主席の逆鱗に触れて「著者を逮捕しろ」と警察に命令されたら、その著者は逮捕されてしまうからです。
つまり、習近平主席の専制政治が成立しているのは、軍や警察の首脳がトップの命令に従うからですが、私には、この服従が「文化大革命世代の故なのか?」 又は、「皇帝に服従する中華帝国時代からの中華文明が、未だ中国人の中に力強く息づいているからなのか?」は、一寸判断できません。
しかし、習主席の目指すのは、「習主席に、服従しなければ生きられない。習主席の気分次第で(=運が悪ければ)、服従しても生きられないが、それはあきらめるしかない」という、個人崇拝の世の中です。
ただ、中国国内には、(危険を承知で)トウ支持論文を世に出す人もいるようなので、習近平時代の次の時代には、多分中国はまた変わるような気がしてきました。
中国で「文革→文革止め」が、毛沢東氏の死によって短期間に実現したのは、権力者の殆どが文革止めたいと思っていたからです。一方で「改革開放→再文革」は抵抗が強くて少しずつ時間をかけて進められているのは、権力者の殆どが改革開放を続けたいと思っているからだと思います。
権力者の殆どが願う方に進まないのは、軍や警察が権力者の殆どが願わない方向に動くからであります。この中で、もう十~二十年すれば、中国の支配世代が、文革世代から天安門世代、さらには改革開放世代に変わってゆくので、軍や警察の首脳の意識も変わるはずですので、中国はまた変わるような気がします。
本来中国の一般庶民は、自由奔放な人達です。
中華帝国では、中華皇帝が直接服従させる事が出来たのは、官僚迄であって、大多数の地主農民は従っている振りだけすれば、結構自由に生きられていたからです。
即ち、中国人は、権力争いに巻き込まれないように気を付けていて、自分の身が安全ならば、権力者同士が争っていてもほっといて、従っている振りだけして、自分は自分で自由奔放に生きる人達なのです。
しかし、今技術の進歩によって、監視機能が飛躍的に向上した為に、習主席は一般の中国人に迄、従っている振りだけでなく、実際の服従を要求するようになっています。だから、私は一般の中国人の心の中には、不満が蓄積されているような気がします。
習近平主席は、一般の中国人に自分を崇拝させようと努力しています。中国人は従っている振りをする人達なので、反発はあまり出ていません。しかし、彼らは、習近平氏を崇拝する振りをしているだけで、実際に崇拝していない人が多数派のような気がします。
ですから、中国全土で、数億人の人民に習近平万歳集会を開かせる事が出来たとしても、「文革→文革止め」が短期間で実現したように、「習近平万歳→習近平止め」は、時代の区切りがあれば短期間で実現するはずです。
よって、諸外国は「その時が来るまで、中国に軍事行動をさせない」為に、努力するべきだと思います。
 近頃の習近平政権は、かなり常軌を逸してきましたので、私は、諸外国だけでなく、14億中国人の中にも「オイオイ大丈夫かよ」と疑問・不安を感じるようになった人が、増えてきているはずだと思いますので、私は少し楽観的になっています。
 つまり、本来我が身大事で従っている振りをするはずの中国人なのに、「オイオイ大丈夫かよ」と疑問・不安を感じる共産党幹部が、身の危険を顧みず、論文を発表しました。
そして習近平政権は、オカシナ事を続けてくれています。だから中国人の中にこそ「オイオイ大丈夫かよ」が増え続けて、習近平政権に従う事を不安に感じるようになる人が軍や警察の中にも増えるのではないかと、楽観的になってきたのであります。
最後に、「習近平政権って、どこか変じゃないか」と多くの中国人が思うだろうという記事を引用します。
【引用再開】
●中国の「クリスマス禁止令」ネット上で物議 「当局の許可必要?」(2021/12/25 毎日新聞)
 クリスマスを祝うのは禁止――。中国南部広西チワン族自治区柳州市融安県の教育局が出したこのような通知が、同国のネット上で物議を醸している。米国などと対立を深める中、習近平指導部は中国の独自性を強調しており、その意向をくみ取ったとみられる。
 中国メディアによると、通知は12月20日付で、融安県の幼稚園から小中学校を対象に出された。クリスマスについて「宗教的な色彩を強く帯びた西洋の祝日」とし「一部の西側の先進国は価値観と生活様式を我が国に植え付けている」と指摘。「西洋の祭日が社会に与える影響はますます大きくなり、我が国の伝統文化に深刻なダメージを与えている」と強調した。
 そのうえで教師や学生がキャンパス内外で西洋のイベントを祝う活動を禁止し、活動を見つけた場合は公安局に通報するよう呼びかけた。
 ネット上ではこの通知に賛同する声も上がる一方で、「西洋の祝日を祝うのに当局の許可が必要なのか」「我々の5000年の文化は、そんなに簡単にダメージを受けるのか」などと、この禁止令の意義を疑問視する声も多数上がっている。(北京・岡崎英遠)
【引用終わり】
私は「習近平政権って、どこか変じゃないか」と多くの中国人が思うだろう《奇行》をどんどんやって頂きたいと思うようになりました。

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