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昭和天皇陛下は、自分を批判する国民をも慈しまれました。だから天皇は国民統合の象徴なのであります。もし天皇が、国民を好き嫌いで贔屓したら、天皇が国民分断の元凶になります。ですから、自分の意のままにならない一部国民を糾弾する、小室眞子さんが、皇室を離れられて良かったです。【引用開始】●皇室ジャーナリスト近重幸哉氏、眞子さん会見は「ご自身たちの主張に終始」「多くの人にモヤモヤ残した」


秋篠宮家の眞子さま(30)が26日午前、…小室圭さん(30)と婚姻届を提出した。…2人はこの日午後、皇居近くの「グランドアーク半蔵門」(千代田区)の「華の間」で会見。「圭さんはかけがえのない存在です」などと語った。 
婚約内定から結婚まで約4年かかった要因といえる小室家の金銭トラブルを巡る一部批判には強い不信感を示した。   
皇室ジャーナリストの近重幸哉氏(60)は、会見について「会見というよりもご自身たちの意見を述べたという印象。会見とは呼べず、発表で終わった印象が残りました。自分たちの主張に終始したと感じられましたね」と振り返った。   
眞子さまは、小室さん一家の金銭トラブルを巡る報道について「誤った情報がなぜか間違いのない状況であるかのように取り上げられ―」と述べられた。近重氏は「批判するような言葉と取れる言葉を口にしたことは驚きがありました。お二人が孤立して戦ってこられたという思いが強くあるんじゃないかと思います」と分析した。  
眞子さまはこれで皇籍離脱し、民間人として生活を送ることになる。「末永いお幸せを心から願いますが、残念なことに、多くの人の気持ちにもモヤモヤが残ったまま結婚されるんだなという印象を受けました」と話した。
【引用終わり】
今回の「小室の騒動」において、小室眞子さんが「自分が主導した」と晴れやかに宣言した事に対して、皇室ジャーナリストの近重幸哉氏のような皇室支持派が違和感を感じて、日本の主要マスコミや外国リベラルマスコミには「眞子さんがヒロインのように見える」理由は、それぞれが皇室に求めるモノが違うからであります。以下、その違いを示します。
1 皇室支持派は、天皇=「国民を愛し慈しんでくれる存在」として支持している。
 「天皇がなぜ至高の存在なのか?」といえば、それは日本書紀に語られる「理想の天皇・仁徳天皇陛下の御心を、代々の天皇が宿している」はずだからです。
★仁徳天皇(毛呂山町 ホームページより)
【5世紀の前半に在位した、第16代天皇。現在の大阪市を都とし、とても仁徳のあった天皇と言われている。田畑を開かせ、人家のかまどから、炊煙があがっていないときには、民が貧しい状況をさっして、(3年間) 税を免ずる (そして、3年後に民のかまどから炊煙が上がっている事を大層喜ばれ、税を取らない為に宮殿が傷み雨漏りがしているのに、さらに3年の税を免ぜられた) など、常に民のことを考え、非常にめぐみ深い天皇と伝えられている。(民のかまど伝説)
また、大陸の文化や、当時では画期的な土木技術を取り入れて、生産をさかんにした。御陵は、現在の大阪府堺市にある、大山古墳と考えられており、全長486m、高さ約35m、世界最大級の陵墓と言われている。】
このような仁徳天皇陛下の思い出は1500年以上民の心の中に生き続けて、『天皇陛下は民を慈しむ心を持っていて欲しい』→『天皇陛下は民を慈しむ心を持っている』事になりました。
だから、日本の武将は天皇という存在を滅ぼせなかったのです。
尚、日本最大の古墳・大山古墳を仁徳天皇陵と定めたのは江戸幕府です。江戸幕府は、儒教的な理想の天皇であった仁徳天皇陛下の御陵は、最大の御陵のはずであると考えたのだと思います。
そして、昭和に至り、昭和天皇陛下は日本亡国の危機の中で、昭和天皇陛下ご自身の「国民を慈しむ心の力」で、日本という国の統一を維持しました。
昭和天皇陛下は、空襲で明治宮殿が焼けてしまった時に「これで皆と同じになった」とおっしゃいました。 また、これは聞いた話ですが、戦後皇居に「食料寄こせ」と25万人のデモ隊が押し寄せて時に、近臣が「あのようなモノは、国民の一部ですから…」と申し上げると「あれも日本国民である」と仰せられたそうです。多分、「朕はタラフク食ってるぞ ナンジ人民飢えて死ね」などという失礼極まりないプラカードを共産党員がもって、皇居に押し掛けたころの事だと思います。
このように、仁徳天皇陛下の御心で(ご自身を批判する国民も含めて) あまねく国民を愛しし慈しんで下さる昭和天皇陛下のお心は、多くの国民の心に通じていました。
ですから、戦後日本の政治家の主張は、自由主義・民主主義・社会主義・共産主義に別れて、国論は分裂状態でしたが、(共産党以外の)大多数の政治家が共通して「天皇を敵にしたら、国民に支持されない」意識していたので、政治家も国を分裂させるような強硬手段はとれませんでした。だから日本は、内乱とならずに、統一を保ち続けていられたのだと、私は感じています。
このような昭和天皇陛下の御心は、上皇様に受け継がれました。そして、今上陛下のお言葉・お振舞の中にも、拝察する事が出来ます。
だからこそ、皇室支持派は、天皇=「国民全員を愛し慈しんでくれる存在」=「至高の存在」として支持しているのです。
この天皇像・皇室像を基準にすると、天皇家の一員であった小室眞子さんが「自分と自分が好きな小室氏を批判した日本国民に対して、誹謗中傷したとレッテルを貼って、自分達は悪い人に心を傷つけられた被害者だ」と糾弾したのですから、青天の霹靂だったのであります。
2 主にリベラル系の人達には「眞子さんがヒロインのように見える」理由は、同じ「一元論者」の価値観だからである。
 「一元論」とは、キリスト教・イスラム教・ユダヤ教の宗教文明の価値観であります。「キリスト教は絶対善だ。だからそれ以外のイスラム教もユダヤ教も悪い宗教だ」というように、「絶対善を奉じて、それ以外は全部悪だ」という、思考方法です。
 ですから、リベラル系の人達は「自分達の主張が絶対善だ。反対する人達は全部悪人だ」と主張もしますし、それに沿って行動もするのであります。そして「善なる自分達が勝って、悪なる反対者が滅ぶという構図を達成する」為に努力するのであります。
 だからリベラル系の人達は、自分達の主張と違う、安倍元首相やトランプ元米国大統領に悪人のレッテルを貼って、彼らが何をいおうと・何をしようと関係なく、反射的に全部反対するのであります。
この度、皇室ジャーナリスト近重幸哉氏が、眞子さん会見は「自分たちの主張に終始したと感じられましたね。…批判するような言葉と取れる言葉を口にしたことは驚きがありました」と感想を述べておられますが、眞子さんは事実として「自分が小室さんと結婚したいという自分の願望は善なる愛情で有り、反対する人は悪人だ」と言外に述べました。
さらに、「小室氏と結婚する」という自分の願望が達成されたのにもかかわらず、わざわざ会見を開いて「自分たちの結婚に反対したのは悪人だ」と堂々と言ってのけたのは、「善なる自分達が勝って、悪なる反対者が滅ぶという構図を達成する」為に、これからも努力するという、宣戦布告であったのかもしれません。
まさしく、「反対する者は許さない」という、西欧キリスト教的一元論の態度で有りました。
 
1と2をまとめますと、
小室眞子さんが「多くの人にモヤモヤ残した」発言をしたのは天皇家の人達の真骨頂は「日本国民全員を愛し慈しむ事で、国民の心を一つにする」事なのに、小室眞子さんが一元論の論理で「自分達への批判を誹謗中傷と受け止めて、自分達を誹謗中傷にさらされた被害者だと位置づけて、自分達を批判した悪人として糾弾した」からです。
簡単に言えば、小室眞子さんは、国民全員を愛して国民の心を一つにまとめるのか皇族の役割なのに、好きな国民と嫌いな国民に分けて国民を分断させようとしたのです。
皇室に育ちながら、何でまた、小室眞子さんが一元論者になったのかは、私にはさっぱり解りませんが、小室眞子さんに皇籍を離れて貰ったのは、よかったと思います。
「昭和天皇陛下の御代に生まれて、テレビ画面を通してであっても、昭和天皇陛下のお姿を自分の目で見て、玉音を自分の耳で聞く事が出来て幸運だった」と感じている私には、小室眞子さんに皇籍を離れて貰って、本当によかったとしか思えません。
ただ、今上陛下には、まだ「国民全員を愛し慈しんでくださる御心」を感じるのですが、将来には不安を感じます。
天皇家がこれ程長く続いてきたのは、それはその時代時代の国民が、天皇家を必要として天皇家を守ってきたからです。
そしてなぜ天皇家が必要とされたのかと言えば、「(時には表向きではあっても) 天皇の国民全員を愛し慈しんでくださる御心によって、日本人がバラバラにならずに日本という国が統一出来てきた」からです。
武家同士の戦争でも大体片が付いたところで、天皇が○○武将を征夷大将軍に任じることで○○政権に正当性を与えて、日本の統一性を守ってきました。もし天皇という存在が無かったら、複数の武将が西と東に幕府を立てたりなどして、日本列島に複数の国が出来ていたかもしれません。
この意味で「善悪の裁定をせずに、国民全員を愛する」というスタンスを失くしたら、それはもう日本の天皇家ではなくなってしまいますが、「私を滅して国民全員を慈しむ」なんてことは常人には出来る事ではありませんので、将来には不安を感じるのであります。
近頃、天皇家の将来について、「男系だ」「男系女子容認」「女系容認」と皆が言いたい事を言っていますが、本当に大事なのは「私を滅して国民全員を慈しんで下さる、御方であるかどうか」という事であります。
最も、これからの時代には、それは難しいのかもしれません。もしかしたら、天皇家の次代を担う宮様方が少ないのは、つまりは、「そろそろ日本の国民も天皇陛下の慈しみに安住するのではなくて、精神的に自立しろ」という、天の意思でありましょうか?

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