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小中学校へのアーティスト派遣事業3[2023.9]

(公財)よんでん文化振興財団が実施するアーティスト派遣事業として、那賀町立木頭小学校で授業をさせていただきました。

昨年2つの小学校で授業を担当し、2校とも高学年対象でしたが、今回は徳島県南西部の山間部にある小さな学校のため、1年生〜6年生全員での参加でした。
全員で15名!一人しかいない学年もあり、普段から合同での授業に慣れている様子。

低学年から高学年までに伝わる表現、言葉の選択、そして絵画制作をすすめるにあたり気をつけるべきこと、前日まで悩みながら準備しました。
徳島市内からはゆっくり走って2時間半。関西へ出るくらいの距離ですね。
一度打ち合わせにお伺いしていたので、余裕を持って到着。当日はとてもお天気がよく、道すがらの里山の風景は本当に美しかったです。

アーティスト派遣事業ではいつも、2時間連続で授業をさせていただき、前半10~15分ほど挨拶を兼ねて自分自身の制作のこと、どんなことを考えて絵を描いているかなどをお話します。
ただ今回は1~6年生全員に伝わる表現を、と思い、できるだけ明確に、1年生にもしっかり入っていくような話し方を工夫しました。
"絵を描くことが少し苦手な子〜? "という問いかけには、半分くらい?の手が挙がったので、お話のあとホワイトボードで簡単な描き方を説明してみました。

今回、木頭小学校の先生からのリクエストで、"人物を描くのが苦手な子が多いので、描けるようにしてあげたい"とのことでしたので、苦手の代表格!"横向きの人、座っている人、走っている人、ブランコに乗っている人"などを描いてもらうことにしていましたが、人物だけでは面白くないのと、今後の制作により生かすことのできるよう人物のまわりの風景について事前に準備プリントを配布していただき、しっかり考えてもらっていました。

季節は?天気は?時間は?まわりには何がある?生き物?植物?その色は?かたちは?
などなど、どの学年でもしっかり考えられるよう設問をわかりやすくしておきました。
毎回、準備プリントを渡して書いてきてもらうのですが、どんな子でも素直にしっかり考えてきてくれるので、それを横に置いて制作してもらいます。学年と名前も書いているので、ひとりひとりにお名前は?って聞かなくてもよくてスムーズなのも良いです。
おとなしい子も、恥ずかしがり屋の子も、大抵文字にはできるので、そこからコミュニケーションをとるようにしています。

みんな工夫していてたのしい



普段は絵が苦手という児童もがしがし描いていて、いいかんじ!

鉛筆で下描きをして、太めの色鉛筆でなぞって、水彩絵の具で塗る。
シンプルな工程ですが、ひとりひとりの悩みに寄り添いながらアドバイスしながら進めていくと、"できなかったことができる"よろこびで、皆どんどん描き進めてくれるようになりました。
少人数ならではの雰囲気の良さ、学年を超えて協力する児童同士の関係性は、都市部では得られない経験ですね。

普段、小さな机の上で絵を描いているので、地べたに寝そべりながら自由に描けるのは楽しいはず。
あっという間に2時間の授業が終了、最後に感想や質問がある子!と先生が言うと、はい!はい!はい!と次々手が挙がります。
"もっと絵が好きになりました" "今日教えてもらったことを生かしてがんばりたい" "先生つぎいつ来ますか? "などなど心が温かくなるこどもたちの言葉、有り難かったです。
壮大な自然に囲まれた土地で暮らす皆に、また会いにいきたいです。



みんなの作品。次の図画工作で仕上げ。完成を楽しみにしています!


イノシシ、いい顔!いつも見てるんだろうね

完成作品は、写真に撮って送ってくださるとのことでたのしみです。
木頭小学校の先生方、ありがとうございました!熱意のある先生方ばかりで、児童は幸せですね。

美術に苦手意識があるこどもたちにも、"上手にできなくても、こうやったら楽しく描けるんだよ!"を伝えたくてこの活動をしています。
奨学金で学生生活をサポートしてくださったよんでん文化振興財団へ、微力ながら恩返しになればいいなと思っています。自分が通ってきた"絵を描くって観察することなんだ!それってたのしいんだ!"を、少しでも多くの子どもたちに伝えたいです。
今年度はあともう一校、来月上勝小学校へ伺います。

よんでん文化振興財団によるアーティスト派遣事業、来年度の募集は11月1日開始予定です。対象の小中学校へ教育委員会を通して募集があります。徳島で美術の講師は現状わたしだけなので、自動的にわたしが伺います。。! 
音楽ももちろんですが、ぜひ、美術に触れる機会をこどもたちに。
学校関係者のみなさま、資料に目を通していただきぜひご応募くださいね!
*年度ごとに地域区分が異なり、2024年度は、徳島市、阿南市、勝浦、上勝、那賀、牟岐、美波、海陽町、佐那河内村が対象です。
詳しくはよんでん文化振興財団のサイトをご覧ください。

[番外編:帰路の寄り道]

木頭小学校よりさらに15分ほど奥、未来コンビニ

授業のあとは、せっかくなので学校よりさらに15分ほど奥にある未来コンビニへ行ってみました。これだけ有名なので観光客はもちろん足を運びますが、近所の人たちのコミュニティースペースとしても成り立っているようですね。

https://mirai-cvs.jp/


小学校近くの吉田神社


ここは木頭の街なのだということが高台からみるとよくわかる

小学校近くに戻り、吉田神社へ。
荒れていたけれど、木彫は美しく、手を合わせてきました。
そのあと帰路へ。那賀川もここまで上流だとさすがの透明度です。

河原におりてみた


魚影

帰路、運転に疲れてきたのと空腹で、中間地点のもみじ川温泉にて休憩。

https://momijigawa-spa.com/

あめご御膳をいただき、温泉へ。なんと26日、フロの日ということで子ども料金350円でした、ラッキー。
平日の19:00ごろということもあり、ほぼ貸切。
ちいさな露天風呂からはおおきな月が明るく照らしていました。
ここの泉質好きなのです。すっきりさっぱりして、ゆっくり1時間半かけて無事帰宅。小旅行のようなよい1日でした。

あめごの石焼。川魚って好きです。

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