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脳出血とは?

【脳出血の病態生理】

脳出血とは、脳内の血管が破裂して脳内に出血することを指します。この出血によって脳組織が圧迫され、また、脳内の血流が阻害されることで、脳細胞が障害を受けることが起こります。そのため、失調や麻痺といった症状が現れます。

【脳出血の検査】

❏MRI、CT、脳血管造影などの画像検査

※ MRI検査の前は必ず義歯や補聴器、アクセサリー等の外し忘れがないか確認しましょう‼️
だいたいの病院には独自のチェックリストが準備されているハズなので、ひとつひとつかくにんしてから検査に向かいましょう。

❏脳波検査


❏脳圧測定(脳室ドレナージ)など
※ドレナージ管理については厳重なインアウトバランスの管理やゼロ点設定等、覚えておくべき事が多い為また個別にまとめたいと思います。

【脳出血の治療方法】

❏手術による除去
・検査後、医師により手術適応が判断されますが、主治医に指示を仰ぐ立場として、ある程度の基準を頭に入れておく事も必要です。

1.脳出血の部位に関係なく、血腫量10mL未満の小出血または神経学的所見が軽 度な症例は手術の適応にならない(グレードD)。また意識レベルが深昏睡 (Japan Coma Scale:JCSでIII-300)の症例に血腫除去を勧める根拠はない
(グレードC2)。
2.被殻出血:神経学的所見が中等症、血腫量が31mL以上でかつ血腫による圧迫 所見が高度な被殻出血では手術の適応を考慮しても良い(グレードC1)。特に、 JCSでII-20~30程度の意識障害を伴う場合は、定位的脳内血腫除去手術が勧 められる(グレードB)。
3.視床出血:急性期の治療として本症に血腫除去を勧めるだけの根拠はない(グ レードC2)。血腫の脳室内穿破を伴う場合、脳室拡大の強いものには脳室ドレ ナージ術を考慮しても良い(グレードC1)。
4.皮質下出血:脳表からの深さが1cm以下のものでは特に手術の適応を考慮して 良い(グレードC1)。手術方法としては、開頭血腫除去術が推奨される(グレー ドC1)。
5.小脳出血:最大径が3cm以上の小脳出血で神経学的症候が増悪している場合、 または小脳出血が脳幹を圧迫し脳室閉塞による水頭症をきたしている場合には、 手術の適応となる(グレードC1)。
6.脳幹出血:急性期の脳幹出血例に血腫除去を勧めるだけの根拠はない(グレード C2)。脳幹出血のうち脳室内穿破が主体で、脳室拡大の強いものは、脳室ドレナー ジ術を考慮しても良い(グレードC1)。
7.成人の脳室内出血:脳血管の異常による可能性が高く血管撮影などにて出血源 を検索することが望ましい(グレードC1)。急性水頭症が疑われるものは脳室ドレナージを考慮する(グレードC1)

日本脳卒中学会  脳卒中治療ガイドライン2009より

❏脳圧を下げる薬剤投与
❏脳浮腫の緩和
【急性期】
⒈グリセオール
⒉マンニトール
→これらは浸透利尿剤であり、薬剤が高濃度である為、投与後、血液の浸透圧が上昇⇒脳組織浸透圧との浸透圧差が上昇します。その結果、脳組織内の水分が血管に流入し脳浮腫を予防する事に繋がります。

❏対症療法
【主な症状】
・片側の手足の麻痺,痺れ
・構音障害(喋りにくさ,呂律難)
・歩行困難
・頭痛
・めまい
・嘔気,嘔吐
→患者さんにとって特に緊急性の高い症状は頭痛や嘔気,嘔吐じゃないかと思われます。
嘔気の訴えが聞かれた際は、吐物による窒息を防ぐ為軽い側臥位をとり、主治医の指示に従って制吐薬や鎮痛薬を投与しましょう。


【脳出血の看護方法】

・バイタルサインの観察
・脳圧測定(ドレナージ管理中)
・意識状態の評価(JCS,GCS)
・抗凝固剤などの投薬管理
・安静管理
・局所処置の管理、術後の装具管理
・呼吸、循環管理など


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