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「致知」令和5年2月号 桐竹勘十郎さんインタビュー

ビジネス界というか経営者に読まれているこの雑誌。自分には縁がないかも、と思いつつ、よくこの雑誌のことをFacebookでコメントしてる方々とのご縁も強くなってきたので、勘十郎師の表紙カバーを機に定期購読を始めました。

表紙にどどーんと

オンライン購読もできるのですが、なにより表紙カバーなので、紙の雑誌が欲しくて。

年間購読しかできないので、なかなか思い切りました。

で、インタビュー。

ネタバレにならないように、私的な感想を。

私ごとですが、昨年50歳になりまして、いよいよ熟年世代であることを受け入れる日々ですが、仕事の同年代から「50代になったら下り坂なのでは」「組織の中で自分は不要になるのでは」「上がりのことを考えなければ」というコメントを聞くことが増えました。特に部長さん達から聞くコメント。

いわゆる企業社会だと、そんな先入観があります。実態として60歳定年のところもまだありますからね。

一方、古典芸能の世界では、時間軸が違います。

インタビューの中で勘十郎師も「60歳からが本当の修行」とおっしゃってます。

なんと私達からしたら、まだ10年先に「本当の修行」が始まる時間軸なわけです。

まぁ世の中でも「死ぬまで成長できる」とかいう言説はあるわけですが、勘十郎師がおっしゃると、説得力が全然違います。

文楽鑑賞歴5年とはいえ、勘十郎さんがますますとっても楽しんで、のびのび活動されてるのをひしひし感じるんですよねぇ。

芸云々がわかるレベルではないし、おこがましいことは言えませんが、これだけのめり込ませてもらってる自分がいるということは、芸を進化させるべく励まれてることの影響なんでしょう。

そして。

去年の義経千本桜の運動量はんぱなかったし。登場シーンで、すごい機敏に動く狐さん、仕掛け満載、ご自身の衣装の早変わり、そして最後に宙乗り。

70歳にならんかというお歳なのに、どんだけ体力あるんだろう、と、感服しました。

そんなお姿を鑑賞してるので、企業社会の「50代が上がり」とかいう言説がアホらしくなるわけです。

もともと子供時代は身体が弱かったとのこと。それが信じられないくらいの体力。

それもこれも日々の積み重ねなのでしょう。

多分、雑誌の企画の意図としては違うんでしょうが、個人的には、体力作りという点で、すごく感化されてしまいました(笑)

もちろん、森村泰昌さんとの「人間浄瑠璃」しかり、他流試合的な事もたくさん活動されてますし。

観客として追いかけるだけでも大忙しなくらい。

私も小さくまとまらずに新しい世界に踏み入れようと刺激を受けます。

いずれにしても、勘十郎さんの円熟の時期を生で見られるという、同じ時代に生きてるご縁。簑助師の引退の年齢を目標に、とおっしゃるので、あと15年くらい。私も元気に観劇できるように健康に気をつけてようと思っております。

他にも、簑助師の凄さがわかるエピソードもあって、文楽ファンとしても楽しめたインタビューでした。

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