「曽根崎心中」現代語訳 2023年1月
浄瑠璃狂いも極まってきて、仕事のストレスからの現実逃避も兼ねて、近松門左衛門の現代語訳にハマっております。
一応、キリッとした顔でオフィスで仕事してますが、通勤行き帰りと帰宅後は、廃人。というか狂人。
というくらい、現代語訳を繰り返し読んだり、解説を読み漁ったり。
至福の時間です…
文楽見てても、浄瑠璃本文って、正直よくわからないんですよ。イヤホンガイドは筋と解説だし。字幕で追ってても、早いしそもそも言葉遣いがよくわからないし。
6年目にして、なんとか筋がわかるレベルでは聞き取れるようになったのですが。
「曽根崎心中」の現代語訳を読んで、近松門左衛門の作品の文学としての凄みが理解できてきました。
天才ですね…
短いけど、何度も何度も読んでしまう引力があります。
これまでは、文字情報だからこその要素が全然キャッチできてなかったんだなぁ、と。キャッチできてないところに、こんなに魅力が詰まっていたんだなぁ、と。驚愕しております。
「曽根崎心中」盛り上がりに欠けるように思ってた自分をハリセンで殴りたくなります。
書き手が表現したい内容と、それを表現する技量の釣り合いが完璧にとれた瞬間に、
ほとばしるように一気に書き上げたような、
密度が濃くて、無駄が一切ない作品。
巨匠レベルの表現者ってそういう作品が代表作になることが多いように思います。
例えば、太宰治の「人間失格」とか、
マティスの「ダンス」とか、
一見、平易で簡素に見えるけど、完璧なリズムがある。技量があって初めてできる、シンプルな表現。全てが噛み合って圧倒してくる感じ。
「曽根崎心中」も、そんな感じがします。
いやはや、やっとわかりました。
現代語訳でも十分伝わってます。
現代語訳はこちらの二つを読んでます。両方ともそれぞれの良さがあります。
これからも何度も読んで、そして次のステージは原文へ…
まだまだ深いです…というか、始まってすらおりませんでした…
▼曾根崎心中 冥途の飛脚 心中天の網島 現代語訳付き
▼週刊誌記者 近松門左衛門 最新現代語訳で読む「曽根崎心中」「女殺油地獄」 (文春新書)