床になりたい
ひどく疲れたとき、ひどく落ち込んでいるとき、わたしは床になりたいと思う。体が液体になって溶けて、床と一体化する感覚。実際に、わたしは床に寝そべる。特にキッチンの床がよい。ひんやりとして固くて、泣けば水たまりができる。ひとしきり泣いたあと、その水たまりを踏んで靴下が濡れるところまでがいつもの流れ。たくさん泣くと、泣き過ぎでしぬことができたらいいのに、と思う。泣きすぎても、たかが明日目が腫れて顔が浮腫むだけだ。
わたしは最近、床になりたい。前は家で泣く時だけ感じていたその気持ちを、最近では外出先でも感じるようになった。床になりたい。
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