春と映画2


メモ捨て場です。


東京家族

監督:山田洋次 主演:橋爪功

田舎から出てきて家族に迎えられはするも、居場所のない東京を過ごす老夫婦。現代の東京の場所と居場所感の狭さを同時に感じさせられて胸が痛い。胸は痛むけど、なんだかんだ押し付け合う現代の東京人たちよ……もうやめてくれ……………となる。家族って一体なんなのか、せっかく会えたのになぜうまくあたたかさを得られないのか、というなんだかもどかしい食いちがいが現実〜て感じ。物語は突然の事態に陥ってしまうわけだけど、東京人たちの忙しなく淡々と取りまとめていく動きと周吉さんのゆっくり静かに粛々と動く感情とが絶妙な対比だ。紀子ォとの出会いで素直なあたたかさに触れられて、美しすぎる瀬戸内の情景の中で安心した気持ちになった。山田洋次作品追ってるとダメ息子やダメ孫としての妻夫木聡を見ることが多い。なんか勝手に妻夫木聡に幸せになってほしい気持ちになってきたな。

これを踏まえてこれから観たい映画:「東京物語」新たな発見がありそうだ。


うさぎドロップ

監督:SABU 主演:松山ケンイチ

子どもがいる1日がどれだけ大変か、ダイキチの汗とともに伝わる朝と昼と夜。日々をこなすのがこんなに大変だというのにそれでいて子どもは心も体も繊細で複雑だしね…。ダイキチの勝手な父性に警鐘を鳴らし子育ての重みを伝える風吹ジュンや高畑淳子の顔が良すぎた。親であることの生きづらさを散々浴びて、愛だらけの世界に気づき立派な親バカになるダイキチよ〜…。お遊戯会が最後にあるのはちょ〜良い。それはそうと、子どもと暮らしながら仕事も完璧にこなしてた荒々しい男・松山ケンイチの一生懸命な姿を見ているとあれちょっとまって顔かわいくない…?と元祖草食系の片鱗を見いだしてしまう。ダメなオタクでごめん…。芦田愛菜ちゃんの演技が飛び抜けて上手く、園児の中でひとりだけ園児らしい動きをしているというおもしろ現象が生じていますね。かわいいくてだいすき♡あとこれはどうでもいいんですが、桐谷美玲さんが劇中で使ってるピンクのケータイ、10年くらい前にSeventeenとドコモがコラボしたやつじゃないですか?!しかも波留ちゃんモデル!(いやエモ…)ST㋲時代………世代です。

これを踏まえてこれから観たい映画:「円卓」愛菜ちゃん…!本も読みたい!


ココ・アヴァン・シャネル

監督:アンネ・フォンテーヌ 主演:オドレイ・トトゥ

シャネルが先駆的に女性もののスーツを作っていたことだけ知ってた。男性優位の社会に馴染めなかったのはココだけだったけど、それとは裏腹に男性に依存した生活を送っていたところが人生としてリアル…。「英国では女も働くだろうが、フランスでは女性を大切に扱う」のすぐあとに「計算もできん」と続くセリフが悲しすぎる。社会の中で静かにわがままに反抗するココを、ミステリアスなオドレイ・トトゥが演じているのかなり最高ですね…。調べて生涯未婚であったことを知り、なおさら失った愛が悲しい。タイトル通りシャネルが大成する前のココの人生を描いていたけど、その後パリでどんな活躍をしたのか気になる。スーツを作ったことはもちろん、女性の服に黒を使うこととか修道院での生活からのインスピレーションがどう活きたのかとかもっと知りたい。ブランドのwikiを辿ってなお気になってしまった。そんな未来なさそうだけど、もしシャネルのスーツに袖を通したらどんな気持ちになるかな…とか考えた。長尾くん、昇華の仕方はこれで合ってますか?

これを踏まえてこれから観たい映画:「アメリ」フランス映画が!オドレイ・トトゥが観たい!!!


ツレがうつになりまして。

監督:佐々部清 主演:宮崎あおい

西畑くんが正門くんや大橋くんを「ツレ」と呼ぶのは映画の影響で、と仰ってましたよね。そういえば説濃厚だったやつ〜と思ってオタク脳の興味のままに再生しました。からだが複雑な仕組みで働くから「ふつう」の状態でいられるように、心もからだの一部として脳の仕組みの中で健康を保っている。うつ病はセロトニンなどの神経伝達物質の減少で起こる、誰でもかかる可能性のある心の風邪。劇中で「宇宙風邪」と表現されるようにわけのわからない症状にさいなまれるわけだけど、妻の視点であることで、症状にひどく波があることや最悪の状態に陥ることもこれまで一緒に生活してきたツレと地続きの人間なんだとわかる。人々の日常と隣り合わせの病気なんですね…。穏やかな描写で終わるけどこれからも病気と付き合って生きなければならないんだな。各々のキャストの良さが立ってたな。堺雅人は耐えながら泣く演技がツレにハマりすぎだった。宮崎あおいの幼女みたいなキュートさにはどうしてもきゅんとしてしまった!なあ、西畑くんどう思う??!?!なあ?!?!!?息子!!!!!夫の助手!!!!!なあ!!!!!!!!!!すみません、取り乱しました。20代半ばのあおいちゃんでしょうか、魅力の使い方がプロの業。ヤバい雰囲気を醸すうつ病患者吹越満の、物語が進むにつれて人間らしさをまとう印象の変り方の絶妙〜な感じもかなり良かった。

これを踏まえてこれから観たい映画:「パッチ・アダムス トュルー・ストーリー」「フリーター、家を買う。(ドラマだけど)」精神の病気の話、周りの人の視線のやつがいい。


ジャージー・ボーイズ

監督:クリント・イーストウッド 主演:ジョン・ロンド・ヤング

演目担なのでクリエやオ~ブに観に行きます。映画を改めて観た。オタクが顔を出すのでここでは多くを語らないように意識しよう(フリか〜)元々がブロードウェイの演目で、映画のキャストもブロードウェイの俳優たちを採用したところに熱量を感じる。演出として舞台っぽさを出したいのか突然カメラに心のうちを語りかけるのでおもしろい。あと映画だけどカテコ(みたいなもの)がある。これめっちゃ好き。
最初から最後まで音楽を生み奏でることの興奮を体感させてくれる最高の映画。ブチ上がるポイントはいっぱいあるけど、トミーとボブ・クルーの“Watch. I’ll bet you she cries.” “No,big girls don’t cry.”という掛け合いのシーンが好きすぎる。何気ない会話からヒット曲が誕生する瞬間なのだけど、音に心臓を鷲掴みにされる。興奮で鳥肌が立っちゃうな!
おじいちゃんになったヴァリが今なお音楽を求めてひたすら進み続ける理由が"Trying to get home."で(英語の含みの豊かさがサイコー)その瞬間若さを思い出すというか変身するあのシーンにこみ上げるものがありすぎる。どれだけ大成しても、泥臭く上だけを見て純粋に音楽を楽しんでいた若いあの頃が目指し続ける場所だなんて…なんだかひどいときめきとさみしさに襲われる。ここで大好きなアイドルたちとその未来に思いを馳せてしまったのは内緒だ。みんなたちがおじいちゃんになったときにいつも思い出すのが今だったらどうしよう。どうしようね…………
フランキー・ヴァリのCan't Take My Eyes Off Youはこの映画に出てくる中で最も有名な曲だけど、改めて聴くと父から娘へのあまりにも大きすぎる愛の歌だと分かってしまうところがとっても切ない収穫。

これを踏まえてこれから観たい映画:「ジュディ 虹の彼方に」コロナ騒ぎの間に上映終わっちゃってたな。この人のWiki読むだけで映画みたいな人生だなと思っていたので!楽しみ!



はやく映画館行きたいな〜

おしまい!