苦しみぬいた私の視線恐怖遍歴

自信も武器も強さもなかったあの頃…視線恐怖、脇見恐怖、対人恐怖

私の症状は、中学の時に発症した視線恐怖から始まる。14歳だった。

脇見恐怖（脇目恐怖）だった。

隣に視線が引っ張られる。

異様に視界が広がった。

私は壊れたと思った。

どんどん脇見恐怖と視線恐怖がひどくなっていった。

その時をもって、私の未来は完全に潰えた。

ただ悩み苦しみ、傷つき、おそれ、不安にのまれ、自意識過剰に生きるためだけの人生が始まった。

惨めさと劣等感のはけ口なんか何もない。

抑圧と不満がたまり続ける日々。

心が爆発しそうだった。

いつも自分の過敏すぎる神経に痛めつけられていた。

私の視線が人に威力を与えている。落ち着かなくさせている

そう考えるだけで、私はぞっと恐ろしくなる。

このまま生きていていいのかな……と思った。

消え去りたい。自殺は怖いから、雪のように溶けて消滅したい。

誰からも存在を気づかれず、生きてきた痕跡までもなくして、この世からいなくなりたい……

なんで友達も、知り合いも、世の中のすべての人は、悩まないんだろう？

私の悩みを教えてあげたら、みんな悩んでしまうんだろうか。

私は私しか知らない、人生の落とし穴を知っている。

でも皆知らない。

なら、なんで私だけ知ってしまったの!?

視線や人を気にしたら、人生が終わる…それを私は知ってしまった。

皆が離れていく、私も友達を避けていく

友達も面倒くさくなる。気を遣われるとよけいつらい。

人がいるだけで、私は私でなくなる。

早く学校が終わって一人になりたかった。

学校に通うのが憂鬱だった。

長い休みがうれしかった。でも、休みが終わる頃になるとゾッとした。

いつも悪夢を見た。人がいるという夢だけで、私の心が張り裂けるくらい重苦しい。

思えば人によく思われたい気持ちが強すぎた。

嫌われたら終わりだ、まで思っていた。

言いたいことを隠してまで、人に合わせて生きてきた。

いつのまにか自分をなくしていた。

敏感な神経だけが強まっていった。
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私は苦しむために生きているの？

何のための人生だろう。

人から変に思われるためだけの人生なの？

キョドってる私。

そんな価値しかない私の存在っていったい何だろう。

どうして生まれてきたの？　幼い子供の頃の私は、何の悩みを知らずに生きてきた。

あの頃はよかった。何もとらわれずに精一杯生きてきたあの頃。

人、他人、目、眼、視線、脇見、そんなのも気にしたくない！　でも気になってしまう。なぜ！

私だけがなんで悩み続けなくちゃいけないの？

治る手だても何もない。

どんな本を読んでも、ネットを調べても、どんな治療法をやってもいつも期待を裏切られ続けた。

今度も、また効果が現れなかったらどうしよう

それでも良くなりたかった。だからカウンセリングに病院などに通い続けた。

でも時間がただただ過ぎていく。

力のない人たちばかり。それ以上に私の視線恐怖が重いのか。

一生視線恐怖・脇見恐怖におびえ続けなければならない。

目の前が真っ暗になる。希望も未来も何もなかった。

一番貴重な青春の時期が、このことだけに費やされる。

いつも考えているのは視線恐怖という神経症だけ。

孤立無援な私は生きているだけで苦しむうつ病へも陥っていく。
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##親に苦しい胸の内を吐き出してみた

母親に苦しいと打ち明ける。

でもわかってくれない。

心の持ちようでどうにかなるものよ、とまるでわかったものの言い方。

それでも苦しいと、薬を飲んだら？　と言う。

すでに黙って飲んでいた。

話にならなかった。悲しかった

だから、催眠療法（ヒプノセラピー）の話をする。

母親はうさんくさいと思っていたようだ。

母は父親に相談した。

父親には私のメンタルの弱さを知られたくなかった。

ますます惨めになる、萎縮する。

それでもどうしてもヒプノセラピーを受けたいと言った。

父親は私がどんな症状で苦しんでいるのかわからないよう。

でもお金を出してくれた。

本当はバイトをして自分で通いたい。

でも、バイトすらできない対人恐怖のつらさ。

私の視線が人に傷つけるからできない。人の視線や嘲笑や悪意の中で働きたくない。

そんなこと耐えられない。

人がたくさんいるところに出てしまったら、殺される、生きていけない、それぐらいの恐怖心を持っていた。

身がすくむ思いがする。

同じ症状でも耐えながら働いている人、本当にすごいと思う、尊敬してしまう。

当時の私は、これ以上傷ついたら、私はどうなるんだろうと常に怯えていた。

どんな心理療法も効果がなかった

いつも死ぬことを考えていた。

でも親が悲しむ。それに踏み切れない自分がいる。

ヒプノセラピーも視線恐怖にはなんにも効果がなかった。

パチンコ玉の振り子が動いたくらい。

私の自意識過剰が入れなくしているんだ、とわかった。

もう、だめだ。自分では自意識過剰を押さえられない。

インターネットで調べに調べた。

森田療法は入院が怖かった。

精神的な問題で入院という事実が、私の人生に汚点を作ると思っていた。

そこまでなっても、プライドが邪魔をした。

プライドなんていらない。でもどうしてもプライドを持ってしまう。

森田療法なんて退院したら元通りになってしまう、そんな情報もたくさんあった。

催眠もダメ、薬も効かない、なら何があるんだろう。

必死で探した。

でも全くなかった。

時間だけがむなしく過ぎていき、症状はどんどん重くなる。

生きていられないほどにきつかった。

笑った事なんてあれ以来全くない。

とにかく消えてしまいたい。