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富山は水が美味しすぎる その2、大岩そうめんが美味しい(上市町大岩の水、城山の湧水と日石寺の藤水)

2019年に富山に引っ越してきてから数ヶ月後、「大岩そうめん」というものが美味しいらしいとのネット情報を読んだ。私にとって「そうめん」というのは、夏に暑くて食欲がない時に短時間で調理できて、ツルツルと食べられるから食べるものという認識で、お店にわざわざ食べに行くものではないと思っていた。

ところが、この「大岩そうめん」、初めて食べた時は本当にびっくりした。そうめんってこんなに美味しいものだったのか!と。見た目の美しさも特別ながら、つゆのおいしさが格別で、おいしさが体に沁み込んで行くよう。つゆを最後まで飲み干せてしまう。

大岩そうめんは、富山駅から車で約40分ほどのところにある上市町という大岩山日石寺というお寺のある町にある、現在は3つのお店で提供されているそうめんである。元々は日石寺参りをする人のために、そうめんを提供していたことが始まりだそうで、麺を茹でるにも、つゆを作るにも、このあたりの湧水が使われている。このそうめんのおいしさは、この「湧水」のおいしさによるところが大きいようだ。上市町の湧水は軟水で、甘くて、なんとも飲みやすい水だ。細胞が喜んでいる、そんな気がする水だ。

「金龍」「だんご屋」「大岩館」という3つのお店、それぞれ少しずつ味も、メニューも、値段も違う。私は、「だんご屋」のつゆが一番好みで、だんご屋に行くことが多い。ここはだんご屋の所有している山で採取した山菜を使った山菜定食も有名で、春にはとれたての山菜の天ぷらなども出てくる。煮物、漬物、酢の物など、色々に調理された山菜料理は、山菜ってこんなにバラエティに富んでいて飽きずに美味しく食べられるものだったのかと感じる。「だんご屋」という名の通り、だんごも提供されていて、これもまた、美味しい。そしてご飯にせよ、山菜料理にせよ、そうめんにせよ、ああ、この美味しい湧水が使われているから、この澄んだ味なのか、、、と感じる。

「大岩館」は「だんご屋」の隣にあり、こちらは夏に限定で提供される「すだちそうめん」が格別だ。香りの良いすだちの輪切りがたくさんのっていて、透き通った味のお出汁に爽やかな酸味がとてもよく合う。葛切りも提供されていて、これもまた、湧水のおいしさを感じられる甘味である。

「金龍」は、メニューに富山名物のとろろ昆布おにぎりがあったり、雰囲気が親しみやすいので、ファミリー層に人気の高いお店だ。店頭では、そうめんを美しく盛る様子が眺められ、その技術の高さに驚かされる。
(この記事の最初の写真が金龍のそうめんと昆布おにぎりです。)

日石寺は、大きな岩に掘られた「不動明王像」がとても印象的なお寺だ。6本滝では滝修行もできる。6本滝の横には、「藤水」という飲んだり、汲んで持って帰れる湧水がある。私はここの藤水の甘さとやわらかさがとても好きで、ペットボトルなどに入れて、持ち帰っている。


また、奥の院「行基菩薩」のある千巖渓(せんがんけい)も滝と川の流れと美しい苔と、大きな岩が、別世界のように広がっている素晴らしい場所だ。こんなに素晴らしい渓谷が、新幹線富山駅から車で1時間もかからないところで見られるとはといつも感動する。富山の自然の豊かさを感じられる場所だ。


日石寺からほど近い場所に「城山の湧水」という水汲み場もあり、ここはすぐ隣に駐車場があるため、大きな水タンクに水を入れて持って帰る人たちがたくさんいる。ここの水で調理をしたりしているレストランなどもあるようだ。水質は、藤水ととてもよく似ていて、とても飲みやすく、甘く感じる水だ。

上市の湧水でお茶を入れたり、ご飯を炊いたり、料理をすると、やはりいつものよりも澄んだ美味しい味になる。麦茶などはわかりやすく、いつもよりも色が濃く出て味もしっかりしたものができたりする。美味しい天然水をいただくと、細胞が生まれ変わるような喜びを感じる。そして、豊かな自然を体にいっぱい取り込んだ気がして、とてもリフレッシュする。水が豊かというのは、本当に幸せなことだと思う。私が富山を離れたら、おそらくもっとも恋しくなるのは、この富山の美味しい水なのではないだろうか。


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