2024/05/30 競争力CA-日本における外国語教育の是非-

こんにちは!今回の記事は5月30日に行われた競争力のCAについてです。

議題:「日本における外国語教育の是非」

立論者:「外国語教育は不要である」
参加者:「外国語教育は必要である」
の立場で議論を行いました。

記事
2024年5月14日 毎日新聞 「米オープンAI、チャットGPTの性能向上 音声でスムーズに対話」
https://mainichi.jp/articles/20240514/k00/00m/030/012000c

「対話型人工知能(AI)「チャットGPT」を手掛ける米新興企業オープンAIは13日、人間と話している時と同じように自然な音声会話ができる最新の大規模言語モデル「GPT―4o(フォーオー)」を発表した。利用者の音声入力に対し平均0・320秒(最短0・232秒)と極めて短い時間で応答できる。無料ユーザーも利用できる。
 13日にオープンAIがライブ配信したデモンストレーションでは、オープンAI幹部らがスマートフォンやパソコン端末に話しかけ、AIと音声会話をした。あいさつなど日常会話から始まり、AIが画像で示した1次方程式の解き方を解説したり、1年間の気温の推移に関するグラフを読み解いたりしてみせた。
 利用者の求めに応じて声色を変えたり、利用者がきちんと深呼吸できているか判定したりした。イタリア語の会話をその場で英語に訳す能力も見せた。利用者の発言に遮られる形で不自然に言葉が途切れる場面もあったが、全体的に自然な会話となっていた
 GPT―4oでは音声、文章、画像のあらゆる組み合わせの入力と出力が可能。従来モデルでは①入力された音声を文章化②AIが文章を読み込んで返答を文章で用意③文章を音声化して出力――という手順だったため、応答時間が長いうえに声のトーンなどを意味のある情報として認識できなかった。」

 AIによる、即時通訳も可能になった現在、日本において、外国語学習は不要になったのではないでしょうか。


意見

AIの翻訳技術が進化している。
現在、Google翻訳は100以上、DeepLなどのAI翻訳サービスも多くの言語に対応しており、翻訳精度も高いとされている。また、グローバルなコミュニケーションの補助ツールとしても活躍している。例えば、「AI通訳機ポケトーク」は70以上の音声・テキストに対応し、海外旅行での日常会話や医療・法律関係者とのやりとりも可能。他にも無料翻訳アプリ含め多くのものが提供されています。2023年2月時点で150以上ものサービスがリリースされている。

Q 各国の偉い人と話すうえでAIを用いるのは失礼。また、全員が英語を学ぶ必要がない。
A 必要な人が必要な時に学べばいい。
Q もっと早くから英語を学ぶべきなのでは。 
A 使うレベルになってから学ばなければ忘れてしまう。

Q AIを使うための最低限の能力は身に付けなければならない。
A AIは進化し続けており、感情や表情も読み取れるようになっている。使うための能力というのは必要ない。
Q 最低限の能力がなければAIの間違いに気づくことができない。
A それはそうであるが、人間がAIの穴を見抜くことができるかは不明。

学んでも使えない外国語なら、他の学問を学ぶべき。
 特に、日本の英語教育のレベルは、読み書き重視で、学んでも使えない。その時間を他の教育に充てるべきではないか。たとえば、分数や小数が分からない、四則演算ができない、つまり小学校算数ができない大学生が20パーセントもいるという。こちらの方が日本の将来にとり深刻な問題。大学進学率から推定して20歳の成人人口の四割程度が小学校算数を未習熟状態ならば産業全般の国際競争力の土台が危ういことになる。算数教育を優先すべきではないか。

Q 今の日本の英語教育(読み書きが中心のもの)が悪いのではないか。
A 英語学習に時間をかけすぎている。他を伸ばすべき。

日本語を守る
日本語を話すことは、文化の基盤である。
英語化が進み、一部の英語が話せるエリートだけが、資本を持つ社会ではなく、英語は苦手だが、才能のある人が輝ける社会であるべきでは。日本語で、政治や文化が作られている。日本語を学び、守っていくことが必要。

Q 外国語を学ばないということは日本語が守られることには繋がらないのでは。
A 英語を共用化とする企業が増えていて、英語がビジネスの基盤となっている。


予想される反論・再反論

海外の文化に触れることが必要
→異文化交流や異文化理解は必要であるが、言語を学ぶ必要はない。
→翻訳機能の発達により、海外のものも翻訳が可能になった。
 言語を学ばなくても、異文化を学ぶことができる。

Q 言語を学ぶことにより他の国の文化に興味を持つきっかけになる
A AIを使用すれば翻訳のパターンが分かる。
 
Q 日本語はハイコンテクスト。コミュニケーションが価値観に依存。英語はローコンテクスト。アメリカ人は10聞いても1しか理解できない。相手の思考を知るためにも英語を学ぶ必要がある。
A 今の教育ではハイコンテクストというものを理解するに至らない。

グローバル化において、世界中の人とコミュニケーションをとるために、
外国語学習が必要。

→グローバル化が進むからこそ、地域性、独自性が価値を持つ日本語を学んでいく必要性がある。

Q 翻訳機能だけでは読み取れない感情があるため、ある程度の英語力はつけるべき。
A 今の教育ではコミュニケーションを取れるレベルの英語力を身に付けることはできない。

Q 英語を使えないから学ばないというのは教育方針としておかしいのでは
A 英語より優先度の高い科目に学習の比重を置くべき

Q 英語を身に付けなければ就職活動に影響するのでは
A 専門的に学びたければ学べばよい。働きながらでも学ぶことができる。


上久保教授からのコメント
外国語学習はできるところまで上達するべきであるが、最終的には自分が決めるもの。
基礎力が違うのである程度は鍛え上げなければならない。
外国語教育が必要か不必要かではなく、外国語教育のレベルを上げることが必要である。


参考文献

https://www.itmedia.co.jp/aiplus/articles/2405/14/news081.html

https://www.itmedia.co.jp/aiplus/articles/2405/14/news081.html

Wedge.Online 「小学校の英語教育は不要!「日本人は英語が話せなくてもよい!」」(2024年4月28日発行)
・東洋経済オンライン「大学生が「%」を分からない日本の絶望的な現実」(2019年4月25日発行)
https://toyokeizai.net/articles/-/278180
・NHK出版デジタルマガジン「もう語学学習は不要?!AI時代における語学学習の意義」(2023年3月21日発行)
https://mag.nhk-book.co.jp/article/24683
・産経新聞「「英語族」「日本語族」 国の分断招かぬか」https://www.sankei.com/article/20151015-ADD3UCAHEFP7LPBYXK46DC3D4A/https://wpb.shueisha.co.jp/news/society/2015/08/11/51914/

https://wpb.shueisha.co.jp/news/society/2015/08/11/51914/

・内田樹ブログ「英語の未来」
http://blog.tatsuru.com/2017/08/26_1054.html?platform=hootsuitehttps://business.nikkei.com/atcl/report/16/113000186/120800004/

https://business.nikkei.com/atcl/report/16/113000186/120800004/

https://business.nikkei.com/atcl/report/16/113000186/120800004/

https://wedge.ismedia.jp/articles/-/17789

https://wedge.ismedia.jp/articles/-/17789

https://toyokeizai.net/articles/-/652697?page=4



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