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人間にとって大切なこと

「人間にとって、大切なことは何ですか」

そう、聞かれたとき、あなたなら何と答えますか。

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「人間にとって、大切なことは何ですか」

そう、面接官は聞いてきた。

予期せぬ抽象的な質問に私はこう答えた。

「食べること、寝ること、呼吸することです」

試験官はそれ以上聞いてこなかった。

今思えば、「思いやりの心を持つこと」のような、もっと人間だからこそできるようなことを答えるべきだったんだと思う。

まぁ、合格したので、私の答えもあながち間違ってはなかったのかもしれないが。

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結局、人間にとって大切なこととは何なのだろう。

思いやりの心を持つこと、感謝すること、人を信じること…

私の同期達はこう答えたらしい。

大学入試の面接ということを考えれば100点満点の答えだ。

ただ、私としては、当時の私の答えも尊重してあげたい。


私が、「食べること、寝ること、呼吸すること」と答えたのは、無意識のうちに過去のことを思い出ていたからだと思う。

1番人間らしくない生活をしていたあの頃 ー精神科の保護室にいた頃のことである。

当時の私については昔のnoteに書いたが、簡潔にいうと、食事もとれない、薬で眠る、すぐに過呼吸になる、声は出ない、長期間の拘束で筋肉が落ち歩けない、そんな状況だった。

ある日、「食べる、寝る、呼吸する、喋る、歩く。当たり前のことができるようにならないと退院はできないね。」そう、主治医は言った。


私は実感した。

ご飯を口で食べることは当たり前。夜になったら眠るのが当たり前。普通に呼吸して、人と喋って、まっすぐ歩くことは当たり前。

そんな当たり前がどれだけ自分の生活を支えていてくれたか。


人を思いやることだって、感謝することだって、自分にある程度の余裕がないとできないはずだ。

人間にとって大切なこと。

それは、「食べること、寝ること、呼吸すること」

やっぱりこれかなと思う。

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