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自分を客観視する

自分を客観視する。言葉を変えると「己を知る」「もう一人の自分を持つ」ということ。私が普段から意識している重要なフレーズである。

これはいわゆる「メタ認知」と呼ばれるものだ。私がこの言葉を知ったのは2009年に故平尾誠二さんの講演会を聞きに行ったとき。事前に読んだ『人は誰もがリーダーである』という本に出てきたのだ。「小学生の頃から私は、”自分のことを見ている、もうひとりの自分”がいることが不思議でならなかった。ある現象を見ている私を、もうひとりの私が同じように見ているのである」とのこと。

作家の村上春樹さんも同じようなことを言っていた記憶がある。小説を書くときにもう一人の自分と対話をしているのだそうだ。村上さん流に言うと「井戸を掘る作業」というのが、これに当たるのだろう。

私自身は、そんな天才ではないし、メタ認知について専門的に学習した訳ではない。しかしながら、日常、ふと口にしてしまった言葉やしてしまった行為に対して、あれはよくなかったのではないか、相手はどう感じただろうかと、反省することが多い。以前は、くよくよと思い悩んでいるだけだったのだが、メタ認知という言葉を知ってからは、自分と相手との対話を振り返るときに、第三者の自分を思い描き、「彼」に自分自身の言動をチェックしてもらうような感じで、振り返りを行っている。

そんな中で反省すべき課題として挙がってくるのは毎回同じ。「調子に乗って余計なことを言ってしまった」「相手の気持ちの本音の部分を理解せずに上辺だけで対応してしまった」「相手に嫌われたり嫌な奴だと思われるのを恐れて言うべきことを言えずに調子を合わせてしまった」。。。

己を知ること。自分の長所と短所をわきまえること。そのためには、自分を客観的に見ること。客観的に見るために「もう一人の自分」を持つこと。

自分、というと一人の存在だが、人間社会で生きていく上では、他人との関係性がとても重要。その自分と他人との関係を、冷静に客観的に見ることで、きちんとして人間関係を築ければよいなぁと思う。ここでいう「きちんとした」の意味は、お互いがお互いを尊重し合い、言いたいことは主張しつつも、相手の意見も受け入れる状態のことである。

とはいえ人間は弱いもの。なかなか自分自身では気付けないことが多いので、苦言を呈してくれる友人を持つことが重要なのであろう。

「リマインダー」というのは、やるべきタスクなどを忘れないようにするためのツールだが、気持ちの持ち方にも使える。大事なことを紙に書き留めておく、自分がおかしい言動を取ったときに指摘してくれる友人を持つ。こういったことも、重要なリマインダーなのだ。

自分を知るとともに、自分の弱いところはリマインダーを使って補うようにすることも、ひとつの知恵である。

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