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「異常」を知る為に「正常」を知る

私は読書が好きであり、その分、言葉にも敏感だと思っている。読書から得た知識も重要だが、様々な人と接して、そこで語られる言葉も大切。これまでに、諸先輩方から頂いた言葉を書き留めてきたので、その一部を紹介してみたい。

・リスクやミスを未然に防ぐ為には、異常値を「オカシイ」と感じるアンテナが必要。しかし異常というのは個々に発生する現象であり、無限であるため「異常」そのものを知ることは大変困難である。よって、異常を知る為には、まず「正常」を知ること。この為にも、世の中の一般的な事象をひとつでも多く知ること。

・軸のぶれない判断・管理が必要。常に原理・原則は何かを自分に問いかけること。私情や私欲が入っていないか? 不自然な状態ではないか? などを問いかけること。

・量より質。忙しいから良くやっているとは言えない。効率重視を徹底すること。

・人は弱いもの。失敗や出来心がおこらないような仕組みを作ること。間違いと不正は大きく違う。不正をおこさせないような厳しい管理が、突き詰めると人に優しい企業となる。

・自分の頭で考え抜くこと。その為に知識は必要だが、知識一辺倒で「知恵」を忘れてはいけない。

・戦略は絵に描いたモチになりがちだが、コストは真実として企業にのしかかってくる。コストの管理なくして、利益はない。

・会社経営をしていれば、リスクはつきものだが、初動対応をどうするか、いかに全方位的に考えて次のアクションへの準備を怠らないかが重要。

・過去のこと、起こってしまったことに対しては、「しょうがない」と腹を括りつつ、将来へ向けたアクションは怠らない。ダメ元でも、やれることを1つ1つ潰しこんでいく。そういった地道な作業が報われるときがくるのだ。

・世の中、全てがうまくいくとは限らない。むしろ、うまくいかないことの方が多いので、期待をし過ぎないこと。かといって、諦めるのではなく、じゃあどうする、と前向きに考えることが必要。

・部下と接するときは「分かり易く」発信していくこと。このくらい言わなくても分かるだろう、ではダメ。昔は口伝が主だったが、今はそのようなやり方は通じない。特に若い世代、海外の同僚などへのメッセージはできるだけ文書化して発信する必要がある。

・世の中のニュースや会社内での力学に共通しているのは「損得勘定と既得権益」である。そういったものに振り回されないよう注意をしつつ、一方で人間の深層心理というものは、損得勘定と既得権益で占められていることが多いので、そのような感情の動きも意識しながら、仕事を進めるように。

・「伝統」を守ることは大切だが、そのためには「革新」が必要。何も変わらないと、伝統は廃れていってしまう。

・困難から逃げてはいけない。努力は継続しなくてはいけない。

・従来、職人技のように「見て盗め」と教えられてきたものを、分かりやすく分解して若い人たちに伝えていかなければならない。

・今の若者が元気がないのは日本が恵まれすぎていて、便利すぎるからかもしれない。何一つ不自由しないのに、わざわざ言葉が通じない外国へ行くのは億劫なのであろう。とはいえ、そんな中にも非常に優秀な層がいる。コミュニケーション能力も高く、海外でもやっていける人材がいる。しかしながら、残念なのはそんな彼らもゴールを目指す際に回り道をせず、直線的な道を選びたがる直線的思考が多いこと。馬鹿がやれる人も必要なのである。

・体育会系運動部の経験者の一番の強みは挫折を知っていることだと思う。試合で負けることなど他人から見たら他愛も無いことかもしれないが、その時の自分達にとってはそれが全て。そんな中で大事な試合に負けてしまったり、レギュラーメンバーに成れなかったりというのは一つの挫折である。この挫折をバネに這い上がってこられるかが重要。優秀な若手ほど、挫折を嫌がる傾向にあり、彼らが経営者になったときに、果たして経営のプレッシャーに耐え切れるであろうか

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