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読書の臨界点

読み終えた本の数が1500冊を超えた頃から、ちょっとした疲労感を感じるようになった。その頃から意識的に、あえて自分の身の丈よりも少し上のレベルの本を手元に置くようにしているから余計にそう思うのかもしれないが、読書が趣味ではなく「訓練」になりつつあるのを感じる。

また、特にビジネス書に関しては、もちろん最新の会計の動向、技術動向、国際情勢などを学び続ける必要はあるものの、新刊のベストセラーになるようなビジネス書では、それほど大きな気づきを得られなくなってしまった。世界がひっくり返るような理論が、そう頻繁に起こることなどあり得なく、日々出版されるビジネス書はだんだん「どこかで聞いた話」になってしまうのはやむを得ないことであろう。

私は、自分の発想を根本から変えるような新しいアイデアを求めて読書を続けていると言っても過言ではない。へぇこういう考え方があったのかとか、こういう概念があったんだ、という気付きを求めて。

しかしながら、残念なことだが、そういった刺激を得ることが少なくなってしまっている。ある記事で読んだのだが、ビジネス書というのは、だいたい1000冊読むと費用逓減の状態に陥ってしまうとのこと。つまり、どこかで読んだ内容が増えてしまい、新しい知識を得る機会が少なくなっていくということ。

そう考えると、そろそろ読書スタイル、いや生活のスタイルを変える時期なのかもしれない。もちろん、まだまだ知らないことは多いので、読書は続けていくつもりだが、これまでの「量」に頼った多読から、「質」を高める精読へ変えていきたいと思う。

また、読書そのものに対して割く時間を、健康・語学・思索などの時間に配分し直すことも必要であろう。特に、今までの読書を活かして、もっと深く物事を考えることが肝要だと考える。大量にインプットしてきたものをキチンと咀嚼して、アウトプットを増やすこと。これが当面の課題であろうか。

一方で、今まで学んできた知識の棚卸も必要であろう。会計関係を中心に、一度学んだものの、さび付いてしまっている知識も多く、記憶し直す必要がある知識がたくさんある。また、自分の持っている知識が古くなってしまっており、アップデートが必要なものもあるだろう。こういった知識の棚卸をきちんと為しておくべきである。

長年、読書日記を書いてきて、ミステリー、歴史小説、ノウハウ本、ビジネス書、歴史・国際情勢、と興味やテーマは自分の年齢に合わせるかのように移り変わってきた。今ではよく覚えてすらいないが、何となく、転換点といおうか、節目のようなものは、その時その時で感じてきたように思う。まさに今この時も、自分の中での「転換点」だと感じている。

考え方を変える、スタイルを変えるというのは、とても勇気のいることだが、定期的にかつ意図的に自分を作り変えていかないと、時代についていけなくなってしまう。

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