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2017年、臨時総会(1回目)の準備を進める

臨時総会の開催日である8月6日が近づいてきました。
わたしたち管理組合や大規模修繕委員会の動きも俄かに慌ただしくなってきました。

誰からどんなことを突っ込まれるかわからない状態だったので、あらゆることを想定し、事前に不安要素を潰していきました。

たとえば会議室代。
少しでも出費を抑えようと、今回はこのときは近所にある格安のレンタルスペースを借りました。ここはふだん借りる会議室の半分ほどの値段でしたが、いつも借りている会議室よりあけすけな感じでした。
(費用は抑えられたのですが、それはそれで後日突っ込まれる原因になりました。)

当日の私の役目は、次のようなことを委ねる理事長を側面からサポートすることでした。
すなわち、
・NPO法人の手助けを有料で受けることを伝えられなかった大規模修繕員に対して行き届かなかったことを謝罪
・サポートを依頼するNPO、マンション管理ネットワークの役割を説明
・今後どのように大規模修繕を進めていくかを公約
・7月23日に選出した会社にコンサルタントを依頼してよいかどうかを諮る(これが今回の唯一の議案)

わたしは補足として、もう一度コンサルタントを導入するメリットデメリットも伝えようと考えていました。

そしてもう一つ決意していたこと。
それは、なるべく自分のしんどさやK氏I氏に対するイライラを隠し、明るく、元気よくこのことを話そうということでした。

“これは仕事と同じ。個人的な感情は無用。淡々とこなそう”

そうやって気持ちを切り替えていかないと、プレッシャーに押し潰されそうでした。実際、この頃からわたしの左耳は、昼も夜も絶えず耳鳴りがしはじめていました。

臨時総会の日に、K氏が果たして出席するのかも理事会や修繕委員の中ではホットトピックでした。
果たせるかな、K氏から届いた出欠票は“欠席”。議決権は行使し、反対に一票。
またもK氏にははぐらかされたかたちになりましたが、反対は反対で結構、顔を見なくて済むならそれでよし、という気持ちでした。

そして監事I氏は委任状を提出し当日は欠席でした。基本的に委任状を提出すると議長に一任ということになり、その票は議長の意思どおり投じられることになります。しかしI氏はこの臨時総会の後、とんでもない荒業に出てきます。

その話は一旦置いておくとして…。

ちょっと話題を変えましょう。
マンションの大規模修繕でいったいどんなことをやるのか?

工事の内容について、前回の面接を踏まえて内容を少しお話しします。

初めのころにも書いたかもしれませんが、マンションの大規模修繕で行うことというのは建物の“外側”に関する修繕が主になります。
だいたいはこんな感じでしょうか。
・外壁の補修(外壁がひび割れたりタイルが浮いていたりするのを補修。これが恐らく一番重要)
・共用部(廊下やロビー、駐車駐輪場の床面や壁面)の補修
・屋上防水(屋上部分はたいてい防水処理がしてありますが、太陽光線や風で劣化し、雨漏りの原因となります)の改修
・その他防災に関する設備などの補修(うちの場合は消火栓ボックスやベランダの避難はしごなどが該当しました)

マンションなどの建物で経年とともに外壁などが傷むと、心配なのは屋内への水の浸入です。まずはそれを遮断することが大規模改修工事の肝と言えると思います。

これら以外に私たちのマンションには給水方式の変更問題というのがありました。
昨年の秋、管理会社が一番最初に持ってきた概算見積もりには、上記のような工事に加えて、給水方式の変更提案が含まれていました。

現在建築されるマンションは、基本的に「直結給水方式」という、受水槽や高置水槽が不要の給水方式が採用されています。この方式は、給水管から直接、各戸に水が届きます。
築30年になる私たちのマンションは今なお、上水管から引き込んだ水を一度敷地内の水槽に溜め、それをモーターで屋上に揚げ、さらにそれを重力で下階に落とす、という原始的な方法で各戸に給水しています。
タンクは清潔を保たなくてはならないので定期的な検査や清掃が必要ですし、なによりぶっちゃけ、“溜め水”を利用していることにほかなりません。
なので「直結給水方式」は公的な上水管から新鮮な水を得られるという意味でも、とても魅力的なのです。
もちろんわたしだって、できるものならこれにしたい。

揚水・高置水槽方式は重力任せの水圧になるので、当然、上階の区分ほど水圧が弱いという現象がおこります。うちもそうで、上階の区分所有者の方にとって水圧が弱いことはかなり気になることです。

わたしがこのマンションに越してきた時から「水圧が…」と上階の一部の区分所有者たちはことあるごとに言っており、どこで聞いてきたのか「直結給水方式にしたら水圧が劇的に変わる」と、総会があるたびに言う人がいるのもわかっていました。

そのことを覚えていた管理会社が、今回の大規模修繕にこの直結給水方式への変更も追加で提案してきたのです。

た・だ・し

費用がべらぼうでした。
概算でもざっと4桁万円台の数字。
とてもじゃないけど、大規模修繕工事に含められる価格ではありません。
この費用をべらぼうと言ったのは、近隣にある築年数も同じくらいのマンションが、この頃直結給水方式への変更工事を行っていたからです。その費用がだいたい3桁万円台だったと、キヨタさんは言います。

「僕もおかしいと思うんです。こんな額になるかあなと…」

管理会社が同じグループのデベロッパーに作らせた概算見積もりでしたが、作った工事部の人物さえそう言いました。
工事部系の人間さえ首を傾げる価格なのですから、想定外もいいところだったのでしょう。
土中のことはわかりませんが、何か(の管?)が、マンションに届く前で緩衝しているのだろうということでした(が、詳しく調べたわけではありません)。

さて、臨時総会の話に戻ります。
K氏は出席しないとはいえ、「水圧水圧」と言い立てる住民はK氏派でした。仮名も付けたくないくらいジコチューで最低な人物です。
この人物が、もしかすると何かK氏に言い含められて臨時総会に挑むかもしれません(この人物が出席なのはすでにわかっていました)。

とにかくどんなところから弾が飛んでくるかわからない状況です。ハリガネムシのようなK氏が、この人物の奥深くにも入り込んで操っていたら、水圧のこともまた言い立てられる可能性がありました。

わたしは臨時総会前に有給休暇を取り、市の水道関係の事務所を予約して訪ね、給水方式の変更について相談にも行きました。
市の水道関係の事務所は、あらかじめ時間を予約までしていったのに恐ろしくいい加減なものでした。

アポをとって訪問したのに、その場の誰もそのことを知っている様子はありませんでした。出てきたのは若い兄(あん)ちゃん。
彼なりの誠実さで対応はしてくれましたが、資料を見せられ、直結給水方式の仕組みやメリット・デメリットを示されましたが、わたしたちが今回この工事を見送るための援護射撃となるような材料は得られませんでした。

自分のマンションになぜ高額な見積もりが出るのか。それはまた別途確認する必要があると言われました。たらい廻しです。
見積もりや調査は有料の場合が多く、役所では業者の紹介はしてくれません。

いま手ものと資料をめくると、この件についてマン管ネットのサトウさんの手も煩わせたことがわかります。サトウさんからも丁寧な資料が
臨時総会を前にして、ありとあらゆることを想定し、準備し、答えを用意しようと走り回っていました。
こうしたわたしの予想は無駄ではなかったことが、当日わかります。

そして8月6日がやってきました。



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