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ネットができる時点でみんなナカーマなのである
「どん底を経験しました」
という人はとても多いです。何かに失敗した、会社を辞めた、病気になった、離婚をした・・・たしかに主観的にみればそれはどん底なのかもしれません。ネットにはそれをストーリー化した『どん底コンテンツ』があふれています。
私が今までお会いした中で、一番、「こ、この人はなんのために生きてるのだろう?」と思わされた人がいます。その人は心の病があるんですね、そして生活保護を受けているんですけど、まあとにかく嫌われるんですね。どこにいっても他人とうまくやれなくて、あちこちの障害者施設でトラブルを起こし、居づらくなってあちこち点々としているんです。
そして、もう地元の障害者施設は行き尽くし、行くところがなくなってしまったみたいなんですよね。じゃあいまどこにいるかというと、スーパーの自動販売機の前にあるベンチに一日中座って、ぼーっとしているのだそう。精神疾患の生活保護者だから、働く必要はなく、毎日スーパーでぼーっと。
その話を聞いて、「生きるって何だろう」って思っちゃうんです。私考え過ぎの側面はありますが。想像してみてください。まだ40歳なのに、朝起きて、スーパー行ってベンチで座って、1日の終わりを待つ、ひとりぼっちで。ずっと変わらない自動販売機を見つめて。
そういう人はインターネットすらできません。本当のどん底の人はきっとインターネットには出てこず、ネットができる時点でみんなナカーマ(仲間)なのではないかなと思ってしまいました。
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