加工食品を汚して検査する意味(つづき)

加工食品を対象とした(基本は液体調味料の)製品検査は、殺菌条件を含めた製造条件や設備機器など、込みこみの評価ということ。

それに対してわたしがこのnoteで中小企業に提案する「汚してすと」とは、純粋に中身の原材料の配合組成だけで、どの程度安全なのかということ。
その安全を数値化することで、感覚ではなく具体的なものとして、意見交換や比較検討がしやすくなります。


製品検査だけだと、なぜ不十分と考えるのか。
それは、製造したそのときの人や作業方法など、当日の状況の影響を加味した結果だから。
たとえばある開発品の製造結果が「合格」だとしても、
通常の製造より、菌に負担がかかる何かを “がんばった” からなのかも・・、
或いはほんの少しの洗い残しが致命傷となる「超リスキー」な商品かも・・、

誤解してほしくないのは、「製品検査ははあてにならない」「現場の活動はあてにならない」といっているのではないということ。
製造を記録したり、従業員を教育したりするなど取り組んでいるとは言え、人が介在する以上、ゼロではない可能性を考慮し、製品の安全を意識したチェックポイント(=安全装置)を複数用意し備えませんか、ということです。


ただしこの私が便日上言っている「汚してすと」は、ここまで読んでくださった方が想像する通り手間がかかります


中小企業の方にお尋ねします。

基準内とはいえ、この商品なにかと菌が検出される頻度が高いなぁ・・
○年分の集計をしてみたら、菌が疑われるクレーム、この商品に偏ってる!
常温でも大丈夫?と訊かれたら、感覚でしか答えられない。
原材料構成が全く違う商品Aと、どちらの方が安全?と訊かれても困る。

そんな商品ありませんか。そんな企業にお薦めです。

品質の共通条件、傾向がわかれば、今後の開発段階で活かせます。
安全面を考慮しての発売是非の判斷を、感覚で下すことがなくなります。(人に依存することがなくなり、企業ノウハウとして蓄積されていきます)


自分の立ち位置で全体を語ることはできませんが、大抵の大手メーカーならこの類の検査を、やっているのではないでしょうか。

その企業で単離した特定の菌株であったり、購入した指標菌を自社で複数株を保管管理するのは、中小企業にとって酷だと思うので、中小企業もできる簡易版を開示していきたいと思っています。


この「汚してすと」、指標としての効果を実感するのは、300商品分が集まった頃から実感してくると思います。
それまで開発者の「経験」と「舌」の見解が絶対だったものが、「菌検結果・配合・測定値(・過去のクレーム)」に裏打ちされた「汚してすと指標」の見解も無視できなくなってくることで実感してきます。

700あたりから対等から逆転する機会が増えてくる印象です。

*発売への勢いが暴走に変わりそうな時の、ブレーキ役が多いですかね。
 問題解消のための配合提案が大抵セットです。
 その解消提案を考慮した味に開発(と購買)が修正する流れでしょうか。



300も集めて、更にその情報価値を社内で磨いていくなんて、できない・・・。
そんな企業も含め、ゆくゆくは中小企業のメーカーをつないでいきたいと思っています。

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