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「公益財団法人」って何? エキスパートにインタビュー

公益財団法人とは、2008年12月1日施行の「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」に基づいて設立された「公益事業を行う法人」です。

公益財団法人は、いきなり設立することはできません。従来の財団法人から移行するか、もしくは、まず一般財団法人を設立してから移行するか。公益財団法人は一般財団法人とは異なり、複雑な手続きが必要なのです。

それでも「公益財団法人」には、大きなメリットがあると言います。

この「公益財団法人」とは、そもそもなんなのか。
そもそもどんなものなの?
どんな人が設立するといいの?
設立するにはどうしたらいいの?

疑問だらけの「公益財団法人」、何なら詳しい人にすら出会えません。
そこで、やっと探し出したエキスパートに箕輪 厚介が迫ります!!

審査の合格率は3.4%!文化活動を支える「公益財団法人」

箕輪
ざっくり、基本的なことから聞きます。名前だけは聞いたことあるんですけど、「公益財団法人」というのは具体的にどういう団体で、どういうことをやるんですか?

エキスパート
そもそも、日本の公益法人制度は明治29年の民法制定とともに始まりました。江戸時代が終わって明治時代になった時、各藩の財源は非常に不安定でした。そんな中、文化活動はどうするのかということで、フランスとドイツの財団、向こうでは「FOUNDATION(ファンデーション)」というんですけど、あちらの法律を真似して「公益法人」が生まれました。明治政府もまだまだ不安定な政府で、各藩でその文化活動を支えるしかない。地域の文化活動を助けるために、非課税で活動できるようにしましょうという感じですね。

箕輪
そこから時代は流れて、今ではどういう風に機能しているんですか?

エキスパート
2008年より前は「旧法」、2008年以降が「新法」と言われています。機能としましては基本明治以降と全く同じなんですが、財団法人をあまりよろしくない使い方をする人もいらっしゃいまして。いろいろなスキームを使って、節税やら脱税やらですね…。2008年以前はそういったものが言わば玉石混合状態だったので、2008年の新法以降、きれいにしようじゃないかと。

箕輪
財団法人がいろんな隠れみのになってたってことですね。

エキスパート
そうですね。新法では、二階建ての制度になりました。最初が一階部分で、一般財団法人をまず建てます。こちらは結構簡単で、普通の株式会社と同じような仕組みで税制優遇は特にございません。その後、二階建ての部分に行きたい場合は、認定法に基づき公益認定を受ける。この認定を受けた法人だけが、「公益財団法人」と称することができます。この審査の合格率は大体3.4%です。いろいろな公益財団法人があったんですけれども、それらが一回全部スクリーニングされて、本当にちゃんとやってるかどうかというのを全部審査にかけて、それを通った公益財団法人が現在、900件と言われています。

箕輪
意外と少ない!

エキスパート
そうですね。例えば、東京オリンピックパラリンピック組織委員会なんかもあります。正式には「公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会」と言って、新法で設立された公益財団法人なんです。

箕輪
なるほど。

エキスパート
その中の900件なので、ファミリー財団となると、実際はとても少ないんです。私どもは、公的なものではなく、主にファミリー財団の設立のサポートを専業として40年ほどやっています。

相続税の負担は55%!税金として還元するか、自分がコントロールできる範囲で世の中に還元するか


箕輪
公益財団法人はどんな人がやるかというと、創業者とか、代々受け継がれてるような家族経営でも、規模が大きい会社がやるっていうイメージですよね。

エキスパート
おっしゃるとおりです。それはなぜかといいますと、事業がうまくいってある程度の規模になると、上場企業・非上場企業に関わらず、株式の評価額が非常に大きくなります。キャッシュはそんなに持っておらず、株式のウエイトが大きいというケースが多いんです。

箕輪
基本的にはそうですよね。じゃあ、どんな人が公益財団法人を持つといいかって言うと、株式で資産をたくさん持っている方。

エキスパート
そうですね。最低50億以上なのですが、平均するとやっぱり100億以上になりますね。ミニマムが50億円といった感じです。

箕輪
なるほど。

エキスパート
なので、いざ相続のイベントが発生した時に株式をどうするんだ、となってしまうんです。相続税は基本、55%を国に納めるという仕組みで、しかも10ヶ月以内に納めなきゃいけません

箕輪
10ヶ月なんだ!

エキスパート
そうなんです、10ヶ月です。その10カ月の間に、総アセットの55%を現金化しないといけない。

箕輪
相続が決まった段階で、資産の55%を納めなきゃいけない。資産家の息子が急に相続が決まって55%を納めないとってなると、株しかない。例えばそれが50億円だと言われて、相続したものの内、55%を売却して現金で納めなきゃいけない。そうなると、意思もなくそれなりに大きい株を市場に放出しないといけなくて、創業者の支配力が弱まりますよね

エキスパート
おっしゃるとおりです。

箕輪
で、それを避けようとすると、自分たちの家なりなんなりを売らなきゃいけない。

エキスパート
そうです。現金とか持ち家とか。やっぱり、55%は非常に負担が大きいんですよね。半分以上持っていかれるというわけなので、非常に重たい

箕輪
ほぼ株でどうにかしなきゃいけないから、創業一家とかファミリーの支配力が一気にダウンする。会社が、自分たちがやりたい方向性とは違う方向にならざるを得ない可能性があると。それは、リスクですよね。

エキスパート
特に百貨店は、まさにそのケースですね。だから代々対策を練っていかないと、創業家一族の株の持ち分が1%未満になってしまったりする

箕輪
どんどん薄まり続けるってことですよね。相続をする度に半分持っていかれる。別に当たり前のことですけど、税金を納めるというのが義務としてあると。その義務の執行の仕方によって自分たちの会社の支配権を薄めることになる場合に、果たしてそれが正しいのかという。そういう疑問を持った時、一つの解決策として公益財団法人というのがあると。

エキスパート
おっしゃるとおりです。一般的には、株式上場する際に資産管理会社を設立するのが通常なんですが、そうだとしても、やっぱり税金が20%は取られるんです。要は、55%かかるものが20%になるだけです。パーセンテージが下がるだけですよね。

箕輪
ですね。だから大きな考え方としては、一つは相続税という税金の形で国に還元するのか、もう一つは公益財団法人をつくって、自分たちがコントロールできる範囲で世の中に還元していくかということですよね。

エキスパート
そのとおりです。

公益財団法人は設計が肝!いかにミニマムにはじめるか


箕輪

公益財団法人では、具体的な事例とか含めてどんなことをやっているんですか?

エキスパート
一般的にあるのは、奨学金。これが公益財団法人の9割を占めます

箕輪
いわゆる奨学金といわれているものは、基本的には公益財団法人がその支援をしていると。

エキスパート
おっしゃるとおりです。他に、例えばある公益財団オーナー様だったら、主に芸術家の育成をやりたい方なので、芸大の芸術家の卵たちに展示会を開催する資金なんかを援助しているという感じですね。

箕輪
その援助の規模とかというのは、決まりがあるんですか。どれくらい最低やらなきゃいけないとか。

エキスパート
運営費の5割以上を公益活動に使いなさいというルールがあります。運営費は、会社を運営する場合のランニングコストと同じで、例えば、公益財団法人だったら、最初に入れた運営費の1,000万円のうちの5割以上は公益活動に使いなさいと決まっています。残りの5割未満が事務管理とかオフィス代とか給料とか、運営として使っていいお金です。

箕輪
運営費の最低が1,000万で、その5割以上が公益的なものに対する活動に使えと。

エキスパート
ここはちょっとノウハウの部分ではありまして、他の大手税理士事務所で公益財団法人を設立するとなると、運営費が大体最低5000万から1億とかの設計になるんです。

箕輪
それは何でなんですか。

エキスパート
旧法の名残でして、彼らは基本あまりノウハウを持ってないので、旧法通りにやりましょうという感じになります。ここで何の問題が生じるかと言いますと、箱の大きさというのは大きくはできるが小さくはできないというルールがあるんですね。

箕輪
翌年、方針が変わったから小さくやるというのはできないんですね。そうすると、景気の変動なんかで状況は変わるし、首しめられちゃいそうですね。それは怖いな。

エキスパート
怖いです。だから、最初はミニマムでやるのがベストです。1億で運営費を設計して、翌年度にリーマンショックのようなものが来て、経済状況が怪しくなった。その状況で翌年も運営費に1億円を出せるかっていうと、ちょっと厳しい企業さんもありますよね。公益財団法人はやっぱり法人になるので、本業がうまくいかなかったら公益財団法人の認定取り消しみたいなことが発生します

箕輪
じゃあ、共倒れみたいなリスクもあるんだ。

エキスパート
そうです。なので、設計をどこに頼むかがものすごく重要で。ここの設計ノウハウが非常に肝になってきます

実績は「平均6カ月、実績100%」!意思と手触り感を持った資産の活かし方

箕輪
結果的に「相続税対策」みたいな見え方もあるけど、自分の見えないところで何に使われているか分からない税金として相続税を納める、というのも一応方法としてはあるけど、公益財団法人という方法をとれば、大きなビジョンとかポリシーとして、自分の支援したいところに自分の資産を使える。アメリカとかでいえば、ビルゲイツの財団みたいなのと近いといえば近いんですね。

エキスパート
同じです、同じです。基本は、欧米のカルチャーを日本に取り入れたっていうのがルーツなので。

箕輪
なるほど。世の中の流れ的にそういう風な道が広がった方がいいという声も聞くんですけど、今はそんなに広がっていない感じなんですか。

エキスパート
広がっていないですね。なので、私どもは一応業界トップシェアなんですけど、ググっても何も出てこない。

箕輪
そこのハードルというか、ボトルネックになっているのはどういうことなんですか。

エキスパート
端的に言うと、「税理士ブロック」ですね。それは何かというと、大手の税理士法人さんは、相続税がメインディッシュになっているんです。担当する企業に対して税務会計や監査などをやるじゃないですか。そして最後、オーナーさんが亡くなった時に相続税対策として3%をいただくというのが大手の税理士法人さんの商売になっています。

箕輪
なるほど。ちょっとしたテクニカルな節税とかを提案することによって、相続税の総額の3%をもらうというのが最後のメインディッシュ。そういうことですよね。

エキスパート
そうです。色々な業務を請け負うけど、最後にいただく3%の金額が大きければ大きいほど彼らは潤うので。公益財団法人を建てられてしまうと、商売的に儲からないんですよね。
だから、大手税理士法人さんは、確かに公益財団法人というメニューは存在するんですけどあえてご提案しないんです。オススメメニューとしては出さない。

箕輪
そりゃそうですよね。自分たちのメインの仕事のライバルみたいな関係ですもんね。そういう状況下において、公益財団法人に興味があるみたいな人たちは、まずどういう手段で始めればいいですか。自分がそこに該当するかどうか調べたり、実際に設立したり、どう進めたらいいか。

エキスパート
そうですね。顧問になっていただいている大手税理士事務所に聞くというのが最初のステップだと思いますが…。それで変にお茶を濁すような感じでうやむやになってしまったら、やはり餅は餅屋じゃないですけど、私どもを訪ねていただけたらいいかなと思います

箕輪
御社と一般的な税理士の、公益財団法人を作る上での違いというか、強みみたいなのはどこですか。

エキスパート
強みは、まず弊社では実績が100%です。公益財団法人の認定って、3.4%しか通らないんです。大手税理士法人を使ったとしても3.4%なんです。

箕輪
基本的には通らない。

エキスパート
基本は通らないですね。なぜかというと、いっぱい通ってしまうとやっぱり国としては困るわけです。

箕輪
かつての隠れ蓑に使われていた時代に戻っちゃうということだから、厳しくしていると。

エキスパート
そうですね。そこで、弊社の強みとしては、受けた案件は100%というところが一番です。

箕輪
逆にいうと、受けていただけるかのハードルも高いってことですよね。

エキスパート
そうですね。ある程度、認定される条件等がわかっていますので、資産条件とか犯罪歴がないかとか…、そういう条件を確認させていただいた上で、この方だったら公益財団法人を建てるに値するという場合にお受けしています。

箕輪
なるほど。秘密の領域なのかもしれないんですけど、真っ当な創業者とか起業家とかで、基本上場とかしてたら犯罪歴もないし、まあ資産もちゃんとあるじゃないですか。そういう中でも、大手の税理士法人さんにお願いしても審査に通るのが3.4%というのは、どこが引っかかってるんですね。

エキスパート
大手の場合は、さっきも説明した通り設計図が違うんですよね。旧法の名残があったり、そもそも彼らに公益財団法人を設立するインセンティブがないので、エキスパートがいないんです。ノウハウが蓄積されてない。

箕輪
昔からのざっくりとしたものを提案して、でも、これってこの会社のポテンシャル的にずっと維持できるの?みたいなところではねられちゃうみたいな。

エキスパート
そうですね。本当に、国としては未来永劫続いてほしいんですよ。それなのにアバウトな設計図を持ってこられて、本当にどんな経済状況下でも公益財団法人が永続可能なのか、いろんな角度から質問がくるので、それに適切に回答しないとはねられちゃうんですよね。かなり何回も突っ込んでくるので、例えば、長者番付Top3のある方も、公益財団の設立に5年かかったんです。

箕輪
〇〇さんレベルで!それでいうと、御社に頼んだ場合でも大変だと思うんですけど、ざっくりした期間って、どれくらいなんですか。

エキスパート
平均6カ月。

箕輪
早。

エキスパート
平均6カ月で100%です。それで、コンサルティングフィーが5,500万、完全成功報酬型です。

箕輪
それは認可が下りた時、初めて発生すると。

エキスパート
一応先にはお支払いしていただくのですが、仮に認可が下りなかったら、無利息ながら全額お返しいたします。他のところに頼んでも完全成功報酬型ではないので、やはりコストが変わってくるかと。

箕輪
そこ、大きいですね。

エキスパート
弊社は絶対100%できるという自信があるので、そういう体制にしています。あとは、アフターサポートですね。公益財団法人を設立できても、じゃあ実際どうやって運営すればいいの?となってしまいますから。

箕輪
認可おりた後、じゃあさよならって言われると困っちゃいますもんね。

エキスパート
設立後もずっとサポートさせていただきます。コミコミの値段で5,500万なので、非常に良心的かなと思います。

箕輪
なるほど。何か他にもこういう魅力があるというのがあれば、最後に聞かせてください。

エキスパート
公益財団法人は、自分の趣味を拡張できるんですね。例えば絵画が好きだったら、オークションのクリスティーズとかサザビーズとかに絵を欲しいですといっても、差別のようなものがあっていいものは買えないというのが現実らしいんです。でも、「ファンデーションの〇〇です」となると、全然待遇が違うと聞きますね。欧米では、株式会社の上に資産管理会社か持ち株会社があって、ファンデーションはその上に来るんですよね。資本主義のピラミッド構造でいくとファンデーションが組織的には一番上なんですよね。

箕輪
面白い。

エキスパート
「ファンデーションを持っているんだ」という意識で見られるので、上の方のネットワークがつながりやすい

箕輪
ああ、そうですよね。一気にコネクションができるって言いますもんね。訳わからないところに自分の莫大な資産がいくより、手触り感を持って自分が良くしたい世界に自分の意思で近づけられると。起業家とかはそっちの方が好きな人は多そうですよね。

エキスパート
そうですね。ビジネスの世界で成功したその次のセカンドステージでは、どういう感じで公的にインパクトを与えるかということなのかなと思います。

箕輪
ありがとうございました。

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様々な経営者の書籍編集、コンサルティングを重ね、良質なネットワークを築いてきた弊社では、その人的資産を世の中のために使うべく、公益財団法人の設立サポートを行なっております。

今はまだ、日本において主流ではない公益財団法人ですが、資産家の方がご自身の資産を日本のため、世界のために還元する方法として普及していくことを願っています。
創業者、経営者の方々が自分がいなくなったあとも自らの使命を持続的に実現していくひとつの方法として公益財団法人の設立をサポートします。

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https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000033659.html

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