「かわいい」を諦めろ

5年前、大学生の私は「かわいい」って言われるために生きていた。

フリフリの服を着て童顔を武器にロリを気取ってキャラを作った。The 若気の至り。

当時の私は顔を売る人気商売的なことをやっていたので、かわいいって言われることで承認欲求を満たしていた。

インフルエンサーになりたい人があまたいる世の中には、私と同じような人が山ほどいるんだろう。

インフルエンサーになりたい人でなくても承認欲求で苦しむ人たちはたくさんいる。特にネットは。

でもインフルエンサーのような、人気商売は絶対にしんどくなる。

私は誹謗中傷はほとんどなかったけど、ネットと現実の差のストレスにやられた。

知らん人に媚び売って、あーー、私は何をしているんだろう。

かわいい人であろうとして、化粧して盛れアプリで自撮りしてSNSにあげる。

会ったこともないネットの人でもいいから、かわいいって思われたい。

あー、もうやめだ!やめ!!

って就活のタイミングで突然かわいいを活動休止にした。

しばらくはかわいいに未練があったけど、スマホから盛れアプリは消えて、化粧もほぼしなくなった。

化粧しないって女としてどうなん?という話は高めの棚に上げさせてもらいたい。

それからは社会人としてちゃんと働いた。昇格したり資格取ったりしたけど、社会のレールに乗りかけて気づいた。

このレールに乗ったら、、、いかん!

このまま流されて生きてたら全部決められちゃう。自分じゃない誰かに全部人生決められちゃう!そんなわけないけど、そう思った。

やりたいことやらなきゃ!

ただでさえ私の手のひらに彫られた生命線は短いのだから。

それから自分の好きなことをした。

ブログ書いたり旅行に行ったり、ど下ネタのお笑い見たり、夜の公園で踊ったり、歌いながら自転車漕いだり。

自分の中の小さな狂気を表に出して人の目を気にしないことに慣れていった。

そうして気がついたときには「かわいい」を諦めていた。アンタ、土俵が違いまっせ!って感じで。

なんていうか、度胸がついたんだと思う。

かわいい、に逃げずに好きになってもらうことへの。

かわいいは作れるって言うけど、作らんでいいよ、そんなもん。

それから能力とか技術とかセンスを磨こうとした。どうにか「かわいい」に勝ちたくて。

自分のセンスとか能力で売り出せば、本当に私を気に入ってくれる人が集まってくるし、そういう人は気が合う。

そっちの方が人気商売より断然楽しいはずだと思った。

見た目が9割とか、第一印象とか、私は正直くだらんなと思う。私はそんなとこ見ないから。(不潔な人は除く)

というか今は、ネットに慣れすぎてみんな作りものを見破る眼を持っているのだ。

時代はナチュラル(とおしゃれ雑誌に書いてあった)

自分の周りに円を描いて、いざ土俵入り。

目指せ黒星、ってね。

8/24


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