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これはやらない方がいい:英語の運用力がUPしにくい勉強法まとめ。

なみのリズムのアサコです。

先日、「一生懸命英語を勉強しているのに、なんか伸びないなあ…」と思ったときに読んでおいてほしいことを以下の記事に書きました。

「これだけ英語勉強してるのに全然伸びない!」という人に知ってほしいこと|なみのリズム英語★リスニングができれば全てうまくいく!|note

その中で、勉強の総時間数が足りないことをひとつ原因としてあげましたが、厄介なことに、勉強をいくら続けても、伸びないという状況があるんですよね。

それは、やっている勉強が非効率的だったり、現状に合わない場合です。

語学は習得するまでに時間がとてもかかります。自分にとって合わない勉強をしていては、遠回りになり、時間の無駄になってしまいます。

特に、語彙も増えたし、文法もわかるようになったし、英文も読めるようにはなってきたけれど、聞く・書く・話すという運用面に関して、なかなかうまくいかない、と言う人は多いのではないでしょうか。

そこで、この記事では、「英語でコミュニケーションをする」という運用能力を考えた際に、あまりやらない方がいい(でもありがちな)勉強法をまとめました。

1.進学校で英語ほぼトップの生徒さんが、できないこと。

ここで本題に入る前に、衝撃的な事実をお伝えしておきます。

私は進学校トップの生徒さんを何人も教えたことがありますが…
彼らの英作文は実際、ひどいことが多いです。

読解はパーフェクトにできます。模試での成績も高得点で、県内10番以内に入った生徒さんもいます。しかし、それなりの英作文をするとなるとひどく稚拙だったりするんです。

単語も熟語も熟知している。文法問題もほぼ完璧。英語の知識は申し分ないのですが、

・英語として不自然な日本語発想の文を多く書いてしまう。
・語彙の使い方が不適切。
・論理的でないので話が飛ぶことが多く、何を伝えたいのかがわからない。

どんなに学校で英語の成績がよくても、これでは、英語でコミュニケーションするのは難しいのではないでしょうか?

書く・話すと言った運用能力が圧倒的に不足しているのは、原因として、①母語干渉を起こしやすい学習を学校で行っていること、そして、②圧倒的なインプットの不足により、英語らしい発想が身に付けられていないことにあると考えています。

学校でやってきた英語学習法ばかりに頼ると、伸びない能力があるということを覚えておいてください。

2.母語干渉を引き起こしやすい学習法は避けよう!

以前書いた記事で、英語が難しい理由は「母語干渉」にあること、英語力を伸ばすカギは母語干渉を引き起こしにくい学習を行うことである、ということを書きました。

英語の習得が難しいと感じる理由は?「母語干渉」について知っておこう!|なみのリズム英語★リスニングができれば全てうまくいく!|note

私たちは母語が日本語であるため、外国語を学ぶときにも、日本語のルールの影響を強く受けがちです。つまり、日本語のルールと英語のルールとの間でこんがらがってしまうのです。

英語と日本語では言葉のつくりに「距離」があるため、日本語訳を起点とした英語学習が多くの人にとって難しいです。

時折、「英語は英語で学んだ方が速い」ということを聞くことがあると思いますが、これは、こうした母語干渉を防ぐことができるからです。

問題なのは、母語干渉を引き起こしやすい勉強法が世の中にはたくさんあるということです。

こうした学習を行っていないかどうか、ぜひ確認して、見直してみてください^^

その① 英文をきれいな日本語に訳すという練習

伝統的な英語の授業の予習というのは、ノートに英文を写し、その英文の下に日本語訳を書く、というようなものですよね。

例えば、次のような感じです。


Cathy told me that she would stay home if it rained the next day.
キャシーは私に「明日雨が降ったら家にいるつもりだ」と言った。


こうした学習は学校の英語の授業では必ずやりますが、こうした練習は実は母語干渉を引き起こしやすいです。

なので、こうした学校英語が苦手だ…という人が多いのは、ある意味当然です。なので、学校英語ができなくても安心してください。「学校英語ができない=英語ができない」とは限らないということです。

そして、このような、英語を日本語に訳すという作業がうまくできるかどうかは、どちらかというと日本語の文章力の問題です。

学校の英語の授業では、伝統的に日本語の能力を重視してきたと思われます。

長い英文を、きれいな日本語に直す。
読んだ英文を、日本語で要約したり、説明をする。

そうした力が(特に国立の)大学受験で試されるため、学校での授業でも、そのような練習を重視せざるを得ません。

でも、大切なことは、「英語を使う能力」というのは、「英語を日本語に訳す能力」とは別物だということです。

本来、「英語をきれいな日本語に直す」という力が本当に必要なのは、翻訳者や通訳者になりたい人ぐらいではないでしょうか。

それ以外の人には、あまり必要ないのです。

さすがに最近は、日本語偏重の問題は減少傾向にあり、英語の問題に英語で解答する問題、英語での出題に英作文で答える問題などが増えてきています。

日本語力を試す問題ではなく、英語を使えるかどうかを試す問題を重視して練習していきましょう。


ここでの結論:英語を使う能力と、英語を日本語に訳す能力は別物。
日本語訳ではなくて、英語を使えるようになることを重視した勉強をしていきましょう。

その② 文法の語句整序(言葉の並び替え)問題

学校教育ではまだまだ主流ではありますが、「語句整序問題をひたすら解く」というのは、悪循環の勉強法のひとつです。

語句整序問題とは、例えば次のような問題です。


▼日本語に合うように英文を並び替えなさい。

キャシーは私に「明日雨が降ったら家にいるつもりだ」と言った。
Cathy told me that (home / rained / if / stay / would / it / day / the / she / next ).


これは、中学校や高校の文法のワークブックなどで、よく見る類の問題だと思います。

こうした問題そのものが悪いわけではないのですが、英語の語順感覚が身に付いてないうちにこうした問題ばかりを解くと、力がつくどころか、逆効果になることが多いです。

日本語と英語の語順の違いに、ますます混乱してしまうのです…!

こうした問題が得意な方もいるかもしれません。文法が比較的得意な人です。でも、そういう人であっても、もしリスニングやスピーキング力をつけたいのなら、こういう問題は解かない方がいいです。

なぜかというと、こうした問題は、文法の知識があるかどうかを確認するのには役に立ちますが、話す力や頭から返り読みをせず、英文を理解していく力にはならないからです。

結論:語句整序問題は、テスト等で必要でない限りは解かない方がよい。
こうした問題を解くことは知識の確認にはなるが、話す力や聞く力の養成にはつながらない。


その③ 英文を返り読みする

これもよく言われていることですが、英文を日本語の語順に従って、返り読みすることは絶対にNGです。

返り読みとは、次のような方法です。

Cathy told me that she would stay home if it rained the next day.
①  ⑦ ⑥      ⑤     ②   ④   ③

この数字の順番に、視点や指を動かしながら読んでいく方法です。英文を読もうとすると、結構多くの人が無意識にやっている行動ですが、これではまるでパズルになってしまいます。

中学レベルのやさしい、短い英文なら返り読みはできるのですが、高校レベルになると、返り読みはもはや通用しません。

少し長い英文になった場合に、返り読みをすると十中八九誤訳をします。もしくは、意味がわからなくなります。

こうした方法を続けていると、スピードが遅くなる上、リスニングができないなど、様々な点で英語力を伸ばすことが難しくなります。

でも、返り読みをする人は実際、非常に!!!!!!多いです。
返り読みをすることをやめることが、英語上達への重要な一歩です。

①~③への対処法は?

こうした①~③の代わりとして有効な学習法が、スラッシュ(フレーズ)・リーディングによる音読です。

スラッシュ・リーディングによる音読をすることで、英語の語順を身に付けることができ、フレーズ単位での英語の直理解ができるようになります。

そうすると、英語の発想がだんだんとわかるようになってきますし、日本語と英語の間の語順の違いに混乱しないようになります。

英語の語順とフレーズ単位での理解が身に付くと、英語を聞く力や話す力の素地が養われます。

英語の語順が理解できれば、聞きながら、次に来る情報を推測できるようになりますよね。

また、英語を話す際、話しながら、文章を組み立てていくことができるようになります。

これは、和訳をする力とは別物なんです。

処方せん:日本語訳の練習、語句整序問題、返り読みは速攻やめる
→スラッシュ・リーディングによる音読で英語の語順感覚を身に付ける

スラッシュ・リーディングのやり方は以下の記事をどうぞ。

リスニングの基礎にもなる☆スラッシュ・リーディングのやり方を解説!|なみのリズム英語★リスニングができれば全てうまくいく!|note

以上、日本語に頼りすぎるがゆえに非効率になってしまう学習についてお伝えしてきました。

本当は他にも重要なことがあり、紹介したいのですが、長くなりすぎるので、また別記事で書きます!

学校にいる間は仕方ありませんが、卒業し、運用能力を伸ばしたいと思ったら、こうした学習はさけるようにしてください。

3.英語力UPのカギは、正しい学習方法とその順番を知ること。


多くの人が、何から勉強すればいいのかわからずに、非効率な英語学習を行っています。ネットで目に付いたよさそうな学習法に手を出しては、自分のレベルや状態に合わず、挫折してしまうということを繰り返しているのではないでしょうか?

私自身、何から勉強していいのかわからないために、いろんな情報に惑わされた結果、本当の意味で英語を習得するまでに時間がかかってしまいました。

英語学習はただでさえ時間がかかります。そこに無駄な時間を費やすのは本当にもったいないことです。ですので、このNoteでは効率的に英語を勉強する方法とお伝えしています。

その方法とは、インプットをとにかく増やすこと
その手段として、リスニング力を何よりも重視すること

です。その理由は以下の記事に書いていますので、よかったら読んでくださいね!

第二言語習得論から見ても、リスニング学習を一番優先すべき理由!|なみのリズム英語★リスニングができれば全てうまくいく!|note

以上、長文お読みいただき、どうもありがとうございました^^



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