③♯1シロイルカ式お金との付き合い方(お金の呪いを知る)

「オレは、シロイルカだ。名はベルという。よろしくたのむ。」

「このクラスは、これから何回かに分けて、生きていくうえでのお金との付き合い方について学んでいく。」

「しかし、その前にとても大事な話がある。」

お金について学ぶことは、危険だということだ。」

「そして、お金について学べば学ぶほど、お金の不安はなくなるどころか強くなる。そして、お金の呪いにおかされる。

「本の中では何度となく説明してきたが、改めて案内しておく。」

「だから、本を読んでいない者は、このクラスを受けない方がいい。きっと、お金の呪いにおかされるだろう。」

「それを踏まえて。本を読んだ者に、改めて聞くが、学ぶ動機は、覚えているか?」

「もし、お金の不安をなくしたいとか、お金持ちになりたいという動機なら、このクラスは向かない。よそのお金の教室がいいだろう。探せばたくさんあるはずだ。」

「なみのり教室は、働くことをおもしろくするための教室だ。働くことをおもしろくするためにお金について学んでいく。」

「それでもよければ、先に進もう。」

「今日のテーマは、お金の呪いについてだ。」

「本の中で、お金の呪いについて説明したが、改めておこう。お金の呪いとは、お金のことばかりが思考を支配した状態だ。お金がない。お金がもっとほしい。お金を貯めなきゃヤバい。どうしたらお金をもっと増やせるか。そんな風にお金のことばかり考える状態。」

「そして、それらのことに思考が奪われ、今という時間に集中できなくなる。」

「それがお金の呪いにおかされた状態だ。今日は、その呪いとやらについて、さらに詳しく説明しよう。」

「結論から言う。呪いとは、行動を奪う言葉のことを指す。」

「わかりやすい例をあげると、〇〇しなければならない。〇〇することが常識。そのようなニュアンスの言葉だ。」

「それらの言葉は、注意してみると世の中に溢れかえっている。しかし、はたしてその言葉は、本当に正しいのだろうか?」

「それらの言葉は、誰が言っているのだろうか。」

「それらの言葉は、誰が言い出したのだろうか。」

「それらの言葉を使うことによって、誰かが得をしているのではないだろうか。」

「そんなことを考えたことはあるか?」

「言葉には、ニンゲンの行動を導きたい方向に導く力がある。」

「右手を挙げて。と言われれば、右手を挙げる。会社に来て。と言われれば、会社に行く。」

「これらは、単純な言葉だし拒否もできるが、言葉の呪い度が強ければ強いほど、ニンゲンはその言葉通りに動こうとする。いや、動かないといけないと思い込む。」

「そして、自分がやりたいことをできなくする。」

「例えば、お金の呪いの具体例を出そう。老後はヤバいからお金を貯めておかなければならない。家庭を持ったら住宅を買わなければならない。結婚したら保険に入らなければならない。」

「どれもごく当たり前のことのように聞こえるだろう。」

「しかし、それらの言葉は、本当に正しいのか?それは、誰が言い始めたんだ?」

「少し考えてみてくれ。」

「きっと君は気がつくはずだ。それらの言葉は、親や祖父母、先生、多くの大人たちから教えられてきたことに。」

「では、親や大人たちは、誰からそれを聞いたんだ?」

「それは、メディアだ。」

「言葉は、主にメディアが伝えてきた。これまでメディアの代表といえば、テレビやラジオや新聞だ。それらのメディアは当然、営利企業だ。営利企業である以上、儲からなければならない。そこで働く者もたくさんいる。では、メディアにお金を払って情報を流したい者は誰だ?」

「これもまた、営利企業だ。」

「商品を買ってほしい営利企業は、メディアを使って情報(言葉)を流す。広告とは、言葉によって買うという行動を取らせようとする手段だ。例えば、君が商品を売ってる会社の開発担当なら、なんらかのメディアを使って広告するだろう?」

「そして、国も同じようなことをやっている。例えば、貯蓄が美徳だという常識をつくったのは、戦争中の資金調達のためという説もある。国は、その時に、国民にとって欲しい行動がある。それらをメディアを通して伝えるのだ。今は子どもをたくさん産んで欲しい、とかだ。」

「こういう説明をすると、メディアが悪い!と言い出す者もいるが、それは違う。君はさっき納得したはずだ。君が会社の開発担当なら、売れるようにメディアを使って、情報を発信すると。」

「それが、資本主義のシステム。自然の理。この世界に生きている以上、どうしようもない。」

「そして、インターネットが普及したいま、世界中は発信者だらけとなった。テレビやラジオや新聞だけじゃない。YouTubeやSNS、このノートだって、なんでもそう。つまり、全国民がメディアのひとつとして情報を発信する。」

「となると、メディアが悪いということ自体がもはや成り立たなくなる。つまり、発信者が問題ではない。悪意の情報を発信する者は問題だが、それを取り締まる術はほとんどない。」

「つまり、言葉を受け取る側が選択しなければならないわけだ。」

「国が悪い。メディアが悪い。発信者が悪い。と誰かのせいにしても何も始まらない。解決もしない。自分がどう立ち振る舞うかに集中しなければならないのだ。」

この世界の波に乗るんだ。世界は誰にでも平等なのだ。」

「カモメ先輩からも課題が出ていただろう?それは、ここにつながってくる。」
カモメ先輩からの課題→https://note.com/naminori8705/n/n12a8febde217

「話を戻そう。メディアは、営利企業や国が大スポンサーである。つまり、それらが導きたい方向に言葉が世間に蔓延するのが自然と考える。それがいずれ、常識となる。」

「常識という枠ができる。すると、本来、自分がこうしたい!という行動を取らせない枠ができるんだ。もし、その枠を破って、行動を取ろうものなら、すさまじい同調圧力がかかる。出る杭は打たれる。特にニッポンという国はそれが強いらしい。」

「そして、君は、やりたい行動をとることができなくなる。」

「それが呪いだ。そして、呪いは至るところに存在する。その中の一つである、お金の呪いを解くためには、呪いというものがそもそも何なのかを知る必要がある。だから、今日は呪いについて話をした。」

「オレからも課題を出そう。」

課題
『世の中にあふれる呪いについて、発見する。』

「流れている言葉(情報)が呪いかどうかと意識するだけでも、君は、呪いにかかりにくくなる。そして、こと、お金についていうと、呪いから解放されない限り、たとえ裕福になろうと、君はしあわせになることはできない。」

「では、また次の授業で会おう。」

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