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たぶん人生で一番劇的だった産後1カ月の思い出

1カ月健診が終わり、ひと月でこんなに劇的な変化があるんだなぁとしみじみしてしまう。

どう歩いていいかわからないほどダメージを受けた体は、今ではすたすた歩けるように。
子も、以前は起きているときはほぼ泣いていたけど、最近はゆれるモビールや自分の手を見たりして穏やかに過ごしている。
だんだん笑ったり目が合ったりクーイングをしたりするようになり、コミュニケーションに手応えを感じる場面も増えてきた。

この1カ月は、初めてのことばかりだった。
子が退院で初めて外に出たとき、まぶしそうに目を細めたこと。初めてタクシーに乗って、揺れが気持ちいいのか口を開けて眠ったこと。家に着き、初めて夫に抱っこされたときに落ち着こうとしたのか初めて指しゃぶりをしたこと。初めての沐浴を終えて沐浴布を取ったときに、この世の終わりのように泣いたこと。初めて鼻水を吸引したとき、ずっと不思議そうな顔をしていた子と、「ゴーストバスターズの気分!」と楽しんでいた夫。

どれもずいぶん前の思い出のようで、愛おしい。

子との間に、こうやって振り返れる過去ができたことがとてもうれしい。
この1カ月、途方に暮れることが多かったのは、たぶん現在と未来しかなかったから。過去がある今は、比べたり予測したりできる拠り所がたくさんある。
植物でいえば、そよ風くらいでは倒れない程度には根がしっかり張れた感じ。

日々成長しているから、ずっと続くように思えたことも気づけばなくなっていて。
もうすでに懐かしくなっていることがいくつも。
生後1週間ごろまでうんちは緑茶みたいな匂いで、吐き戻しが付いた襟のにおいは漬物みたいな匂いだったこと(今はチーズっぽい)。おでこの産毛の流れは天気図のようで、耳の縁の産毛はぜんまいのようだったこと(なんか薄くなってきた)。

見るたびに「かわいいなぁ」と思っていることも、今のうちに記録しておこう。

求肥を使った和菓子のようにやわらかい足裏と太もも。
光を受けて金色になる眉毛。
富士山を思わせる上唇。
おっぱいを飲もうと口を大きく開けるときの野性味のある横顔。
肩で息をしながら(時々ため息をつくような息継ぎをしながら)一生懸命おっぱいを飲む姿。
授乳中、胸や脇腹や哺乳瓶に添える手。
飲み終えるときに目を閉じて下唇を突き出すこと。
たまに阿波踊りの自主練をするかのように手をずっと動かしていること。
抱っこをしているとき、亀のように首を縮めて首の位置を変えようとすること。
あくびをしたときに鼻にも線ができて目と目が一直線でつながること。
大泣きしているときに目のあたりが土偶のようになること。
スワドルアップを着て縦抱きされている後ろ姿が、昔のテレビ番組「東京フレンドパーク」の壁に飛びつくアトラクションのワンシーンみたいなこと。
寝ているときにほっぺたが垂れて輪郭が四角に近づくこと。
モロー反射をしたときの動きが熱演する指揮者みたいなこと。

どれもいつか思い出して、「大きくなったなぁ」とか言いながら切なくなるんだろうなぁ。

時々、自分の子へのまなざしと、自分が親から向けられていたまなざしが重なる感覚があって、記憶がない新生児期を生き直しているような気がして面白い。

今月は少しずつ外出していく予定で、どんな初めてのことがあるのか、どんな反応をするのか、今からわくわくしている。

#赤ちゃん #赤ちゃんのいる生活 #子育て日記 

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