インターンシップ生への指導を通じた成長

新しく物事を学ぶ際に、手っ取り早く自分のものにするには、学んだことを他者に伝えることが有効です。

この経験を、新人さんに体感してもらうべく、インターンシップ実習生に取り組んでもらう検討テーマの先行検討を2週間先行して実施してもらい、実習生受け入れ時にメインで対応してもらうことにしました。

弊社では、お盆開けごろから約20日間程度の期間で、インターンシップ実習生を受け入れ、技術検討を通じて、弊社がどんな会社かを知ってもらう取組を実施しています。今年も、インターンシップ受け入れ希望のヒアリングが4月ごろにあったので、迷わず手をあげて手頃な技術検討テーマを準備していました。

具体的な内容としては、1)過去の同様の検討事例をレビューし、2)過去に構築した検討スキームが、今現在の操業条件でも適用できるか検証してもらうことであり、3)仮に適用できないのであれば、どのような改善を加えれば良いか考えてもらうことでした。

この検討テーマがインターン実習生と、新人くんに適切なテーマだと考えた理由は、まず1)で先人達の築き上げた検討スキームを学ぶことでセンスを高め、2)で操業の生データと格闘する経験をし、3)にて、担当者のオリジナリティを発揮できる場がある と考えたからです。

さて、8月初旬から先行して検討に取り組んだ新人さんには、検討に必要なデータ取得環境・現場の担当者との引き合わせ・参考にすべき背景理論を提供しました。

彼の様子を見ていると、自分が入社したばかりの時に比べて、随分と情報処理速度が早いことに驚きました。ディスプレイを複数使い、片方で調べ物をしながら、片方で検討用シートを作成していきます。彼の学生時代の専門分野を考えると、この時与えた課題は専門外の内容のため、理解には時間がかかるだろうと思っていましたが、良い方向への想定外。

実習生への担当としたことは大成功。実習生の理解レベルに合わせて、適切に情報を提供し、検討を誘導していました(直近に彼自身が悩んでいましたから)。そして、インターン生と彼で私の想定以上のアウトプットを出すことになります。

このインターンシップ実習生対応以降、彼は自信をつけたようです。さらに業務精度が高まりました。ここで私は口を開けて待つ雛鳥にエサをせっせと渡す親鳥の心境になります。自分が新たに検討課題をテーマアップする速度の方が律速になっている。このプレッシャーを受けながら業務を回す時期が約3ヵ月続きます。もちろん一時的な状況ではありましたが、がっちり歯車が回って、仕事がよく捗る期間でした。私も成果の出やすい、ある程度見通しの立っている検討課題を彼に任せていたので、やればやるだけ結果が出る環境で彼も自信をつけていきました。

自分にとっても育成の成功事例になったと思います。

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