『宇治拾遺物語』絵仏師良秀02(ゆるい解説 & 雑記)
『もの』の話。
作中では自宅が焼けていくのを笑いながら見ている良秀に対し、近所の人が「もののつきたまへるか」と尋ねます。しゃべり言葉で意訳をすれば「あんた、おかしくなっちまったんですかい?」と。
『もの』が『つく』。
『つく』のほうは簡単で、漢字で書けば「憑く」になります。悪霊が憑くときに使う漢字です。あるいはなにかが憑依するときの。
一方の『もの』ですが、これがなかなか面白い。この「もの」という単語は、使い方によっては
① 人間の感覚でとらえられる具体的な物品を指すこ