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ゆるい解説 & 雑記

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記事一覧

蟷螂の斧(ゆるい解説 & 雑記)

 蟷螂之斧(とうろうの おの)。  武将の車に立ち向かってくるカマキリの話。  一般的には…

虎穴に入らずんば虎子を得ず(ゆるい解説 & 雑記)

『虎穴に入らずんば虎子を得ず』=危険を冒さなければ成功は無い。  人口に膾炙した(←お、…

漁夫の利(ゆるい解説 & 雑記)

 漁夫の利。  もしくは鷸蚌之争(いつぼうの あらそい)。  AとBの間で起こった争いで、ま…

推敲(ゆるい解説 & 雑記)

 科挙を受けるほどの秀才・賈島(かとう)はラッキー。  なんたって「推敲」の故事で、賈島…

蛇足(ゆるい解説 & 雑記)

 蛇足。  ひとりでは飲み切れない、分け合っては足りない。そういう分量の酒を、みんなの中…

矛盾(ゆるい解説 & 雑記)

 今週は日本の古典から離れ、「故事成語」です。中国古典の慣用表現ですね。なお、中国では単…

『宇治拾遺物語』絵仏師良秀02(ゆるい解説 & 雑記)

『もの』の話。  作中では自宅が焼けていくのを笑いながら見ている良秀に対し、近所の人が「もののつきたまへるか」と尋ねます。しゃべり言葉で意訳をすれば「あんた、おかしくなっちまったんですかい?」と。 『もの』が『つく』。 『つく』のほうは簡単で、漢字で書けば「憑く」になります。悪霊が憑くときに使う漢字です。あるいはなにかが憑依するときの。  一方の『もの』ですが、これがなかなか面白い。この「もの」という単語は、使い方によっては ① 人間の感覚でとらえられる具体的な物品を指すこ

『宇治拾遺物語』絵仏師良秀01(ゆるい解説 & 雑記)

 高校の教科書で読んだことがある人もいることでしょう。  鎌倉時代前期の『宇治拾遺物語』…

『古今著聞集』刑部卿敦兼と北の方03(ゆるい解説 & 雑記)

 めでたし、は幅の広い古語です。  現代語訳に迷ったらとりあえず褒めておけばどうにかなる…

『古今著聞集』刑部卿敦兼と北の方02(ゆるい解説 & 雑記)

 古典では、雅楽の篳篥(ひちりき)という短い縦笛がちょこちょこ出てきます。  実はわたし…

『古今著聞集』刑部卿敦兼と北の方01(ゆるい解説 & 雑記)

 読んだことのある古典の中で、1行目のパンチがとりわけ強烈だったのがこの話。なにせ「主人…

『伊勢物語』芥川02(ゆるい解説 & 雑記)

 個人的に、この『伊勢物語』ほど特殊な古典はないと思っています。  書いたと目(もく)さ…

『伊勢物語』芥川01(ゆるい解説 & 雑記)

 古典は「の」の扱いを知っておくと、初心者でもぐっと読みやすくなるんです。まずは古典の前…

『平家物語』扇の的04(ゆるい解説 & 雑記)

 そういえば『平家物語』の基本情報をまとめていなかった。  鎌倉時代に成立した、軍記物語。  わたしが中学生の頃なんかは作者は「未詳」で済ませていたような気がするけれど、最近は中学の教科書にも「信濃前司行長(しなのの ぜんじ ゆきなが)が書いたかもしれない」ということが載っています。  もとは確か、これも鎌倉時代の随筆集『徒然草』の中に 「信濃前司行長が『平家物語』を書いて、生佛(しょうぶつ)っていう目の見えない坊さんに教えたらしい」 って兼好法師が書いてたんだよね。その信