日本学術会議の任命拒否は戦前の滝川事件を連想させる。
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日本学術会議の任命拒否は戦前の滝川事件を連想させる。

ザック、ザック、ザック。
と、すぐ後ろに軍靴の足音が聞こえてくる。

瀬戸内寂聴さんが語っていたように、戦前に感じた軍国主義への道筋が令和の時代にもせまってきている。

日本学術会議の新会員候補6人の任命を菅義偉首相が拒否した問題で、私は上記のような想いを感じた。

戦前の日本でも、1933年に滝川事件という学問の自由を弾圧した事件が起こっている。

京都帝国大学法学部の滝川幸辰教授がおこなった講演やその著書が自由主義的であるなどとして、当時の鳩山一郎文部大臣が滝川教授の休職を決定したことから始まった思想弾圧だ。

この国の決定に対して、学問の自由や大学の自治を侵害などとして、法学部は抗議、教官全員が辞表を提出し、学生やほかの大学、メディアを巻き込んだ政治事件となった。

経済学者の藤本武は『私たちの瀧川事件』(東大編集委員会編/新潮社/1985年)で、次のように述懐している。

「当時の学生大衆は満州事変をきっかけに、迫りくる戦争の足音に大きな危機感をいだいていた。瀧川罷免という思想弾圧が、さらに大きな戦争準備のための小手調べであることを鋭く本能的に嗅ぎとっていた」


滝川事件の起きた1933年は、ドイツでヒトラーが政権を獲得して、独裁政治へと踏み出した年でもあった。その3年後、日本でも二・二六事件がおこり、軍部大臣現役武官制が復活。1937年には日華事変が発生し、戦争へと突き進んでいった。

戦前・戦中の日本は、国を批判する研究者の書物を検閲し、文章を削除させ、刑務所へ投獄することで弾圧した。
その結果、政府や軍部への批判者を失い、日本という国は自己を見失って暴走し、破滅した。

菅政権が行なった学問の自由への侵害は今後、表現の自由、言論の自由にも広がっていく布石のように思う。

今回の任命除外を放置すれば、戦前を知る方々の杞憂が現実となる可能性が高まると思う。

ちなみに、、、
「任命権があるのは当たり前。政府から独立していない。」
と主張している方は法律の条文をよくみて欲しい。

日本学術会議は政府から「独立」しており、総理による任命は「日本学術会議の推薦」に基づくことが明記されている。

【日本学術会議法】
第3条 日本学術会議は、独立して左の職務を行う。
第7条2項 会員は、第十七条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する。
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323AC0000000121&fbclid=IwAR3ru2NgHGJeA13q9uXQ_Y3d3hH5HyDO4gOBfBz3TVFXRW60FNhdbdMZ-k4



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なみへい

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アーセナル、川崎フロンターレの熱狂的サポーター / 土地家屋調査士資格を保持 / 週一テニスプレーヤー / 月15冊の読書 / 「世間や大勢の人々の行動や価値観から少しずれて生きていく。」 をモットーに日々の暮らしの中で考えている事をnoteで綴っていきたいと思います。