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春夏秋冬

2083年、8月23日。

昨日まで空に煌々と君臨していた太陽を雲が包み、冷たい海風が日本列島に吹き込んだ。

8月だというのに気温は氷点下を下回り、厚く張った雲が至る所で雪を降らせた。

人々の混乱も束の間、翌日の8月23日にはもみじの葉が赤く染め上がり澄んだ空気が辺りを満たした。

その翌日8月24日には再び厳しい寒さが列島を襲い、日本海側では凄まじい積雪を記録した。

連日の異常気象に混乱した日本海側のおばあちゃん達はこたつを出し、その上にみかんとチラシで作ったゴミ箱を設置した。

さらに翌日の8月25日は神奈月の金風が吹き、金木犀の香りが街を支配した。

これまで冬の気候、秋の気候、冬の気候、秋の気候と繰り返していたため多くの天気予報士は明日、8月26日は冬の気候が訪れると予想した。

しかし予想に反して気温は上がり、眩しい光が人々を襲った。

これには天気予報士も一同に匙を投げた。

投げた匙が川を流れ海を渡り、異国の島で下着として再利用され、その様子を見たウォルトディズニーの孫が3Dアニメ化した話はまた別の機会にしよう。

8月27日は秋のような気候が見られたが、イチョウももみじもあまり綺麗に咲かず、残暑が激しい1日だった。

人々もこの超異常気象に慣れ始め、明日の天気が何なのか賭けるお天気賭博も生まれ始めた。

8月28日、夏。それはそれは夏だった。

8月29日、暖かな空気に包まれた街にはソメイヨシノの木が立ち並び桜色に彩った。

8日続いたこの異常気象はこの日を最後に終わった。

この現象はなんだったのか?学者達は研究を進めたが何もわからなかった。

しかし、ある男がその心理に辿り着いた。

その男は何を隠そう、ラブ&ピース&俺。

この僕だ。

この異常気象を振り返ると
冬、秋、冬、秋、夏、秋、夏、春の順番だ。
ふゆ、あき、ふゆ、あき、なつ、あき、なつ、はる。
一文字ずつ取るとふ、あ、ゆ、き、つ、あ、な、る

ふあゆきつあなる

Who are you きつアナル

つまり天気を司る天の神が締まり切ったきつきつの肛門を見て、これは誰の肛門なのかを我々に尋ねていたのだ。

僕は空を見上げて神様に教えてあげた。

「ぼくでーす」

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