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ハイブランドがBTSを好きなのはきっと「authentic」だから〜BTSって全ての変化のシンボルな気がする・その2

まもなくグラミー賞。ついにBTS念願のライブ出演が決定!

あの保守的だった米音楽の殿堂グラミー賞に、英語を話せないメンバーが大半を占めるBTSがノミネートされ、さらにライブ演奏もするなんて。世界中のARMY(BTSファンの呼称)が見るに違いない。私も気になって仕方ありません。

そんな大人気のBTSは世界のハイブランドをすごい勢いで着こなしています。(購入も提供も両方あるらしく、どの衣装がどうなのかは分かりませんが) 
ライブ演奏のたびに、そのときどきのコンセプトにあった衣装で登場します。

LOEWE (スペインの老舗)

GUCCI(みなさんご存知)とETRO(ペイズリーで有名)

GUCCI (このサムネイルの服は全部そうらしい)

各国の授賞式に出席するたびに、まるごとGIVENCHY、まるごとBOTTEGA VENETA …
イギリスのGQはBTSを「史上もっともファッショナブルなボーイズバンド(ごめんね'N Sync)」と称しています。90年代後半に絶大な人気を誇ったアメリカのボーイズバンド'N Syncよりもオシャレと認定です。

https://www.gq-magazine.co.uk/fashion/gallery/bts-fashion-moments?image=6046462d78d908f40e617f4e

彼らの着こなしをすべてチェックしてくれるARMYのアカウントも! 
あやかってこれらの服をすぐに売り始めるオンラインショップは数知れず。

※ブログのイメージはこちらのtwitterのアカウント画像をお借りしました

ルイ・ヴィトンは1月に開催した21年秋メンズコレクション(オンライン)にBTSをデジタルで「ご招待」。おかげで21年春夏のコレクションより視聴者数が大幅に伸びたそうです。(BTSは「招待」されただけで出演はしていない)

大人気なんだから当たり前でしょ? と思われるかもしれません。
でも、最近のハイブランドって、しっかりと自己主張のあるセレブリティを選び始めている。自分自身の言葉で語り、多様性を体現するようなセレブを。

BTSを見ていて思うのは、彼らの言葉の力強さと、ぶれないところ。「みんな違って、みんないい」を本気で信じて、体現している。Black Lives Matterのような強烈な政治的な動きに対しても、自分たちの信念に沿って、100万ドル(約1億円)を寄付した。普通のアイドルは政治を避けるけれど、彼らは違う。

彼らのメッセージ性を、こちらの記事がとてもうまくまとめています。

彼らの言葉の嘘のなさ。自分たちのつらい思いも含めてファンにさらけ出し、歌にして届ける。

こういう「真実な」「嘘のない」ことを、英語で「authentic」と言います。
名詞は「authenticity」。ぴったりの概念の日本語訳がなかなかない。辞書にある「真正」「本物」ではニュアンスが足りない。
あえて言えば、「自然で、本物と感じられる真実らしさ」でしょうか。アーティストへの褒め言葉として、良質なコンテンツの特徴を語る言葉として、よく使われます。作られた偶像、作られたアイドルでは「authentic」にはならない。

ARMYが彼らを熱烈に愛するのも、彼らが嘘のない生き方をしているから。彼らがauthenticであるから。

そんな彼らに、自らのauthenticityを強調したいハイブランドがアプローチするのも、当然の流れ。

この「authentic」というのは、今の時代、ものすごく重要なキーワードだと思っています。BTSの多彩なファッションを眺めながら、そんなことをつらつら考え、そのまま綴りました。

(まだ続く、予定です)

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