キャプテンとリーダーの違いから見る、佐々木久美てんをくみてんたらしめるもの
2018年6月3日にくみてんがキャプテンに就任して以来、丸5年が経ちました。メンバーからもファンからもそのキャプテンシーへの信頼が厚いくみてん。立場が人を育てるとは言いますが、それだけで今のくみてんにまで至ったわけではなく、何かしらの素養があったと僕は思っています。
この記事では、その素養とは一体なんなのかについて、キャプテンとリーダーの違いを交えながら妄想していきます。
そして、きっと考えたことがある人も多いであろう、「他にキャプテンに向いてそうなメンバーは?」「リーダーになり得そうメンバーは?」ということにまで妄想を広げているので、みなさんもこの機会に考えてみてはいかがでしょうか。
リーダーとキャプテンの違い
キャプテンに就任してしばらくは、
MCの誰か「ねぇリーダー、」
くみてん『キャプテンです』
という、くみてんのお決まりのくだりがありました。
本人的には、単に肩書きとして与えられた名前が「キャプテン」だったので、おもしろさも狙って「キャプテン」にこだわっていただけかとは思います。
では実際、リーダーとキャプテンにはどういう違いがあるのか。ここではそれを整理していきます。
リーダー:先導し引っ張っていく人
元ラグビー日本代表キャプテン・廣瀬俊郎さんは、自身の著書でこのようなことを述べています。
さらにヘッドコーチのエディ氏は、ある記事でこう表現されています。
そして同記事内で廣瀬さん自身は、エディ氏のことをこう述べています。
これらを見るにリーダーとは、「目的を明確にし、そこへ至る具体的な目標を立て、妥協なく人を引っ張っていく存在」であることが伺えます。非常に目的志向であり、正論的とでも言えるかもしれません。だからこそ、人から嫌われることもためらいません。
キャプテン:皆でやっていこうと思わせる人
ではキャプテンはどうなのか。同じく廣瀬俊郎さんは、自身の著書でこのようなことを述べています。
くわえて、ある記事ではこのように述べています。
これらを見るにキャプテンとは、「リーダーの定める目的を達成するため、皆で一致団結して目標をクリアしていけるよう、仲間の一人として皆を結束させる存在」であることが伺えます。
ちょうど船の話も出ましたが、自分は以前、うろ覚えすぎて出典を思い出せないのが悔しいですが、海賊のキャプテンに一番大事なことは「船員から嫌われずにうまくやることである」、みたいな言説をどこかで見たことがあります。長く過酷な航海なので船員から嫌われるとやっていけないし、ともすれば下剋上があり得る、みたいな話しだった気がします。
海賊ではないですが、似たような例として漁船の話を見つけました。ここでは、船に乗って間もない筆者と船長との間の会話が以下のように書かれています。
船長はまさに英語で「キャプテン」ですが、そのキャプテン自ら、「人は自分を好いてくれる人の言葉しか聞かない」という人の一般的な行動原理と、それゆえの「相手に関心を持つ大事さ」を述べています。ここから、キャプテンにはコミュニケーションが大事で、かつそれは「質」ではなく「頻度」や「量」などであることも伺えます。
リーダーとキャプテンの関係性
以上のことから改めてリーダーとキャプテンの関係性を整理すると、先導するリーダーだけではメンバーとの間に生じ得るギャップを、キャプテンが触媒となって埋めていくような感じになるのかなと思います。図にするとこんな感じでしょうか。
雑な図で恐縮ですが、リーダーだけだとメンバーがついていけずに「おう!」と腹から言えず、かといってキャプテンだけだと向かう先がハッキリせず路頭に迷うので、相互に補完関係になるイメージですね。この、メンバーに「おう!」と言わせるのがキャプテンの本質的な役割なのかなと思います。いわゆる中間管理職ですね。
くみてんのキャプテン特性
以上でリーダーとキャプテンの違いを整理しました。くみてんは「先頭に立ってチームをぐいぐい引っ張っていくタイプではない」ということからも分かりますが、やはりくみてんはリーダーではなく、キャプテンなんだと思います。ではくみてんをキャプテンたらしめているものは何なのか?それについてここで整理していきます。
妹気質で人について行くタイプ
くみてんは、キャプテン就任時のブログでこんな事を書いていました。
出典を失念しましたが、友達からも「(キャプテンを)よくやってるよね」と言われるくらい、もともと人の前に立って先導していくタイプではないようです。一方で、持ち前の妹気質で人とのコミュニケーションが好きなことは普段の活動から伺えます。
このような行動特性からも、キャプテン的な素養があるように感じます。
ひょうきんである
バラエティでの活躍もそうですが、メンバーたちからこぼれ出る数々のエピソードからも、人を笑わせることが好きなように思います。きっと「人への関心が高い」からこそだと思うのですが、ここもまた、キャプテン的な素養を感じます。
声が出る
冗談みたいな項目ですが、個人的に地味に重要なポイントじゃないかと思っているのが「声」です。円陣でもなんでもそうですが、ちゃんと大声がしっかり出る人だと場が引き締まりますし、士気もあがりますよね。くみてんは声がしっかり出るので、大声を出しても違和感がない。違和感がないってのが重要で、世の中にはどうしても大声が似合わなくて無理してる感じになる人もたくさんいます。これがあるだけで締まりが全然違いますし、この人ならついていけるなぁと感じることにもつながると思うので、意外と欲しい要素だよなと個人的には感じてます。
メンバーの魅力を確信している
個人的に、くみてんを最もキャプテンたらしめている要素は「メンバーの魅力を心の底から信じていること」ではないかと思っています。
映画「3年目のデビュー」の冒頭すぐ、4分34秒あたりからくみてんはこんな話をしていました。
この言葉を聞いた時、自分は衝撃を受けました。ここで言っているプロフィールの写真というのは、のちに8thシングル発売記念スペシャル番組であや姉さんが明かしたように、「オーディションに受かって、感動して涙も溢れて目が赤い状態の私たちを、カメラマンさんでもない普通のスタッフさんがデジカメで撮った写真」のことです。この頃は欅坂46からサイマジョがリリースされ、世間に衝撃を与えていた頃です。そんな中で、いわばアクシデント的に募集が開始され、その立ち位置もアンダーなのか何なのかまだハッキリと定義されていない「ひらがなけやき」の一期生のプロフィールが「素人デジカメ撮影」で公開されてしまったこともあり、当時はくみてんが言うような状況になっていたようです(※自分は当時それほどTwitterを回遊していなかったので誹謗中傷を直接目にすることはありませんでしたが、「この写真は誤解を生むしかわいそすぎるやろ」とは思ってました)。
こんな状況なら普通、これから先のことをかなり心配すると思うんですけど、くみてんは全く逆で「みんなが魅力的なことが分かってたので」「このメンバーなら大丈夫だろう」と思っていたと知り、正直ひっくり返りました。スゴすぎる!って。
先述した船長が、「人は自分を好いてくれてる人の言葉でねぇんと、まともに聞かねぇんじゃねぇかいのぉ」と述べているように、みんなの魅力を発見し信じていたくみてんは、まさにキャプテンたるマインドを最初から持っていたことが非常によく分かります。
「ねぇリーダー」『キャプテンです』は案外正しい
以上のように、人について行く妹気質と、人への興味関心の高さから、強烈なパワーで先導していくリーダータイプというよりは、人とコミュニケーションを取りながら歩んでいくキャプテンにもともと向いていたと思われるくみてん。
そう考えると、先述した「ねぇリーダー」『キャプテンです』のくだりも、実は単なる肩書き名の訂正にとどまらず、その本質自体も的確に表していることになり、おもしろい事実だなぁと感じます。
やっぱりくみてんは、「リーダー」ではなく「キャプテン」なんです。
日向坂チームのリーダーは?
ここまで、リーダーとキャプテンの違い、そしてくみてんはリーダーというよりキャプテンに向いていて、だからこそキャプテンたりえることについて述べてきました。
となると気になるのは、「日向坂チーム(グループでない)のリーダーって誰なん?」という話しです。ラグビー日本代表でいう、ヘッドコーチのエディ氏ですね。これは、「表現の方向を決める、本質的な主体者」がそれに当たるはずです。となると、これは日向坂46というグループのメンバーではなく、運営側にあるといえるでしょう。個人としてなのか、あるいは組織としてその機能を持つのかは分かりませんが、少なくともメンバーにあるわけではないのは確かだと思います。
リーダーとメンバーの間に触媒のように存在するのがキャプテンだからこそ、スタッフ側とのコミュニケーションの結節点には、主にくみてんがいるわけですね。
日向坂グループ内でリーダーになり得るのは?
大きい方向を示すリーダー機能は運営側にある一方で、グループ内での局所的なリーダーは存在し得ると思います。パフォーマンスへの追求だとか、バラエティへの取り組みだとか、大枠はありつつもここはこうしていこう、ああしていこうなどと、細かいところで先導的な役回りをできる人がいると組織としても強そうです。
現状でリーダーの印象があるメンバー
どのメンバーがリーダー的な動きをするタイプかなぁと思い浮かべると、個人的にすぐ思いつくのがおすず、富田鈴花さんです。メンバーからのエピソードでも「率先して意見を出す」ことがよく言われてますし、BRODY 2023年6月号のインタビューでも「四期生に対しては、グループのためなら怖い先輩と思われても言うようにしています」と答えています。この辺の動きはリーダーっぽい気がします。
あとは非常に局所的かつ興味関心が強烈に強い領域だと、おきょん、齊藤京子さんもリーダーシップを発揮するように思います。最近だと人狼ですよね。平時はどちらかというとおバカキャラで通っているおきょんさんですが、特定の領域で異様に頼もしく、推進力が爆発する印象があります。そういう時は周りをガンガン巻き込んで進んでいきますし、その辺にリーダーシップを感じます。
あともう一人、おすずと並んでよく意見を言うと評されるメンバーがいた気がするんですが、失念してしまいました。誰だったかな。そのメンバーもリーダー的な動きができるかもしれません。
これを読んでいるあなたはいかがでしょうか?どのメンバーにリーダーシップの強さを感じますか?
今後リーダーシップが出るとおもしろいなと妄想するメンバー
一方、今はまだそれほどですが、今後リーダーシップが出てくると(すなわち引っ張っていく覚悟が出ると)面白そうだなと妄想しているメンバーもいます。
まずはおみく、金村美玖さんです。傍から見ていて完璧志向に思えるほど何事も手に入れたがりますし、設定水準も高いおみくさん。最近ではそれにくわえて、普段送られてくるメッセージアプリの内容や、BRODY 2023年6月号のインタビューなどから、グループを背負って立つ意識が高くなっていることを感じます。「グループを背負う意識」と「個の能力の追求の意識」がうまく合わさると、グループ全体の視座を高める役割を担えるようになる予感がしています。
もう一人は、四期生のずーりお、清水理央さんです。まだ加入して日も浅いのでおぼろげに感じているだけではありますが、元々4期の中ではパフォーマンス面を主導していたようですし、体育会系のチアリーディングもしっかりやっていたところなどから、まだまだ先の話かとは思いますが、いずれ表現の面でリードしていく立場になるんじゃないかなとふんわり妄想しています。
キャプテンになり得るメンバーは?
グループ内のリーダーについて考えると、自ずと「じゃあキャプテンはどうだろう?」という気持ちになってきます。先述した通り、キャプテンには人への関心やコミュニケーションが求められ、「この人が言うならついて行こう」とメンバーに思ってもらえることが肝心です。
その観点で見たときに、卒業した渡邉美穂さんを思い浮かべる人も多いと思います。僕も今こうして色々整理してみると、結構向いてたかもなと思い始めています。しかしもうご卒業されました。めっちゃ活躍しててすごいです。
では現役メンバーだと誰が当てはまりそうかでいうと、僕個人はぱる、あるいはぐっちゃんである、山口陽世さんが思い浮かびます。妹気質で人に懐きますし、それでいて後輩である四期生とも一番じゃないかと思えるくらいのコミュニケーション量があるように感じます。実はひょうきんなところもある愛くるしいキャラでみんなから愛されますし、「はるよの言うことなら聞いてあげようかな」と思えるような何かを、傍から見てて感じます。いわゆる「可愛げがある」ということでしょうか。一方でサバサバしている面もあって、ベタベタするだけでなくどっしり感もちゃんとあり、それが要所要所で場を引き締めるときに活きそうですし、何より声が出ます。結構向いてるんじゃないかなぁと個人的には思います。
あとはもう一人、四期生のはるはる、山下葉留花さんも思い浮かびます。人懐っこいワンちゃんみたいな人だなぁと傍から見てて思うくらい、人が好きなんだろうなぁと感じてます。まだ加入して日も浅いですし、はっきり言語化できてないんですけど、なんとなくキャプテン的な素養がありそうに感じているメンバーです。
これを読んでいるあなたはどうでしょうか?多分、それぞれの方に、それぞれの視点があって、思い浮かぶ人も全然違うんだろうなと思います。その違いを話し合うのも楽しいかもしれません。
キャプテンとリーダーを兼ねることはできるのか?
人が増えれば増えるほど、コミュニケーションコストは増大します。なので、もしキャプテンとリーダーが兼任できるならそれに越したことはないです。しかし、リーダーとキャプテンは本質的に求められる役割が異なるので、兼任できるスーパーマンもいるかもしれませんが、原則的には分けたほうがいいんじゃないかというのが僕の意見です。
将来を考えても、スーパーキャプテンリーダーがもし退いた場合、次にまたスーパーキャプテンリーダーが現れる可能性はそんなに高くないですし、そうなるとリーダー・キャプテン構造を作らないといけませんが、長くスーパーキャプテンリーダー体制が続くとその構造自体のノウハウも溜まらないので、ドタバタする可能性が高そうです。
なのでキャプテンの他に、リーダーとしての動きが出来るメンバーが複数いる状況が理想的なのかなぁと個人的には思います。ただそうするとキャプテンのところが一極集中になりがちなので、明確に肩書きを与えなくてもいいですが、サブキャプテン的な動きを普段から誰かにさせておきたい気もしますね。
まとめ
リーダーとキャプテンを分けて考える時、求められる役割から、くみてんはやはりキャプテンに向いていると思います。
また、それぞれの役割に必要な特性を踏まえると、グループ内でリーダーになり得るメンバー、キャプテンになり得るメンバーも見えてくるのではないでしょうか。
これを読んでいるあなたも、あなたの観点で「誰がリーダーだろう?」「誰がキャプテンに向いてるだろう?」と考えてみると、面白いかもしれません。
思いつきでざーっと書いたので、いろいろ話が雑なところや出典が甘いところもありますが、何かあればコメントなど頂けると嬉しいです!
ということでくみてん、キャプテン就任5周年おめでとうございます。これからも末永くよろしくお願いします。
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