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スピリチュアルおやじ

わたしの父はスピリチュアルおやじだ。

中学校の頃受験勉強を親が教えてくれて、理科で天体のことを教えてくれたときは、部屋を暗くして、私が懐中電灯を、父が地球儀をもって動かすことによって月の満ち欠けについて教えてくれた。

とてもいい父なのだが、理科をやっても、地理をやっても、歴史をやっても、最終的には宇宙の大原則とかいうスピリチュアルな話になってしまうので、話が長くて途中で嫌になった。

父は「マトリックス」と「アバター」が大好きで、「アバター」はジェイムス・キャメロンがまだ映画を公開したての時に、アバター3までシナリオを書き上げ、ジェイムス・キャメロンの承諾もなしに、勝手に3部作に仕立て上げた。

寝室には水晶とかラピスラズリが置いてあって、パワーストーンによって空間を浄化し、本棚には知る人ぞしる、あの月刊誌『ムー』が置いてあった。

父はどこかの宗教に没頭していたわけではない。多額のお布施をだしたり、修行にでたわけでもない。

私達は最終的には神と一緒だと信じている。自分が神の一部なのだから、どこかの宗教にハマることはない。

私は、父のおかげで幼き頃からごく自然にそういうスピリチュアルな考えやモノに触れていたので、私も父ほどではないがそのけがある。

この手の話があう友人は貴重だ。通常は冷たい目をされる。というかドン引きされる。

私には幸いなことにこの手を離せる貴重な友人がいて、二人で現実とスピの世界のはざまのような話に花をさかせて夢をみる。

父曰く、まもなく次の次元に行くんだと。そうなると争いもない愛に溢れた世界になって、ゆくゆくは肉体もいらなくなるんだと。

コロナだ、環境破壊だ、戦争だなどと破滅にしかむかっていない今の世の中からは想像もつかないが、私は父の言う次元上昇が来ることを信じている。

父が生きているうちに、その上昇とやらを一緒に見てみたいものだ。

ムー


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