あの日の言葉 4月号



6時間目。眠い。歴史の先生の話は眠くなるんだよなぁ…。早く帰りたい。でも、部活だ…。部活なんて入らなきゃよかった。
「えっとじゃあ、18ページを…天羽!」
・・・
「おい!天羽!」
「へ?あっ、はい!」
ボーとしてたら当てられた。最悪。クラスの人にも笑われた。渋々読む。
帰りたい。こんな学校なんて行きたくない。

やっとチャイムが鳴った。今日は6時間だからホームルームだけやって部活。
「美桜〜部活行こ〜」
「佳奈〜ちょっと待ってぇ〜」
話しかけて来た佳奈は学校で唯一の友達。同じ弓道部。
「歴史の授業めっちゃ眠かったんだけど佳奈は?」
「私も眠かった!歴史の先生の授業ってめっちゃ眠くなんない?」
「だよね!何でなんだろうね。他はあんまり眠くなんないのに」
「喋り方なのかなぁ?すごい睡魔が押し寄せてくるよね〜」
「話変わるけどあと1週間で夏休みだね。佳奈はどっか行くの?」
「部活かなぁ〜強化練習会にも呼ばれちゃったし」
佳奈は弓道がめっちゃうまい。県の大会で賞を中学の時に取ったことがあるし、先輩達に混ざって団体戦のメンバーにも選ばれている。
「佳奈弓道うまいもんねぇ〜羨ましいわ〜」
「そんなことないよ〜美桜もうまいよ〜」
「お世辞はいいんだってもう」
「お世辞じゃないよ〜」

さっさと道着に着替える。ほんとに部活やりたくない。帰りたい。
「今日は、夏休みの終わりにある大会の練習をするように。1年生も大会にでるからな」
マジかよ…大会でるのか…
最近、部内戦で調子が悪い。しっかり的を狙ってるはずなのに全然当たらない。
「あと、団体メンバーは重点的に練習するように。特に3年は夏休み入ってすぐ大会だから勝てなかったら引退だからな」
「じゃあまた後でね」
「うん、頑張ってね!」
佳奈と別れて練習を始める。

「お疲れ〜」
「はぁ〜やっと帰れる〜」
やっと部活が終わって帰れる。
「この後手芸屋寄ってっていい?」
「いいよ〜」
学校の帰り道の途中にある手芸屋さん。私も佳奈も手芸が得意なので割と話が合う。最近は今年の冬に向けて手袋を編んでるところだ。ちょうど毛糸が切れていたのでちょうど良い。
「佳奈は何作るの?」
「う〜ん、今年の冬にスキー合宿があるでしょ?それでニット帽編もうかなって。美桜は何作ってるの?」
「手袋作ってるよ〜スキー合宿あるの忘れてた!私もニット帽編もうかな〜」
今年の1月にこの学校の1年生が必ず行くスキー合宿がある。
……続きは来月!

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