TensorFlow

あなたはテンサーフロー派?それともテンソルフロー派?
※この記事にTensorFlowの技術的な話は一切登場しません。

会社からAIについて勉強しろとのありがたい指示があって、某社のオンライン学習を利用させて貰っています。すると動画教材の講師によって「テンサーフロー」と言ったり「テンソルフロー」と言ったりしているではありませんか。「どっちが正しいんじゃい!」この謎を解き明かすため、我々はAmazon、ではなくてWikipediaの奥地へ向かった…。

案の定、ちょっとした編集合戦になっていた。参戦したい気持ちを抑えつつ各版の変更点を確認していく。ちなみに2021年5月20日15時現在の最新版は

"TensorFlow(テンソルフロー、テンサーフロー)とは、~中略~英語の発音のまま読んだ場合はテンサーフローだが、数学用語のtensorはテンソルと読むのでどちらの読み方もあっていると言える。"

と両論併記になっている。両派ともに譲る気は無いようで、そこに中立派が「そんなんどうでもええわ」と仲裁に入った模様である。両派の主張も要約されている。テンサー派は「開発元のGoogleは英語でテンサーフローと呼んでいる」と主張し、テンソル派は「TensorFlowのTensorは数学の用語でテンソルって読むんだ。だからテンソルフローだ」と言っているのだ。Vectorをベクターではなくベクトルと呼ぶのと同様にドイツ語的な発音で表記する文化が日本にはある。ドイツ語じゃなくてオランダ語かもしれないが、似たようなものである。pHも一昔前はペーハーが正しいと教育現場で言われてきた。(今はピーエイチと読む。だって英語だとペーハーじゃ通じないもん。)ちなみに正確にはドイツ語でも「r」を「ル」と発音するわけではない。あれは巻き舌が強すぎて強いて言えば「ル」に聞こえるような気がするだけで、実際には「ェアラッ」みたいな発音である。

結局どちらが正しいのか。どっちでもええわ、という話ではあるが「テンサーフロー」と「テンソルフロー」でGoogle検索すると479,000件vs.71,900件でテンサーフローに軍配が上がる。多数派に組みした方が摩擦の少ない人生を送れることだろう。

CADの業界でもベクトルデータとは言わずにベクターデータと言うし、今の時代やはりオリジナルの言語の発音を尊重するのが主流なのだろう。それに、TensorとFlowの合成語なのにTensorだけドイツ語に寄せるのもおかしな話だ。ドイツ語に訳したらTensorFliessenになるが、固有名詞を翻訳するのは普通あり得ない。小川太郎(誰?)がTaro Bachとは名乗らないだろう。

そういうわけで私はテンサーフロー派。Danke!

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