秋の買物と男と恋。手ぶらで帰宅した女心の記録
夏の間にミニマリストを目指しすぎて、「暑苦しい」「かさばる」という理由で、秋冬物を手放しすぎたみたい。
涼しくなって、人肌恋しい。
失ったものは取り返せない。別れがあれば、出会いしかない。新たな出会いを見つけよう。
そんな気持ちで、秋物を買い始めている。
先日、恵比寿で子ども達と歩いているときに、チラッと見かけたファーベストが気になったので、改めて一人で買いに来た。
洋服の買い物は、なるべく一人でゆっくりしたい。
だって、
「周りに急かされて焦って結婚。冷静になれば。。」
みたいな悲劇は可能であれば避けたいから。
グレートとベージュの2色あったベストは、グレーが完売していた。9月も始まったばかりだと言うのに、ファーを買う人がそんなにいるんだね。
自分だけが彼の魅力に気づいて、抜けがけ♡と思ったら、意外にモテてて「そうなんだ」的な。
私が欲しいベージュは、「最後の1着」(店員さん談)が残っていて、ホッとする。
完売したグレーは、元々買う気もないのに、「グレーは、もう入荷の予定はないのですか?」と聞きたくなるのは、なぜだろう。
付き合う気もない男に、「まだ彼女と別れてないの?」と聞くぐらい、思わせぶりで、意味不明で、ムダだ。
店員さんによると、完売したグレーの入荷の予定はないらしい。
「じゃあ、ベージュにします」。グレーの完売は関係ないのに、なぜか「じゃあ」と言ってしまう。
なぜ、本当はあなたが本命だったと素直に言えないのか。
すでに心の中では買うと決めながらも、店員さんの勧めで、念のため鏡の前で羽織ってみる。
さっさと買えば良かったのに、この、「結婚決めながら、念のためまずは同棲」みたいな行動が、この先の展開を狂わせることになるとは。
私がファーを羽織り、いかに似合っているか、同意を求めようとしたとき、店員さんが「あ」と言って走り去り、しばらく戻って来ない。
私はファーを羽織ったまま放置されて、「このまま帰ろうかな」と思うも、それでは万引きだからと思いとどまる。
放置プレイは愛だと言い聞かせながら。
しかし暑いので、買うと決めたベストをハンガーに戻した頃、目の前をチョコチョコと小走りで、行き来する店員さんと目があって、「お待ちくださいね」と眉間にシワを入れて言われる。
「あっちのお客さんがややこしくて」と聞こえた気がする。
男の「あっちが落ち着くまで待ってて」を信じるべきかどうか。
手持ち無沙汰で、小さな店内の服を見ながら、棚を2巡するけれど、店員さんは戻って来ない。
「店員さん、もう待てない。ごめんなさい」と思いながら、「先に本屋行っとこ」と店を出る。
恋も買い物も、タイミングは大事。
欲しいものは、今ほしい。
じらされ過ぎると、気持ちも冷める。
よそにも行く。
店員さんは私が店を出たことにも気付かず、何ごとも起こらない。
「逃した魚は大きいかもよ」と言ってみたい。
昔の律儀でマジメな私なら、時間を置いてお店に引き返していたと思う。
「いい子だね」と言われたいから。
今の私は、お店を出た瞬間にネット検索して、そのブランドのサイトから購入可能か確かめている。
可能!しかも、送料無料♡
女はある瞬間から、他人の評価<自分の欲望になるって本当なんだね。
さらに、お店で「完売」と言われたグレーも、在庫あり。
まあ、グレーに興味はなかったので、
「やっぱり彼女と別れた」と聞いても、「でも、どうでもいい」の心境ではあるけれど。
さらに、類似の品が、別のメーカーで半額で買えることを知る。
大丈夫。視野を広げると、似たような男も、もっとイイ男もいるんだよ。
私も昔、失恋した友達にそんなこと言ったよね。
ただし、類似ではあるが、同じではない。
デザイン(ルックス)と素材(スペック)と自分の気分(恋心)と価格(経済的価値)と、ブランド。
どっちに価値があるかを考えている。
元彼にこだわるか、新しい方に進むか。
いや、気分という意味では、お店で見た高額な方をオンラインで買うのが、一番いい。
一目惚れを信じよう。
どこで、誰から、どんな気分で買うかは、大事。
基本的にラグジュアリーなものは正規店で買いたいけれど、ほどほどならオンラインもあり。
どうせ愛がないならば。。
そんなわけで、あのブティックから1分の場所でお一人様ランチをしながら、オンラインショッピング中。
輸送となると、地球環境には申し訳ないけれど。
そういえば昨日はブーツも買ったんだよね。
あっちもこっちも。欲深い女にとって、ミニマリストへの道のりは険しいね。
シンプルなだけの人生を好むなら、恋なんかしない方がいい。
追伸:
そういえば、「どこで買うマイルール」について。
主に10代20代を対象としたお店でよくある、女性店員さんが「いらっしゃいまーせー」と鼻声で繰り返すアレ。どういう目的であの発声になっているのか、一度業界の人に聞かないと、とは思うものの、私はあの声が聞こえると、Uターンしてお店を出ることにしている。
毎日あの声を浴びていると、店内の洋服の繊維も歪むと思う。
最後までお読みいただき、ありがとうございます✨💕