日本KFCHD_基礎分析

日本ケンタッキー・フライド・チキンHDの復活戦略をトレース

クリスマスに食べたくなるものといえば・・・
多くの方がケンタッキーのフライドチキンをすぐに頭に浮かべるのではないでしょうか?

今回はそんなケンタッキーを日本で展開している日本ケンタッキー・フライド・チキンHDの復活戦略を基本フレームワークと定量データを用いて分析していこうと思います!

はじめに

はじめまして、12月からInstagramとTwitterで活動を始めたなまーけろと申します。「マーケティングをもっと楽しく、わかりやすく」学べて、皆さんの企業分析が捗るようなコンテンツを創りたく#マーケ手帖を発信しています。


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ケンタッキー事例2

noteは初投稿なのですが、これは#マーケティングトレースというマーケターの筋トレを行うコミュニティのAdvent Calendarの22日目の担当として書かせていただいています。
ぜひ他の日を担当されている方のnoteもご覧ください!

では本題に入ります。

日本ケンタッキー・フライド・チキンHDの復活戦略



突然なのですが、日本ケンタッキー・フライド・チキンHDに関するクイズです!
売上高の構成要素のうち、最も比率が高いものはどれでしょう?

【下書き】2

こちらは一昨日Instagramで出題していたのですが、回答結果は以下のようになりました。

画像14

前提知識として「フランチャイズ店舗率が約73%である」ということを紹介したこともあって、ⒶやⒸと答えた方が多かったですね!では正解を発表します。

正解は……

【下書き】3

直営店売上でした!

2番目がFC店舗への食材販売収入3番目がロイヤリティ収入などとなります。

つまりFC店舗比率は高いのですが、FC店舗からいただくロイヤリティ率はかなり低く設定されていると予想されます。

決算資料などで正確な数字は公表されていませんが、計算したところ約2.4%と推定されました。

【下書き】4

FC店舗への食材販売収入も直営店売上より低いことを加味すると、FC店舗との共存共栄を目指しているのではないかなと考えております。


以上、日本ケンタッキー・フライド・チキンHDの財務特徴でした!
それではマーケティング分析に入ります!

スライド2

この分析で使うフレームワークは3CとSTPの2つです。(画像はInstagramアカウントの投稿より)

3C分析・STP分析

スライド3

Customer(顧客)はケンタッキーに対して「おいしいけど高い」というイメージを持っており、365日オープンしているにもかかわらず、年間利用回数が2回以下という顧客が約60%を占めていました。

スライド4

Competitor(競合)にはマクドナルドやミスタードーナツのようなファストフードのチェーン店に加え、150円前後のフライドチキンを販売しているコンビニも参入し、国内での競争は激化しています。

スライド5

Company(自社)の年間売上はほとんど横ばいです。四半期売上を見てみると、クリスマスが含まれる第3四半期が毎年とび抜けていることがわかります。したがって、日本ケンタッキー・フライド・チキンHDはクリスマスにおけるマーケティングはうまくいっています。しかし、裏を返せば、特別な日以外の利用客が少ないことが弱みとなっていました。

そこで同社はこの弱みに焦点を当てた施策を打ち出しました。それが、「単品で合計900円以上する商品を、ランチ限定の500円セットとして販売する」というものです。
つまり日本ケンタッキー・フライド・チキンHDはターゲットをファミリーやアッパーミドル層から「若者・平日ランチは外食派・一人客」に設定変更し、

スライド8

クリスマスのような「特別な日」に食べるものというイメージからの脱却を図りました。

ケンタッキー事例4

その結果がすぐに既存店売上高前年比に数字として表れていました。施策を打つ前は長らく前年割れが続いていた=既存店の売上はどんどん減っていたのですが、500円セットを販売し始めた2018年7月は前年に比べて9%上昇しました。そして500円セットが販売されていた8月・9月はもちろん、その他にもお得感満載のセットをコンスタントに発売した結果、ほとんどの月で前年を上回る成績を残しました。

ケンタッキー事例

最後にこの売上増加を要素分解して詳しく見ていきます。
売上高=客数×客単価であるので、施策前後の既存店の客数と客単価の前年比をグラフ化しました。

スライド11

ケンタッキー事例3


客数は前年比マイナスが続いていましたが、500円セット発売後は狙い通り一気にプラスへと転換しました。一方、本来合計で900円以上の商品セットを500円で販売したため、客単価は落ち込んだのではないかと推測していましたが、実際は前年比プラスを維持していました。
この要因はランチセットを500円という低価格に設定したおかげで、サイドメニューなどの「ついで買い」や単価が高くなる夜利用さえも促したことが予想されます。
以上より、客数も客単価も前年比増加を成功させた結果、前年に比べて売上高も大きく増加したことがわかりました。
これからもどのような施策を打ちだしていくのか楽しみですね!

このnoteを書き終わった今、今年のクリスマスはケンタッキーのフライドチキンを食べることを決意しました😊

以上になります。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。

このように図解マーケティング分析をnoteやTwitter、Instagramで随時投稿していきますので、興味を持っていただけた方は気軽にフォローしていただけると幸いです。

#マーケ手帖

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