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知床観光船のこと

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最初の妻との新婚旅行は北海道だった.

1983年夏,フェリーにマイカー積んで新潟から小樽へ上陸.道央と道東を1週間ほど回った.宿は支笏湖,富良野,川湯温泉など.そして知床半島の付け根,宇登呂のホテルでも一泊した.

たしか宇登呂の前の日は川湯温泉だったはずだ.そこを朝ゆっくり出て宇登呂まで来たら,知床半島の先端までの遊覧船の出港に間に合わなかった.ただそのコースはすごく時間がかかる.たしか当時6時間だったと記憶している(あまり自信はないが).

しかしその直後にカムイワッカの滝まで往復する船があったので,それに乗ることにした.100名くらいは楽に乗れるそこそこ大きな船.それでも3時間くらいの乗船時間だったと思う.

天気は最高,波も穏やか.8月後半の知床とはいえ,風はまだそれほど冷たくはなかった.海上からは絶壁や糸のように細く流れる滝,遠くにそびえる知床連山を眺めることができる.船と並走するように飛び交うカモメにえびせんを与えようとすると,手から直にくわえて飛び去っていく.そんな光景が繰り返される平和な時間だった.

昨日そんな観光船が,半島の半ば付近で遭難したとのニュースを聞いた.その瞬間様々なことが頭の中で交差した.

かなりの小型船,4月のオホーツク海の水温,現場は波が高かった,夜の時点で何も発見されていない・・・非常に残念なことではあるが,これでは絶望的にならざるをえない.

そして今日発見された10人は,全員の死亡が確認された.半島の先端部で見つかったと聞くから,行方がわからない残りの16名は,もしかすると知床岬を超えて東方へ流されてしまったのかもしれない.最悪のケースである.

楽しいはずの旅がこういう結果になったのはとても悲しむべきことだ.事故はどうやって起きたのか,その原因をすべてはっきりさせること.そして今後の安全策を確立させることが重要である.そしてそのルールに従って観光船の運行を再開させて,今まで以上多くの人に知床の魅力を知ってほしい.

北の冷たい海で命を亡くされた方々に,深く哀悼の意を捧げたい.

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