謎解きにおけるヒントの出し方について

謎における「ヒントの重要性」というのは、今更語るまでもないでしょう。しかしながら、「ヒントの質」に関しては、あまり議論されることがないのでは?と思いこの記事を書くに至りました。


特にクラスタメインだけど、サブクラスとして製作してる人とかに読んで欲しい記事です。


割と僕は謎解き界隈、特にTwitter謎に関してのヒントに関しては、正直同人団体の誰よりも多く出した経験がある、と思います。1000回は優に超えてます。

そこで、「ヒントの出し方」、「どういうヒントがいいヒントで、どういうヒントが悪いヒントなのか?」ということをまとめていきたいと思います。

まず、一番始めに申し上げたいのは、悪いヒントは、

「ヒントによってわかってもらいたくない、という意識でヒントを出している」

ということ。

この意識のせいで、無駄な抽象化・中身のない固い文言・不快感を生む対応なんかが生まれてしまうように感じます。

ヒントというのは、確かにそれだけで解けてしまうと問題の楽しみが薄れますが、「解く手助け」でなければいけません。

「わかるようでわからないようなヒントを出そう」

これが大事。

ポイントは「限定」です。


1.やることを指示してあげる

特にルール説明がなく、画像で完結している場合、「え?これってなにすればいいの?」ということが、「謎解き初心者」にはしばしばあります。

和同開珎もその一例でしょう、特にクラスタや製作者が「え、これは当然こうでしょ?」というのは思い上がりに過ぎません。

↑だと、

「丸がこみの数字に、四隅の漢字と組み合わせると二字熟語になる漢字一文字が入ります」
例 「天→○→中」には、天空、空中となる空が入る

というルール説明をして、「とりあえず熟語になりそうな漢字」を埋めてもらう、という道筋を作るわけです。

他にも、

これはどこから手を付けていいのか?と悩まれる場合、

「四隅の単語、実は二字熟語ではありません、なんとかして三字熟語にするところから始めてみましょう」

という、「三字熟語を作ってみる」ことで解くレールに乗せる。

「何かをする」ということは、それによって何かが必ず変わり、何かがわかるわけで、「全く何もわからない状態」から、「とりあえずこれについて考えればいいのかな?という状態」に持っていってあげることが必要なわけです。


逆に、それを満たしていないヒント、というのは、ヒントであってヒントではないなにかになってしまいがちです。

例えば先程の和同開珎の話ですが、あれに「わかりません、ヒントください」と言ってる人に、

「漢字をよく見てみてください!とある共通点があるはずです!」とかいうヒントを出しても、ヒントを出す前と出されたあとの状況が何も変わっていないことに気づくでしょう?

それを聞いても何もわからないと変わらないのです。

「③の方はとりあえず、”優”が後ろに来る熟語から考えてみるのが一番楽ですよ」というように、わからないものをわかるようにする手順を示しましょう。

法則系・手順系は、一番最初の手順を示す。

大事なことですよ。

2.ジャンルを特定する

基本的には、1と同じことの繰り返しになります。

こちらは主に、ひらめき謎用のメソッドです。

例えば、

□…○○○○
‖…○○

上がまな板、下が箸ということにしましょう。

これへのヒントに、「この2つのイラストは、ある関係する2つの道具を表しています」とかいう意味のわからない言葉を出されても、解く側としては「そんなことわかってるよ」としか返せないわけです。

いいですか、そんなヒント、なにも手助けできていません。結局わかるのは、
このイラストはなにかのものを表しているんだ、
という至極当然のこと。既にわかっていることが繰り返されているだけなのです。

しかしながら、「こういうのはわかったら一発だし、わからなかったら絶対わかんないじゃん」「ヒントがほぼ答に直結する~」とか謎解き上級者はいいますが、そんなことはありません。

例えば、「必ず家庭にあるものです!」「学校の実習とかで使ったと思います」「(普通は)一日三回行うことに関係があります」とか、

「それが何に関係する(ジャンル)ものなのか?」
「それを連想させるものは何か?」

ということを念頭に置いておけば、「直結はしないが考えることを始められるヒント」というものは必ず出せます。

というか、結構直接的なヒントをもらっても、わかんない人はマジでわかんないですよ。

「ある関係する道具」とか意味のない単語を使う愚策よりも、「なるほど、このジャンル(例えばキッチン系列)に関係がありそうだ」と連想させるような言葉を出してあげる、これが本当のヒントです。

スポーツなら「2020年の東京」とかオリンピックを出せばいいですし、

時間・曜日とかなら「カレンダー」とか「7つで1つ」とか「12で一周する」とか「アナログ/デジタル」とかそういうのができますよね。

ひらめき系は考える範囲を狭めてあげる。


3.まとめ

問題を作るときにも共通することですが、謎解きとは、

1=1、という自明なことに、障害物(パズルであったり、変換であったり、はたまた伏せ字であったり様々)と言う名のすりガラスを挟み込んだ状態なわけですよ。

その元の形を取り戻させるためには、どういった事が必要なのか、逆に言えば「どういったことを行って不可視化したか」ということを考えれば、ヒントは自ずと出てくるはずです。


それでは!

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