高齢者施設で働く看護師【体験談②】
こんにちわ。namakemonoです。
涼しい秋がやっと来てくれましたね。
私の住む地方は涼しいを通り越して少し肌寒さも感じます。
毎年秋はあっという間に終わってしまいます。
まだ仕事を休憩中の今年は、できるだけゆっくり満喫したいです。
愛犬2匹は夏よりも長くベランダで日向ぼっこができるようになったので、毎日ポカポカ幸せそう。
そんな2匹をみて、私も毎日ささやかな幸せを感じております。
自己紹介にも綴った通り、私の看護師経験は少し普通と異なります。
病院、美容クリニックと約3年半ほどは常勤として働きましたが、
その後約5年ほどは派遣の看護師として、固定派遣で色々な職場を数ヶ月〜長い所は年単位で活動していました。
派遣看護師の働き方の実態については、いずれまた詳しく紹介しようと思っております。
美容クリニックを辞めた当時は、看護師にも”派遣”という働き方があることすら知らなかった情弱な私。
そんな未知なる派遣看護師の世界に入り、まず最初の派遣先として選んだ職場が高齢者施設でした。
常勤看護師が鍵を握る
派遣先第1号の施設で勤務初日。
私はいつもの勝手な妄想により、派遣は常勤のお手伝い的ポジションだろう、雑用とかコマ遣いされるくらいの仕事なのかなぁ〜とお気楽に構えていました。
美容を辞めた後ということもあり、しばらく臨床から離れていた身としてはそのくらいの軽い仕事の方が助かると思ったり。
勤務前にあった職場見学の時にも、医療処置は少ないことや処置が大変な入居者は派遣には担当させないとも説明を受けていましたし。
しかしながら、美容クリニック初日の時と同様、自分の妄想はただの妄想で終わりました。
まず初めに看護師達の部屋で軽くミーティングがあり、その後すぐに仕事に取りかかることに。
初日は常勤が2人と固定派遣が2人の計4人での勤務となっており、常勤2人は2階フロア、派遣2人は1階を任せられました。
普通は常勤が1人ずつ分かれるべきでは?と思いましたが、
常勤の内1人は他の施設から助っ人で来ている短期の常勤ということで、まだ勤務して間もない方でした。
なぜ助っ人で他施設から来ているのかというと、もう1人の常勤が退職予定だったから。
そして私よりも数ヶ月前に派遣で勤務し慣れている固定派遣の方と私がペアになり、私が処置回りをして先輩派遣さんが相談役として見守り役となっていました。
つまりメインでバリバリ処置を任せられました。
なんなら普通に重症な処置も。
初見じゃできない処置は先輩派遣さんから教わりましたが、基本的には処置表を見て自分のやり方で処置回りをしていく感じでした。
とりあえず簡単に処置ワゴンの説明を受け、後は勝手にどうぞ回ってくださいシステム。
入居者の名前はケアさんに聞いたり机や部屋のネームをみてねと。(笑)
何から、そして誰の処置から手をつけたらいいのか全くわからず、初日はテンパリながら処置に回っていた記憶があります。
しかも処置表がヤバいくらい適当。
無駄に軟膏塗布の人多い&入浴日だけなのか毎日なのか、処置表が混雑しすぎて初見じゃわからないだらけで困りました。
(ちなみに軟膏塗布多すぎ入居者がいるのはどこの施設に行っても直面するあるある問題)
何コレな処置はとりあえず先輩派遣さんに聞いてなんとかやり切りましたが、あんな処置表でよく単発の派遣さんに任せられるなと、とにかく乱雑な状態でした。
処置の方法や回数、いつこの処置を終了にするかなどは常勤看護師が往診医と相談しながら決めていくことです。
簡単な軟膏塗布や貼付薬はケアスタッフが行なう施設も多いので、ケアさんができる処置業務の量を決めているのも、全て鍵を握るのは常勤看護師です。
色々な施設経験から、常勤看護師の判断力や業務量を見極めてまとめる力があるかないかで、その施設の看護師の仕事かつケアスタッフの仕事に影響するのではと感じております。
この施設の元から長くいた常勤看護師さんとは、私が入ってすぐ辞めたのであまり関わることができませんでしたが、病棟にいれば師長クラスの年代で大ベテランな風格。
古参の施設入居者の方々からはかなり慕われていました。
その一方で長らく更新されず適当な処置表を見る限り、おそらく自分の経験と感覚のみで処置を決めていたGoing my wayな方だったのではないかと思われます。
助っ人で来ていた常勤さんも少しやりずらそうにしていました。
この施設の看護師不足の一因かもしれない、
なんて余計な人間観察をするのも派遣看護師の楽しかったところです。
そんなこんなで初っ端から難易度高めな常勤1人だけ(しかも一時的な助っ人)の施設でした。
そしてこのメンバー以外に固定のメンバーはおらず、あとは日替わりで派遣が来るだけ。
ハズレの施設引いちゃったな〜と当時は思っていましたが、後々単発派遣の看護師達から話を聞くと、この施設はまだまだマシな方でもっとやばいハズレ施設があるとのこと・・・
今まで私が働かせていただいた派遣先で一番酷い状況だと感じたのはこの初めの施設だったので、どうやら私は派遣先選びで失敗していないようです。
意外とよくある複雑怪奇な処置
私が勤務していた有料老人ホームでは、軟膏塗布、褥瘡処置、胃瘻、バルーン管理、BS測定&インスリン注射、痰吸引、在宅酸素の管理、爪関係の処置が看護師が行う主な処置でした。
注射はインスリンくらいでほぼなし。
稀に体調不良者が施設内で点滴をすることはありました。
施設によっては人工呼吸器やIVHを受け入れていたりと医療処置が多い所もあります。
時には病院ではこんな処置絶対してない(笑)みたな処置にも出会います。
入居者がこだわり強くてちょっと厄介な人ほど変な処置が多かったです。
そしてどこの施設にも必ず1人はいる。
前述した軟膏塗りすぎ入居者以外にも、入居者の要望を聞いてヘンテコな創処置をいつまでも続けていたり、明らかに壊疽してもうお手上げな透析入居者の足趾処置を時間をかけて続けていたり・・・
病院では看護師や医師のやり方に患者さんは従わないといけませんが、老人ホームなどの施設は病院ではなく入居者の家になります。
だから看護師が強制的に行うというよりは、入居者の要望もある程度取り入れて処置をしている施設が多かったのかなとこの記事を綴りながら、今更気がつきました。
処置は面倒くさくて嫌いでしたが、施設は個性的な入居者さん達が本当に多くて、コミュニケーションを取るのがただただ楽しかったです。
私が高齢者施設の勤務を長く続けてきた一つの理由でもあります。
もちろん苦手な方もたくさんいましたが、どうやったら認めてもらえるか、どんな話題なら盛り上がるのか、色々探りながら処置に入ってその人を知っていくのは好きでした。
そして入居者さん達との出会いはまさに一期一会だったなと、感慨深い気持ちになります。
そんな個性豊かな入居者さん達との思い出を、次回以降ぼちぼちと紹介していけたらと思っております。
おじいちゃんおばあちゃん達は歳の数だけ本当に色々な経験をしていて、話す言葉に説得力がありました。
それではまた次回、気まぐれに。
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