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自在館で原稿合宿したよ

11月某日、私は新潟県にある栃尾又温泉「自在館」という湯治旅館に一人で来ていた。終わらぬ原稿を携えて――。


栃尾又温泉「自在館」

場所は新潟県の山奥、ソフトバンクの回線が届かない(Wi-Fiはある)こちらの旅館に1泊2日したよ。
詳しくは以下のHPを見てね。

「原稿合宿プラン」はないものの、ここなら一人で温泉に浸って美味しいご飯を食べてゆっくり原稿できそう…。と思い、前日に予約したよ(計画性)。
あくまで湯治場、静養の場なので過度なサービスなく、おひとりさま歓迎というところが気後れせず過ごせてとても良かった。
それでいて、「現代湯治」という謳い文句の通り現代人向けに過ごしやすい工夫がされていたよ。

集合:新幹線駅・浦佐にて

山奥だからアクセスは車がないと厳しいけど、新幹線を使うと東京から2時間で着くよ。駅からは送迎バスが出ているので助かる!

観光案内所が待ち合わせ場所

その日は結構多くて10人くらいが一緒に乗り合わせた。自分以外にもお一人様が数人いてすでに安心感。
11月には雪が降ってもおかしくないらしいけど、まだまだ紅葉が楽しめたよ。
どんどん山奥へと向かって行くこと数十分……

着いた!
渡り廊下っていいよね(改修中だったけど)

旅館:雰囲気のいいロビーがお出迎え

入ってすぐのロビー。

本は持っていって読むことができる
若者向けのラノベもチラホラ
演奏会してほしい
ロケーションも居心地もすごく良かったので、
人がいない時は大体ここで作業してた。

客室:一人部屋が嬉しい

初めての利用だったので館内の説明を一通り受けてから(よく覚えられなかったが地図をもらえるのでチェックアウトまで握りしめることになる)お部屋に通される。これがすごく良かった。

いい…
いい…

「そうそう、こういうのでいいんだよ…」と一人ほくそ笑む自分。布団も敷いとくから好きにしてね!感。この程よいほっとかれ感がいいんですわ。
元々一人で過ごすことを想定してるというのが嬉しいね。
それから……

近代的!!!

なんとタッチパネルで貸切風呂が予約できる!お風呂に入る以外で部屋から出なくて済む!助かる〜!(出不精)
それと飲み物やちょっとしたお茶うけは無料なので(すごくない?)、コンビニなくてもその辺はなんとかなります。自販機もあるし。
ちなみにお酒の持ち込みは可。飲める人は新潟の美味しいお酒持ってきてもいいかもね。(原稿目的の人はやめておこうね)

秘湯:ラジウム温泉

14時半くらいに到着したので早速お風呂に入ろうと準備。大浴場は3つあり、日替わりで男女が入れ替わるよ。
この日はしたの湯という源泉掛け流しの温泉へ向かいます。

ダンジョンの入り口?
バ○オハザード?
ぐんぐん進みます

途中不安になりながら結構な距離を下っていくと、……温泉あった!
浴場は撮影できないのでHPで確認してみてね。
ここ栃尾又温泉はラジウムという珍しい成分が入っているようで、源泉の温度はだいたい35度!じっくり長時間浸ることで効能があるとのこと。
事前に調べた時に、「常連は本を浴場に持ち込んで読んでる人もいる」と仄聞し本当かなぁと半信半疑になりつつも自分も某ゲームのイベントの予習がてら『ソラリス』を持ってきていたわけですが(「孤星」面白かったですね)……

早速いました!本読んでる方!!

嬉しくなって自分も脱衣所に戻り本持って温泉でじっくり本読みました。3時間
35度ってぬる過ぎないかなぁと想像してましたが、いやはや人肌と同じ温度って溶ける感じがするんですね。まるで水と一体になったような心地よさ。長く浸かっていると芯からあったまる感じがあって気持ちよかった…。
のぼせる感覚はなかったんですが、ちょっとふらついたので入浴前に水分はしっかり飲みましょう。

食事:湯治食で健康になる

旅館というと食べきれないほどの豪華な懐石料理なイメージがあるんですが、こちらは湯治場ということで「湯治食」なるものが用意されます。決して華美ではないけれど、食材本来の旨みを生かした丁寧な食事が摂れる。実にいいこと。
自分が選んだのは「一汁四菜」コース。

この量が最適なんじゃ〜。

これが外食時なぜか胃が小さくなる自分にぴったりの量だった〜!食べきれて感動しちゃった…。少食の方はこのプランを選んでみてね。
あと新米がうまい…お米だけおかわりした…新潟って最高…。

ちなみに朝食はこちら。

景色のいい席に案内されてハイテンション、モリモリ食べた

温泉と食事で心身ともに健康になれる、最高のお宿でした。
そうそう、お食事場所は朝夕ともに部屋食も選ぶことができます。至れりつくせりか? 自分は部屋に食べ物の匂いを入れたくなかったので食堂を選びましたが、部屋食を選べば完全にお籠もりできる!完全体!

ちゃんと原稿もしたよ

ノーパソ新調してよかった〜!

夕飯食べた後に貸切風呂入って、ロビーと部屋で日付変わるまでモリモリ校正してました。自分はソフトバンク回線だったのでWi-Fi切ったら完全にネット断ちできる環境なのも原稿合宿向きだなーと思いました。

原稿合宿としての総評:一人で黙々と文字書く人向き!

ネットも繋がりにくい山奥で温泉しかないという立地がお籠もりで文章作業や読書するのに向いているなーと感じました。
ただし「原稿合宿プラン」を提供している旅館ではないため、延長コードや読書ライト等は貸し出しがあるものの、絵描きの方には作業環境を整備するのが大変かも。室内は座椅子だしね。
また再度の注意ですが、あくまで湯治場であり静養する場所なので多くても2人くらいが良いです。歴史を感じる木造なので音が案外響くよ。

とはいえアメニティは充実しているので荷物は少なくて済むし、適度にほっとかれるけど細かな気遣いに満ちているので、原稿合宿目的じゃなくても本当にゆっくりできます。ぜひ皆さん足を運んでみてくださいね。
それから連泊推奨です。メインの温泉がガチで良すぎて、一泊じゃもったいなかった…。
スタンプカードもらったのでまた機会があったら今度は積読持参します。
冬は雪見温泉できるのかな〜。いいな〜。

至る所にいるたぬきさん。ほっこりかわいい
山奥なので「山の先住人」がいるのは仕方がない
けれど、こういうユーモアで和ませてくれる心配りが随所にある
帰りの道の駅でおもしろ自販機を見つけた

あとがき

原稿は無事に脱稿できました。締切当日に…!
解像度のこともよくわかってなかった自分に表紙を作り直してくれてありがとうTさん…(修羅)