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映画「数分間のエールを」

総合評価

85点

また「君の⚪︎は。」始まっちゃったか・・・

冒頭男の子と女の子の独白から物語がはじまるので、また「⚪︎の名は。」が始まっちゃったのかと思った。相変わらず予告PV等もまともに見ないまま劇場に足を運んだので、なんとなくキービジュアルにギターが映ってたので男主人公のバンド物だと思っていたらそうではなかった。ギター持ってる方も男の子かと思ってた。

まさかの全編3D映画だった

というのが次の感想。しかし精密な描写ってわけでもなく1〜2世代前のファルコムゲーみたいなレンダリングなのでこれでいいのかなとしばらく思いながら観劇。序盤に主人公君が作っていたMVが実写加工映像なのかキャラクタ書き起こしの動画なのかがよくわからないという弊害があった。(中盤まで見ていくと自作の3Dモデルだったとわかる)

最初の個人的なノイズ

主人公君が冒頭で感化される、雨の夜の路上での中でギターをかき鳴らしなら熱唱する女性。主人公君は傘を差すのもままならないまま、スマフォをかざして動画撮影するという非常にインパクトのあるシーンなのですが、上に屋根がある場所とはいえ、雨の中でアコギ弾くのはどうなのかということが気になって話に集中できなかった。

そのパターンはあまり記憶になかった

朝、ちこくちこく〜と交差点の角でぶつかった異性が転校生だったパターンは100回くらい見たことあるけど、先生が赴任してきたパターンは・・・多分1回くらいはあるんじゃなかと思う。作品は思い出せない。雨の日の去り際で校章に反応してたからそういうことなんだね。

さて、昨日演奏していた女性が赴任してきた先生だったことで、先生にMV作らせて欲しいと直談判する主人公。先生はしぶしぶ了承するが、もういちど自分の歌を聞いて欲しいという話をし、指定された日時にライブハウスに友達君と赴く。

先生ちゃんは未練たらたら

学校赴任前に路上演奏、そして歌をもう一度聴いて欲しいという体でライブハウスでの演奏。100曲目に作った歌は自分のシンガーになりたいという夢を諦める歌であると観客(の中にいる主人公に)告げる。しかし、あきらめきれていないしそしてその気持ちを偽っている。先生ちゃんは実に未練たらたらである。

MV作成シーンは・・・社長!社長じゃないか!!

MV作成作業の描写について、通常ならPCでマウス操作したりキーボードをかちゃかちゃしてッターンしたりペンツールでなんか描いたり等、非常に地味な絵面になってしまうところを、体全体で空中に投影されたディスプレイを操作しているかのような表現でダイナミックに作品を創っていく。

全然現実とは異なる過剰演出なんですがとても見応えがあってワクワクしましたね。そしてこれは・・・トニースタークがアイアンマンを作ってるやつじゃないか!社長!!!

解釈は間違ってなかったけど作品はダメだった

何日もかけてようやく完成したMVを先生に見せたところ、「君らしいね」と感想とともに、このMVは公開しないでと言われてしまう。「わたしの歌ちゃんと聞いてくれたの」という問いかけに回答できない主人公。

先生が聞かせてくれた歌とその歌詞をじっくり解釈し、主人公は歌を届けたい、そして届かないことへの諦め。最後に立ち直るという解釈を付け加えた。

私見ではMV全編を女の子が塔に登るというテーマで形作ったところが失敗だったと思う。下半身の要求が強く入りすぎてたんだよ。塔(意味深)に登るお気に入りの萌えキャラ。

三者三様思いさまざま

先生ちゃんは歌が届かないと諦めたつもりだったが、主人公くんには届いていたということに気がつかない。友達君は最初にコンクールで受賞してしまったために漠然と絵の道にすすもうかと思いつつも描きたいものが見出せない。主人公君は渾身の力をこめて創ったMVを否定されその中に込めた自分の作家性に気づいていない。

友達君が美大を諦めたという話を聞いて美術室に行く主人公、そこには友達君が書き留めた50冊ものスケブが。それを見て主人公君は自分はまだまだひよっこであることを認識させられる。

ピンク髪はヒロインの証

先生の歌MVとは別に、ピンク髪の軽音部(?)の楽曲を作るといる別の約束を果たし、完成品を一緒に見ることになる。そこでピンク髪が君のMVを見ると応援されてる気持ちになって元気になると告げる(うる覚え)。

そこでようやく主人公君は自分の気持ちに気が付く。僕は誰かを応援したかったんだと。

MV作成リベンジ

自分の気持ちに気がついた主人公くん、再度先生にMV作成させて欲しいというお願いをする。ここでアバンの独白部分の描写に繋がる。
先生もう一曲つくってるじゃん。とおもったがMVリベンジ作成してる裏で先生側は別にもう一曲つくってるわけじゃなかったかも。

出来上がったMVは、一心不乱に絵を描く女性の姿。ここで3Dがしょぼかったことが生きてくる。映画全編が3Dであるのに対してこのMVは手書き絵を重ねたように見える作り。これを対比させたかったのかと納得。絵を描く人のモチーフにしたのは、友達君にも諦めるなというエールを送りたかったんだよね。

そして退職へ・・・

リベンジMVを見て自分はまだやれるかもしれない。すくなくともこの1人の生徒には歌が届いたということを認識した先生ちゃんは学校を退職。
季節感がいまいちわからないんですが、期の途中で赴任して数ヶ月で退職・・・それはあんまりじゃないですかね先生ちゃん。

最後の個人的なノイズ

エンディング曲だけちょと苦言が・・・劇中先生ちゃんとピンク髪2人歌う人物がいるんだからエンディングはどっちか、まあ先生ちゃんが今度は誰かを応援する歌ににするのが妥当なんじゃないんですかね。まあ大人の事情とかもあるんでしょうが。ちょっとモニョりましたね。

いろいろ書き連ねましたが

これから何者かになろうともがいている若い人すべてに見て欲しい映画だと思いました。













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