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自選 短歌・俳句 2015

朝食に朝陽をひとつ、召し上がれ きいろくて丸くてつやつやしてる  
東京はつゆが濃いので素うどんに夜空の月を映す十五夜  

たましいの賞味期限を見るひとよ 早く私を食べてください 

「全員無事」の一面記事で大皿を包む、大事に、大事に  
五賢帝は五人、四神は四体、三大欲求、二月、ひとひら  
ハイライトされた世界に沈む君
魂の遺留分としての午餐   

秋姫の葬列 黄金の道をゆく   
彼岸入り 夕焼け行きの新幹線 草むらに鳥 亀虫の匂い  

チューハイの泡粒ほどの軽やかさ に憧れて朝日眩しい  
二酸化炭素に貴賤はないと思うのですが、champagneばかり特別扱いしないで欲しい  

君の住む街のハッシュタグ見てる きらきら、きらきら、異国みたいだ  

ねえ、なんてひりひりしてるの、私たち。あなたの爪は尖って痛い。  
フェリスナビダ 意味も知らず ただ君からの最後の言葉  
奥二重睫毛の陰る並木道 揺れる水辺を逍遥したい  
着信する光を星の如く見て 幸せにと三回つぶやく  

トトロなら、大中小っているけれど、君はXLだけだね  
撫でられて くしけずられて この形   
腹の虫 どちらに居るか 夜明け前   

雪原のキタキツネ大三角の下    
永遠に開かないドアに手をついて戸袋の中の獣を思う  
繊細なハートが傷つかないように四方を羊に守られている 
タヌキリス 週に5日は ニンゲンごっこ お休みの日は スライムごっこ 
大都会 駅に向かって歩いてる 電車、ニンゲン、猫、タヌキリス  

なこなこがお家に帰るかえりみち ねこねこたちもにゃあにゃあ言った

(作品は以上で全てです)

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