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講演メモ:妖怪空間-でそうな場所-(2016.6.11)
※あくまでも講演中に気になったことを個人的にまとめたメモです。それぞれの先生のご見解と異なることがあるかと思います。
1.小松和彦先生講演
日本の妖怪の特徴5つ
→歴史の長さ、絵画の豊富さ、種目が多いこと、姿形の多様さ、かわいらしさ
かつて妖怪は恐怖の対象であり神に近い存在(神の別の側面)であった。絵画などでも大きく描かれた。
やがて妖怪は小さくなっていき、かわいらしい存在となった。
かわいくなると好きになる、生活に浸透する、身近になる。
人間を投影することで妖怪はキャラクター化する。
→人間と妖怪の関係性によって、妖怪の性格が決定する。
古典妖怪と創作妖怪について。
:創作妖怪は、名前をつけ、絵にすることで「妖怪」となる。
裏と表の境界、中心と周辺の境界が、妖怪の入り口となる。
2.齋藤真麻理先生講演
都市における妖怪空間について
付喪神絵巻
御伽草子の異類物(異類=妖怪や動植物など。人間以外)
物語の流れ:春に栄華を極め、秋冬に没落する(一年)
当時の流行を取り込んでおり、室町時代と江戸時代ではディテールが異なる。
器物の妖怪≒疫病の神
都の北の境界→南の境界への移動
その中間地点(神泉苑)は百鬼夜行が出る場所
3.常光徹先生講演
妖怪は屋根から来て家の中の様子を伺う
(家の中を逆さに覗き込む)
屋根の棟に登ると未来や妖怪が見えると言われていた。
棟→前庭と家の裏の境界、中と外の境界
妖怪は破風から家に出入りする。
(破風は三角)
目籠を魔除けとする
→目、格子、籠、など
屋根より高い木が忌まれることがある
→屋根=境界を越えることへの不安、恐怖か
トイレの妖怪
→陰部=身体と外部の境界を晒す場所であるからか
蚊帳の中には幽霊は入ってこられない
家の外/家の中/蚊帳の中/身体?
4.安井眞奈美先生講演
妖怪は体のどこから入ってくるのか
→皮膚(毛穴)から入ってくる
後産の時に背中を藁で撫でる
背中、脇などが無防備
→琉球舞踊衣装では袖の紋が背中や脇を守る位置にある。
外部に開いたところも弱点となる
→性器、肛門、目、鼻など
5.パネルディスカッション
妖怪のモデル
・ある現象に名前をつけ、絵にして妖怪にしたもの
・非農耕民や動物がモデルとなった妖怪
境界は動くもの、相対的なもの
境界としての認識と実態についても考える必要がある
(辻、橋など)
かつて人のいた場所から人がいなくなると、妖怪が出るようになる→時間的境界
(学校、都、空き家など)
夕暮れ時は境界が迫ってくる時
かつて体の一部であったものがケガレとなる
(排泄物、血液、汗、涙、髪、爪、胞衣、垢など)
背中は怖い
→目がないから弱い
トイレを使う時の心理的要因もある
身につけているものや体の一部と妖怪の関係
脇の下や膝の裏など、狙われやすい所がある
→刺青を入れたりする。背守りなど。
五感が形成する妖怪のイメージについて
6.自分的考察
現代の幽霊話にタクシーのものが多いのは、移動中=境界であるからか
自動車、ホテルなどは境界的存在か
家のトイレと公共のトイレで何か違いはあるか
目が向いている方、閉じているとこ穂は妖怪が狙いにくい
見えない方、開いたところは狙われやすい
→意識が向いているところは狙われず、無意識との境界に妖怪が現れるということか
→目が見えない人の場合は?
かつて山林は集落と集落との境界だった
開発が進むと境界が少なくなるのとと現代の妖怪の関係
日本で非農耕民が妖怪のモデルとなったなら、ヨーロッパで非キリスト教徒が悪魔や魔女とされたことと同一モデルか?
五感が形成する妖怪のイメージとして、当初のものは音=聴覚由来のものが多かったのでは。
その後絵になると視覚由来となるのでは。
身につけていたものや体から排泄されたものが妖怪と親和性が高いとすれば、これは、「魂感染論」を補強することとならないか
おもに日々の角ハイボール(濃い目)代の足しになります